「桃太郎のからくり博物館」

 平成19年(2007年)3月、岡山県を代表するおとぎ話「桃太郎」の伝説と軌跡が楽しく体験できる博物館が、倉敷市美観地区にオープンしました。「桃太郎からくり博物館」(入館料600円)です。桃太郎のゆかりの地とされる場所は全国にありますが、中でも岡山県は有力とされる説が幾つかあります。例えば、岡山は古代「吉備の国」と呼ばれていましたが、桃太郎が家来に分け与えた「黍団子(きびだんご)」が岡山の地元産品の「吉備団子」と同音であること。桃太郎や鬼のモデルが存在し、温羅(うら:鬼)を退治した吉備津彦命(きびつひこのみこと:桃太郎のモデル)が陣を構えた吉備津神社には、矢置石も残っていることなどがあります。そんな神話とおとぎ話とからくりを「桃太郎のからくり博物館」では、楽しみながら実体験することができます。以前倉敷に来たときに、ここを通りかかった時には、ちょっと気になっていたんですが、急いでいたので入ることはありませんでした。今日はちょっと時間的な余裕があったので、お邪魔してみました。手作り感いっぱいの小さな博物館です。

 「桃太郎のからくり博物館」では、古くから語り継がれている桃太郎伝説の歴史や私たちの暮らしとの関わりを、様々な展示物を元に紹介しています。例えば、各地で語り継がれている伝説や、1770年代、嘉永6年(1853年)に作られた錦絵を見ることができ、さらに、昔絵図の中から「イケメン」桃太郎を見つけることもできます。また、桃太郎をモチーフにした玩具や絵本、菓子箱などの、私たちの暮らしの中にある桃太郎に触れることもできます。

 まず入り口を入ったところに、内庭があって桃太郎が犬とサルと一緒に出迎えてくれます。キジ、サル、鬼などの人形や置物が所々に展示してあります。ここから1階を見て回るのですが、スタッフの人が親切にガイドをしてくださるんです。桃太郎の歴史や、展示物の説明など、丁寧に教えてくださいました。さらに、桃太郎をテーマにしたアート&からくりコーナーや、鬼ヶ島の体験ができるアトラクションもあります。「からくりコーナー」では、不思議な鏡や、目の錯覚、光の残像を使ったからくりを、童心に帰って楽しむことができます。正面から見ると空っぽの桃が、横から見ると桃太郎が生まれます。回るうずまきを20秒見た後に、花を見ると動いているように見える魔法のうずまきも。洞窟探検「鬼ヶ島」では、暗闇の洞窟を手探りで進むと、風がヒューと吹いたり、次々に「ガタッ」という音と共に、鬼の人形が飛び出して来ます。思わず声を上げてしまうドッキリ感を味わえる、スリル満点の「お化け屋敷」アトラクションです。

 2階に上がると、桃太郎資料館が広がっています。紙芝居コーナー、レトロな桃太郎グッズ、紙芝居風の桃太郎ビデオ、戦時中に上映されていたという「桃太郎海の神兵」という漫画映画は、海軍省の後援作品だそうで、考えさせる内容でした。桃太郎の歴史や由来も詳しく紹介されています。「桃太郎=岡山」が定着していますが、香川や愛知にも桃太郎伝説があるんですね。

 今回のコロナ騒動を受けて、疫病退散の御利益があるという「アマビエ」の巨大張り子がお目見えしたそうです。新型コロナウィルスの収束を祈願し、スタッフが休館期間に4ヶ月かけて手作りしたもので、来館者の目を楽しませたそうですよ。♥♥♥

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