「風に立つライオン」映画化!

 私のこのブログに、突如として異常なくらいの数のアクセスが集中しました。いったい何があったんだろうと、中身を見てみると、さだまさしさんの「風に立つライオン」映画化されるというニュースが流れて、私の柴田紘一郎先生の記事にアクセスが集中したというのが真相でした。この映画、大沢たかおさんの主演で、三池崇史監督がメガホンをとられます。2015年3月14日から、全国東宝系で公開される予定です。

風に立つライオン この作品は、さださんが1987年に発表した楽曲「風に立つライオン」を基にした作品で(いつもコンサートではアンコールに歌うことが多い壮大なスケールの曲です)、2013年に小説となりました。ケニアの長崎大学熱帯医学研究所に赴任し、国際医療ボランティア活動に従事した実在の医師(柴田紘一郎先生)に聞いた話に触発されて作られた同楽曲に、大沢さんが惚れ込み、今回の映画化プロジェクトがスタートした、といいます。これまでにも、さださん原作の映画『解夏』『眉山』に出演してきた大沢さんが、今回三度目に演じるのは、遠く離れて暮らす恋人への想いを抱きながら、ケニアの過酷な医療環境の中で心身に傷を負った患者たちと真摯に向き合う医師・島田航一郎(どこか名前も似ていますね)。また、ケニアで航一郎を支える看護師・草野和歌子役を石原さとみさん、航一郎が日本に残してきた恋人・秋島貴子役を真木よう子さんが演じるほか、鈴木亮平、萩原聖人、石橋蓮司といった面々がキャストに名を連ねています。

 撮影は10月中旬から長崎でスタートし、11月中旬からケニアで撮影中だとのことです。撮影期間、人数ともケニアでは日本映画史上最大級のロケがスタートしています。さださんも現地を初訪問しておられます。今月中旬、主人公・航一郎が働く熱帯医学研究所のシーンは、ナイロビ市内の農業研究所の一角で撮影されました。赤道直下ですが、標高1700メートルのナイロビは、軽井沢に似た冷涼な町です。治安は悪く、自動小銃を下げたセキュリティーたちに守られての撮影となりました。日本、ケニアの混成撮影チームは英語、日本語、スワヒリ語が飛び交い、少しくたびれた白衣を着た大沢さんが、いかにも「へき地の青年医師」というたたずまいで風景に溶け込んでいた模様です。企画段階から関わってきた大沢さんは、「『風に立つライオン』は聴けば聴くほど、歌われた人物について知りたくなる。この歌の世界を映像で見たい、できるならば自分で演じたいと思った。さださんのファンとしても、プロの俳優としても」と語っています。風に向かって立つ1匹のライオン。そんな生き方に共鳴するものがあったといいます。当のさださん自身は、初のケニアに「自分の中にあるアフリカと寸分のズレもなかった」と驚き、「一つの曲が時間をかけて、こんなに多くの人を動かす例を他に知らない」と運命の巡り合わせにうなりました。三池監督も運命に導かれた一人です。バイオレンスのイメージが強い三池監督が、感動のヒューマンドラマとは…「妙な違和感があるよね」と本人も苦笑するが、「歌と大沢さんの熱意が僕を引き合わせてくれた。さださんの願いを素直に映像にして、観客それぞれの心に、航一郎という人間が残るような映画にしたい」と語りました。

 映画の登場人物たちのコメントが、それぞれ公開されました。

■大沢たかおのコメント

 最初に「風に立つライオン」という曲を聞いたのは10年以上前になります。素晴らしい曲だと思いました。その時に、まさか今、アフリカの大地にさださんと立っているという事を全く想像できなかったです。映像化のことはもちろん、プロの俳優として映画製作に携わる一人として、物語になったものが出来た場合、それを映像で見てみたいし、もし自分に配役があれば自分が演じてみてその世界を映画館で観たいと思っているので、さださんに原作をお願いした時に映画にしたいと話をしました。その後、できあがった原作を読んで感動しましたし、本当に素晴らしかったので、是非映画にと話をした自分の責任もそこから具体的に発生しました。今回、ケニアは2度目なんですが、1回目に来た時は「風に立つライオン」という曲を聞いて来たというのが大きかったので、ビクトリアの滝だったりフラミンゴだったりを実際に見ながら、誰にも頼まれていないのに一人ロケハンしている感じでした(笑)。あの歌の世界に自分が立ったらどういう感じがするのか、自分の中で深いところに触れるものがアフリカにはあったので、歌を聞いたときから「風に立つライオン」の主人公を自分がやりたいという思いを、さらに強く持つようになりました。今回のような歌から始まって小説、そして映画に至る流れって、なにかに守られているというか、なにかに後押しされているような、そんな風に感じています。小説の中に命のバトンを繋いていくというメッセージがあるように、今回のプロジェクトには、さだまさしさんの「風に立つライオン」という歌があり、それが小説というバトンとして、僕からプロデューサーの方に引き継がれ、三池監督が引き継ぎ、現場で僕なりがそのバトンをもらって芝居をして、映画として最後にたくさんのお客さんに向けて、そのバトン渡す。引き継いだ全員の魂がそこに乗って、何かがみんなに届くような作品にしていかなくてはいけないなという事を改めて強く感じています。

■石原さとみのコメント
 今アフリカ、ケニアで撮影しています。景色も人も空気も言葉も文化も違うこの場所で、映画の完成を目指し、笑いながら三池監督と大沢たかおさんの人柄と熱意に安心と勇気をもらいながら撮影しております。この映画に和歌子役として参加できていることを、そしてアフリカに来れた事を今とてもとても嬉しく感じています。全力で無事故で最後まで撮影頑張りたいと思います。公開をご期待下さい!

