may well/ may as well/ might as well…as

 「勝田ケ丘志学館」の英作文の授業で、「君が自分の町の長い歴史を誇りに思うのももっともだ」「早めに宿題を片づけた方がいいよ」「次のバスを待つくらいなら歩いた方がましだ」という和文英訳問題が出てきました。それぞれ、You may well be proud of the long history of your own./ You may as well finish your homework as soon as possible./ We might as well walk as wait for the next bus.といった英文が書かれました。そこで、「may well Vの意味は何となく分かるんだが、may as well Vがどうしてこんな意味になるのかが分からない」という質問が発せられました。私はこういうときには、その場で答えないで、「ちょっと考えてみよう」と宿題にすることが多いんです。こうやって考える習慣を植え付けたいと思っています。さて、次の週に教室に入ると、前面の両方のホワイトボードにびっしりと書き込まれていました。might as well A as B(BするくらいならAしたほうがましだ)にまで踏み込んで、その成り立ちが解説してあります。私はすぐにカメラを持って来て、写真に撮っておきました。それが下の写真です。彼にはそれを説明してもらい、皆で納得しました。good jobでした。

 may well V(Vするのももっともだ)、may as wellV(Vしたほうがよい)、may [might] as well V1 as V2(V2するくらいならV1したほうがましだ)の3つの成句は、どの文法参考書にも助動詞のところに載っています。でもそれがなぜそんな意味になるのかは、まず書いてありません。私は単に丸暗記するのではなく、その成り立ちにまで踏み込んで考えてもらいたいと思って、長年そのような指導をしてきました。こうして「なぜ?」を意識すると、丸暗記に比べて忘れにくいだけでなく、他の分野にもよい影響が大きいと思っています。私は故・安藤貞雄先生(広島大学名誉教授)からそのような指導を受けました。単語の記憶に関しても、故・山本和夫先生(島根県立短期大学)からその面白さを手ほどきしていただきました。私がよく言う「あー、そうだったのか体験」です。

 松江北高で使っている文法参考書の小寺茂明(監修)『デュアルスコープ総合英語』(新訂版、2016年、数研出版)には、文法参考書には珍しくこのことが解説してあります。


①1) may well(~かもしれない)+well(たぶん、おそらく)→may well「たぶん~だろう」となる。推量(~かもしれない)のmayの意味がwellにより強められたもの。

①2) このwellは「道理にかなって、もっともで」の意。may(~してもよい)+well(もっともで)→may well「もっともな理由があって~してもよい」→「~するのはもっともだ」となる。 [八幡注]現代英語ではこの意味で使われることはまずありません。そのことはこのブログでも「あー、そうだったのか体験(私の授業観)」と題して明らかにしましたコチラです

② このwellも①の2)と同じ「もっともで」の意味。文末にはas notが省略されていると考える。「~しないのと同じくらい道理にかなっている」「あえて言えば~したほうがよい」といったような消極的な意味合いで「~したほうがよい」という言い方。過去形のmightを使うとより控えめな言い方になる。

③ ある不快な状況が別の不快な状況と同程度だと言うときに使う表現。「…するのと~するのは同じくらい道理にかなっている[→同じようなものだ]→「…するなら~するほうがましだ」という意味。下の例では、「彼に助言を求めること」について、彼が適切な助言をしてくれるとはとうてい思えないので、「壁と話をするほうがましだ」と言っている。

You might as well talk to the wall as ask him for some advice.(彼に助言を求めるくらいなら壁と話をしたほうがましだ/彼に何か助言を求めるのは壁と話をするのと同じようなものだ)


 ここの生徒たちからは、毎回さまざまな疑問が寄せられます。例えば今までに、「quite a fewがなぜ「たくさんの」という意味になるのか?」「仮定法で今のことを表すのに過去形を使うのはなぜか?」「plantに「植物」と「工場」という意味があるのはなぜか?」「see to it that~はなぜ「~に気をつけなさい」という意味になるのか?itは何者か?」「opportunityはなぜ「好機」の意味になるのか?」「shouldにどうして「万一~したら」という意味があるのか?」などが寄せられました。生徒たちは自分で調べて納得したと言って、報告に来てくれます。授業をしていてとっても楽しいんです。私が帰ってきたばかりの松江北高はちょうどこんな感じでした。授業中にも手を挙げて質問が出る、授業が終わっても質問攻めで次の授業に行かせてもらえない、早朝や休憩時間は職員室に質問にやって来る。それがこの5,6年くらいでしょうか、全くなくなりました。まるで別の学校の様です。学校ではアクティブ・ラーニングと称して、相当数の時間を割いて取り組んでいるにも関わらず、肝心の授業では『考える』ことがなくなっているのは、何とも皮肉な結果です。語彙力もないのにディベートをやりなさい、知識もないのに討論しなさい、では本末転倒と言わざるを得ません。♠♠♠

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may well/ may as well/ might as well…as への1件のフィードバック

  1. 竹田 靖 より:

      先生のお考えに全く賛同。今の生徒たちは、疑問点があるまま『暗記するしかないのか』と『半分あきらめ』の気持ちで勉強してい生徒がほとんどのような気がします。それでは、英語を嫌いになっても当然です。ひとつ、ひとつを、生徒に分かる言葉で納得させること、既習事項とひとつひとつ、つなげていくことが大事だと考えています。

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