2018年10月にお亡くなりになった、高原慶一朗(たかはらけいいちろう)さん(私の解説は⇒コチラ)の創業された「(株)ユニチャーム」には、「語録手帳」というのがあって、そこには企業活動や毎日の仕事において、社員の行動原則や行動指針となる二百余にのぼるさまざまな言葉が、簡潔に記されています。社員たちは日々の活動心得として活用しています。
物事の原因と責任は全て自分にある。自分の非力さに原因を求め、他に責任を転嫁しい。原因を自分に求めることにより失敗の教訓を生かす事ができ、人は成長する。 ―「ユニチャーム語録」より
その中の興味深い一つに、「原因自分論」というのがあって、それはこういうことです。何か物事がうまく運ばない時に、とりあえず条件反射的に人のせいにしてしまう人がいます。「世の中の景気が悪い」「部下がちゃんと働かない」「需要が落ち込んでいる」「上司が認めてくれない」など、自分ではなく全て他に責任を転嫁してしまう人たちです。リーダーたる者は、人を批判したり非難する前に、まず自分の問題として受け止めて、それを解決するために自分としては何を考え、何を行ったらよいのかを考えることが大切です。
「あなたのせいだ」と相手を責めたくなったときこそ、その指先を自分に向けよう。「原因自分」の考え方が失敗を生かし、人を成長させる。