■真木よう子のコメント
 私が演じる貴子は、自分にはない魅力を持った航一郎に惹かれながらも、自分の生き方や幸せをしっかり判断する強さを持った女性。二人の物語を含めて作品全体のキーワードになっているのが、航一郎の「ガンバレ!」という言葉で、映画の中ですごく大切に美しく響いています。以前からご一緒したかった三池監督が、この壮大な物語をどのように仕上げられるのか本当に楽しみです。

■さだまさしのコメント
 僕が20歳の頃に柴田先生と出会い、15年かかって1987年に『風に立つライオン』という楽曲を書き上げました。この曲を気に入ってくれた大沢たかおさんから、映画化のための原作を依頼されたのは今から6年以上前ですが、楽曲として完成しているものと同じテーマで小説を書くことに逡巡するうちに3年が経ち、様々な資料を集め勉強しつつ、実際に書き始めてから2年かかってようやく書き上げました。もちろん、主人公の航一郎は、大沢たかおさIMG_2364んの当て書きです。今回、ケニアに初めて来ましたが、実は来たくありませんでした。自分の中で出来上がっているアフリカが壊されてしまうのが怖かったのです。けれど、いざ来てみると自分が思い描いていたアフリカと寸分のずれもありませんでした。吹いている風が良かった。我ながらよく「風に立つライオン」というタイトルをつけたなと思いました。一つの楽曲がこんな風に時間をかけて、多くの人を動かしていく例は希有でしょう。喩えれば、柴田先生からもらった種を僕が蒔いたら、花が咲いた。草花だと思っていたら実は大樹で、その木にたくさんの人の想いが咲いて、大沢たかおさんが「この木は実がなりますよ」って言ってくれたんです。この実を三池監督がどういう料理にしてくれるんだろう…と、そんな感じです。その意味でも「風に立つライオン」という楽曲は、自分で作ったものという感覚はあまりなく、頂戴したものという感じです。よくぞこの楽曲が、僕のところに降りてきたなと思います。

■三池崇史監督のコメント
 さだまさしさんの「風に立つライオン」という曲はだいぶ前から知っていました。音楽家として、語り手としてさだまさしという人の大ファンで、今回、映画「風に立つライオン」で一緒に仕事をするという事に、自分自身が驚いています。完成した作品を観て、主人公の島田航一郎という人間が登場人物達の心の中に残っているように、観客ひとりひとりの心の中にも同じように残ってもらえればいいと思います。

 私は、さださんのコンサートに通う中で、「風に立つライオン」への思い入れは、ますます強いものになっていきました。そしてこの楽曲のモデルとなった医師・柴田紘一郎先生のことを知り、第26回宮崎医科大学すずかけ祭医学展ライオン企画(編)『風に立つライオン』(不知火書房、2002年)を読み、ますます興味をそそられました。教室でこの曲をかけて、生徒たちに訴えたことも何度もありました。医師の道に進んだ生徒もたくさんいます。

 そんな中、「運命の巡り合わせ」ともいうべき出来事が、私にも起こったんです。英語を教えていた松江北高二年生(当時)の安樂万智子(あんらくまちこ)さんが、中国ブロック代表としIMG_2427て、2013年8月22日(木)、宮崎市民ホールで開催された「第33回高校生英語弁論大会」(全国国際教育研究協議会主催)に出場することになりました。この大会のゲスト講演に、何と柴田紘一郎先生がいらっしゃったのです。⇒講演の様子はコチラです。さらに運命とは恐ろしいもので、この安樂さんのお父さんはお医者さんなんですが、長崎大学の学生時代に、柴田先生に直接ご指導を受けておられたのです。こんな偶然って本当にあるんですね。そんな不思議なご縁で、私も柴田先生とお知り合いになることができました。先生に講演のお写真をお送りしたところ、丁重なお礼状もいただくことができました。また、このブログも見ていただき、身に余るお言葉をいただくことができました:「先生のホームページも拝見させていただきましたが、英語科の教師としてすばらしい英語教育に、またあまたの一般事象への高いご見識を常に発信されている姿勢に感銘いたしました。」

 「風に立つライオン」、何度聞いてもいい曲です。初めてコンサートのアンコールで聞いたときには、鳥肌がたちました。詞をじっくり読んで、さらに感動が深まりました。柴田先生を知り、ますますその世界の奥深さを実感しています。この曲がきっかけとなり、アフリカを目指す青年医師が増えたとも聞いています。 さださんが、まだ若い頃(三十台)に歌った映像が次のものですが、最後の最後のシーンで感動が倍増しました。

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