「ジュンク堂福岡店」

 私は島根県の西の端、島根県立津和野高等学校に勤務していた3年間で(平成14~平成17年)、計37回も博多に出かけています。津和野駅から特急「おき」で1時間乗ると新山口、そこから新幹線に乗って30分で博多に着きます。わずか1時間半で行くことができるのが魅力でした。日帰りすることもあれば、定宿の「エクセル東急」に泊まることもありました(このホテルが私の定宿になったきっかけはコチラに書きました)。目標はいつも天神にある「ジュンク堂」です。和書・洋書を問わず抜群の品揃いで、買いたいと思って手帳にチェックしていった本で、入手できないということは一度もありませんでした。それぐらいに豊富な在庫を持った大型書店でした。その「ジュンク堂福岡店」が、6月末をもって閉店すると聞き、ショックを募らせていました。

 「ジュンク堂書店福岡店」は、2001(平成13)年11月に「天神MMTビル」1階~4階に西日本最大級の売り場面積・在庫数の書店としてオープンしました。2011(平成23)年12月には、地下1階を増床し、洋書・文具・ギャラリーを増設しリニューアルしています。売り場面積は約2,060坪、在庫数は洋書を含め約140万冊。九州一の繁華街・天神では、1990年代に紀伊國屋などの大型書店が林立して、「ブック戦争」とまで呼ばれたことがあります。ところが、2000年代に入るとこれらの大型書店の閉店が相次ぎ、再開発の影響もあって、今 「大転換期」を迎えているのです。

 その天神「ジュンク堂書店福岡店」が、近隣の天神西通りにあるビルに仮移転し、8月上旬にオープンすることが発表されました。仮移転先は現店舗の南西約500メートルにある同市中央区大名1丁目の商業ビル「西通りスクエア」(地下1階、地上4階)。外資系衣料専門店「フォーエバー21」が入居していた施設南側の地上1~3階で展開するとのこと。売り場面積は約2,400平方メートル、蔵書数は50~70万冊です。天神西通りは天神エリア西側に位置し、百貨店やアパレル専門店、飲食店などが集積し、昼夜を問わず人通りが多いエリアです。売り場面積は現店舗(約6,800平方メートル)の約3分の1、蔵書は約140万冊から半減しますが、恵まれた立地条件を生かし、若者向け文具・雑貨類も強化し集客力を維持するということです。

 同書店によると、福岡店が4年半の休業に踏み切る見通しを、5月下旬に報じたところ、同書店や福岡店に複数の地元不動産関係者らから移転先の申し出があり、6月上旬から急ピッチで協議を進め決定したといいます。規模はかなり縮小するようですが、何とかお店が存続することは有り難いと思います。私も最近は、博多駅アミュプラザ8階にある「丸善博多店」ばかりを利用していましたが、これで天神にも行くことができます。ホッと胸をなで下ろしました。♥♥♥

 一時閉店の決定以来、全力を挙げて移転先を検討してまいりましたが、大変難航しておりました。しかし、ここに来て閉店にかかわる各報道をご覧になられた関係先よりオファーを頂き、急遽この度の移転先決定に至ることができました。
 このぎりぎりのタイミングで移転先が見つかりましたのは、「天神地区に大型書店がなくなっては困る、なんとか続けてほしい」など、多くのお客様からのお声を頂戴し、それを各マスコミの皆様を通じて報道していただいたことが、大変な後押しとなりました。この場をお借りしてお礼申し上げます。
 現店舗に比べて売り場面積は3分の1程度となりますが、販売データやお客様のご意見をよく分析し、これまでのお客様のニーズに出来るだけ応える店舗を目指します。加えて移転先の西通りの地域性から、より若い層にも認知して頂けるよう、文具・雑貨商品の展開を強化するとともに、読書文化の裾野の拡大を目指します。丸善博多店(JR博多駅 アミュプラザ8階)ともども、引き続いてのご指導ご鞭撻をどうぞよろしくお願い申し上げます。

               ジュンク堂書店福岡店店長・従業員一同

【追記エピソード】 「ジュンク堂」という名前は、起業した工藤恭孝代表取締役社長の父親である工藤 淳(くどうじゅん)さんの名前から採られました。当時、父親の経営していた会社キクヤ図書販売株式会社に入社した後に、書店部門を任され独立し、1976年に三宮センター街へ移転することになりました。色々な名前を父親に提案したが、「アカン」どれも駄目だと言われ、苦肉の策で「淳工藤」と父親の名前をひっくり返したら、「新しいな~」意外に気に入られます。どう書くかはまだ決めていてなかったので、父から「カタカナか?」と言われたときに、思わず「うん、そうや」と答えた。これが「ジュンク堂」の誕生秘話です。

 棚揃えは担当者ごとに勝手にやってね、という制度にしました。そうなると担当者が一生懸命勉強して専門書をどんどん増やして、専門書だらけになった。これが「専門書に強いジュンク堂」という評判を呼びます。「売るよりも品ぞろえが目的」と言われるくらい愚直な品ぞろえを信条とします。通常の書店の真逆をいき、「立ち読み厳禁、座り込み大歓迎」をうたい文句に、店内に机や椅子を入れ、コーヒーまで飲めるようにしました。社員の制服をエプロンにし、バーコードを読み取るレジを導入しました。今では当たり前の光景ですが、先駆けたのはジュンク堂です。ターミナル駅から歩いて来られるやや離れた1.5等地に出店します。理由は、2等地は不便でいけない、1等地は高くて、利益率のよくない書店はやっていけないから。平台よりも縦に並べた書架の多い図書館風のレイアウトも特徴です。

 

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