that is to say

◎実に腹立たしい!!

 『英語教育』(大修館)の今月号(7月号)の「クエスチョンボックス」欄に、成句that is to sayに関する、実に腹立たしい質問が載りました。「成句のthat is (to say)は「つまり」という意味だと思っていましたが、そう訳すと次の文の意味が通じません。このthat is to sayはどういう意味なのでしょうか。OALD9やLDOCE6を見てもこの意味が分かりませんでした。よろしくお願いします。」というものです。

I’ve never met him. That is to say, I have no recollection of ever having met him.

 尊敬する柏野健次先生(大阪樟蔭女子大学名誉教授)が丁寧に解説をなさっておられるんですが、こんなthat is to sayくらい学習英和辞典にも出ている用法です。私たちの『ライトハウス英和辞典』(研究社)にも出ています(前に述べたことをより明確に言い直すときに用いる)。辞書を引く手間を惜しんで、自分でろくに調べもしないでQBに頼ろうとする根性が気にくわない。私は「少なくとも」こんな先生には絶対に習いたくない。現場教員のレベルはここまで落ちているかと思うと、情けなくなります。

 that is to sayの語義として存在する、1)つまり (2)少なくとも (3)ただし、…の話だが この3つの用法の根源的なコアを「もっと正確に言えば」と捉えることを柏野先生は提案しておられます。卓見です。ただ「このように英英辞典のthat is (to say)の項にat leastの語義があまり載っていないのは、that is (to say)よりもat least そのものの方がよく用いられるという事実と関係があるように思います」と結んでおられるのには、少し注釈が必要と思われます。

 実は、このことはすでに、1985年『英語教育』2月号で、旧知の淀縄先生が『アンカー英和辞典』の用例の訳文に疑義を唱えて、故・小西友七先生がそれに答えておられます。「that is to sayの’at least’の意味」と題する回答です。辞書の記述を概観した後で、「これらを見ますと、少なくともイギリスでは使われているようですが、アメリカでは過去にはともかく、今日ではもはや使われていないのではないかと思います。」と結んでおられます。後継辞典の『スーパーアンカー英和辞典』(第4版、学研)を見ていただければ、この成句の詳細な記述を読むことが出来ます。小西先生の回答には、私も若い頃よくお世話になった、米国老舗辞書出版社・メリアム・ウェブスター社の編集者Robert Copelandさんの意見も引かれていました。

     The expression that is to say in the sense of “or at least” seems to be a British usage. We can find no examples of this usage in our files of citation from American sources.

  要するに《英》ということです。確かに、英国系のLongman Dictionary of the English Language (1984) や The Penguin English Dictionary(2003)には、ちゃんと出ています。ただ、最近のイギリス系の辞典には出ていないことから、現在のイギリスでの使用頻度はどうなのかな?と私は疑問に思っているところです。こういう点をQBに聞くのなら分かります。意味を教えてくれ、など言語道断です。今回のQBを読んで、現場教員の英語に対する非常に安易な姿勢にガッカリしたことでした。「喝!」です。😠😠😠

【追記】 いよいよ今週末は、土浦でお話をさせていただきます。先週の東京会場の様子はコチラをご覧ください。松江北高卒業生の小川綾音さんと一緒に、先生方の明日の授業から役に立つ元気の出るお話をさせていただこうと思っています。資料も惜しみなく提供させていただきます。どうぞお誘い合わせの上、お越し下さい。みなさんにお会いできるのを楽しみにしております。

「ABC」(当たり前のことをバカになってちゃんとやる)、「散歩のついでに富士山に登った人はいない」、「やりっ放しにしない」を大切にして長年積み重ねてきました。「センター試験」の重要性は言うまでもありません。高得点を取れば取るほど、志望校が近づきます。英語の得意な生徒だけでなく、英語の苦手な生徒たちが意欲的に取り組むように仕向けるには、「勉強の仕方」を押さえた上で、徹底的な演習をすることが有効です。私が指導した生徒たちは、筆記平均点188点、リスニング46点を取ってくれました。その指導のノウハウを惜しみなく開陳し、使っている資料も公開します。またこの研究会に参加していただいた先生方みなさんに、私が過去に作ってきた指導資料400本以上の収録されたCDデータ集をプレゼントさせていただきます。学校で使っている種々の英語指導資料も手に取って見ていただけます。(ラーンズHPより)

  • 日時:2018年6月23日(土) 14:00-17:00(受付開始13:30)
     場所: 土浦亀城プラザ
     定員:60名
     参加費:無料      ★お申し込みはコチラから
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