out of order

 二次試験のための特別講座の英作文の授業で、生徒が “My watch was out of order…”(私の時計が故障した…)と黒板に書きました。 この男子生徒は英語がかなりできる生徒なんですが、頭の中に「故障した=out of order」という図式があったのだと思います。しかしこの英語は、文法的には間違ってはいないものの、オカシク響きます。私は黒板に黄色いチョークで、“was broken”と訂正をしました。out of orderという表現は、私的所有物ではなく、機械類、それも多くの人が共同して使用する公共性の強い機械、器具類に使われるのが普通です。例えば、エレベーター、公衆電話、ビルのエアコン、自動販売機などです。公共性のある物が故障しているときにout of orderを使うのです。時計は個人の所有物ですから、不自然に響くのです。このことはキャサリン・クラフト『日本人の9割が間違える英語表現100』(ちくま新書、2017年)にも書いてあります。最近の英和辞典では、注記するものも出てきました。

〇 The elevator has been out of order for three weeks. エレベーターが3週間前から故障している。

○ The vending machine was out of order, so I couldn’t get any canned coffee. 自動販売機が壊れていて、缶コーヒーが買えなかった。

? The vacuum is out of order again.  掃除機がまた故障しちゃった。

? If this watch should get out of order, we will replace it. この時計が故障したら、新しいのと取り替えることにしよう。

? The door won’t open; the lock must be out of order. ドアがどうしても開かない。錠が壊れているに違いない。

 普通、錠前は機械と呼べるほど複雑なものではなく、公共性が強いとは言えないでしょうから、out of orderは不自然に聞こえるのです。もちろん、最近の高級マンション等に見られる、居住する人たちが共同で使う公共性の高いオートロックなどの場合だったら、自然な英語となるでしょうね。

 私はこういった高校生たちが誤りやすい英語表現を、長年の教師生活の中でずっとファイルしてきました。以前、松江北高に勤めておられたALTのナディーン・ライト(Nadine Wright)先生も、日頃の生徒の作文を添削する中で、気づいた日本の高校生に多い典型的な間違いを書き留めてくれていました。そこで二人でそのような「間違い集」を作ろうということになり、私がアルファベット順に配列をして、簡単な解説をつけて発表しました。八幡成人・ナディーン・ライト「日本の高校生の間違いやすい英語」 『研究紀要』第46号 島根県立松江北高等学校(2012年)がそれです。⇒コチラでダウンロード・プリントアウトすることができますから、日頃の授業にご活用ください。明日のブログでは、こうした日本人特有の英語に関して、再び詳しく取り上げます。❤❤❤

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