トランプ大統領のシャーピー

 トランプ大統領のニュースは、良きにつけ悪しきにつけなにかと毎日途切れることはありませんが、アメリカで密かに話題になっているのは、トランプ大統領が署名に愛用するペン「シャーピー」です。リッチなビジネスマンのトランプ氏だから、相当高級なペンを使っているのでは?と思っている人も多いでしょうね。しかし意外にも普通のペンであることが、興味を引く理由となっているようです。アメリカでは、マジックの世界でもカードにサインしてもらう時にしょっちゅう使われる定番商品です。私も何本も持っています(写真下)。

 トランプ大統領は、大統領が伝統的に署名で使用してきた高級ペンブランド「クロス(A.T.Cross)」の万年筆について、「書き心地がよくない」と感じており、署名式の後に参列者に配る際に、1本数百ドル~数千ドルもするペンを何本も贈るのは「無駄遣いだ」と不満を漏らしていました。アメリカの慣習では、重要な法案に署名した後、その時に使ったペンを法案に関わった議員や関係者に記念品として贈呈します。トランプ大統領は、この「配る用」としても、1本5ドル程度で作成できる特注シャーピーを「安くて、最高にかっこいいプレゼントだ」と非常に気に入っています。トランプ大統領の署名は非常に大きく、力強いスタイルです。細い万年筆よりも、太くはっきり書くことのできるシャーピーの黒インクの方が彼の美学に合致しました。

 「シャーピー」(Sharpie)とは、アメリカでならどこにでも売っているごく普通のマーカーで、国民の80%が使うと言われるほど、庶民的なペンなのです。アメリカでは、油性マジック・油性ペンと言えば、 Sharpie 以外に思いつかない程ポピュラーなものです。シャーピーは黒以外にも赤や青などあらゆる色があり、書きやすいペン先が人気の商品です。日本でいう油性マジックのようなものです。細字用やデザイン用、壁などに書くタイプなどいくつか種類がありますが、どこにでもありそうなペンです。しかしトランプ大統領のおかげで、一躍スポットライトが当たることになりました。トランプ大統領が現在署名に使っているのは、1857年創業の油性マーカーのShapie(シャーピー)社の特注品で、トランプ大統領の署名が金文字で入っています。第45代大統領ドナルド・J・トランプ大統領の署名ペンとして、ホワイトハウスの公式グッズです。市販のシャーピーはグレーのプラスチックボディにロゴが入っていますが、大統領専用モデルは、高級感のあるマット・ブラック(艶消しの黒)で、ボディにはドナルド・トランプの署名とホワイトハウスのロゴがゴールドで刻印されています。本人がシャーピー社に電話して「もっと高級感のあるデザインにしてくれ」と頼んだところ、現在の黒地に金文字のデザインが提案されました。

 かつて2019年、トランプ大統領が、ハリケーンの予想進路図を勝手に油性ペンで書き足し、自らの希望に合わせるようにしたことが話題になり、メディアのあちこちで揶揄されました(「シャーピー・ゲイト」)。フロリダ地域を襲ったハリケーンの「ドリアン」。進路予想図について大統領の記者会見があった際に、一枚の天気図を使って最新状況の説明が行われました。もともと印刷された進路図から、さらに大きく描かれた対象になるエリア。つけ足されたその予報円をよく見ると「シャーピー」で書かれています。このシャーピーでつけ足された進路予想図は、実際には通過しなかったアラバマ州の一部も含まれ、記者会見の内容は物議を醸しました。それ以上に話題になったのがあのシャーピー。アメリカでは手をつけ加える行為のことを「シャーピーする」と言うようになったほどです。試しにインターネットで“sharpie・シャーピー”と入力すると、CNNなどのニュース項目が即座に並び、話題の熱狂ぶりが伝わってきます。シャーピーはアメリカを代表する油性ペンの商品名で、あまりにも一般に浸透しているので、油性ペンで書くことを“シャーピーする”と言い、もはや動詞名詞としても使われています。日本ではあまり一般的ではありませんが、シャーピーが浸透しているアメリカなどでは口語(スラング的)として日常的に使われているのです。ただし、フォーマルな文書では、mark with a permanent markerと表現するのが無難です。英語Sharpieの用法には次のようなものがあります。

①「マジックで書く」という表現→名前を書いたり、ラベルを貼る代わりに直接書き込んだりする際によく使われます。

I’ll Sharpie my name on this box.(この箱にシャーピーで名前を書いておきます)

②「塗りつぶす・修正する」という表現→見せたくない部分を黒々と塗りつぶす際にも使われます。

He Sharpied out the price on the gift tag.(彼はギフトタグの値段をマジックで塗りつぶした)

③「サインをする」という表現→有名人がファンにサインをする文脈も登場します。

The player Sharpied a few autographs before heading to the locker room.(その選手はロッカーに向かう前に、マジックで数枚のサインを書いた)

 関係者の話によるとトランプ大統領は、何でもシャーピーを使うのが好きだとか。高級万年筆よりも普通の油性マーカーのほうが、確かに書きやすいのは納得できますね。トランプ大統領シャーピーを使用したのは、多くの人の共感を得たことでしょう。シャーピーとはどんな場面にも活躍するアイテムで、学校や職場、アートなど、あらゆるところで使うことができます。庶民からトップクラスまで人気があるのは、なじみやすい商品だからでしょう。

 まず注目すべきは、ドナルド・トランプ大統領が筆記具に対して特に強いこだわりを持っているという事実です。彼は大統領としての任期中、法律や政策文書への署名の際に、頻繁に「シャーピー(Sharpie)」というブランドのマーカーを使用していたことで広く知られています。シャーピーはその鮮やかなインクとシンプルなデザインで人気があり、アメリカ国内では非常にポピュラーな製品です。この選択には、トランプ氏特有の理由があったと考えられます。シャーピーの太くて濃い文字は彼の強いイメージや決断力を象徴すると同時に、彼自身のビジネスマンとしての背景を反映しているとも言えるでしょう。トランプ氏が好むあの独特の太い文字や、目立つ書体を生み出すシャーピーは、彼の自己表現の一部とも言えるでしょう。今回のアメリカでの高市早苗総理との会談で、大統領令の署名に使うサインペンをプレゼントしたという報道がありましたが、おそらくこのシャーピーのことだと推測されます。トランプ氏は長年、公文書の署名などにもこのシャーピーを使用しており、贈呈されたものには彼のサインが金色の文字で刻印されているのが特徴です。

 このSharpieのように、便利すぎてブランド名がそのまま動作を表す言葉になったものが英語ではたくさんあります。(例)Google→search(ネットで検索する)、Xerox→copy / photocopy(コピーをとる)、FedEx(速達で送る)♥♥♥

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