「Hocus Pocus」閉店

 今年の1月30日に私のご贔屓だった、アメリカ・カリフォルニア州フレズノ(Fresno)に拠点を置いていた有名マジックショップ「Hocus Pocus」が、突然閉店して驚きました。私は大田市津和野町に住んでいた頃から、会員になり、最新作品を直接アメリカに注文して、このお店から航空便(Fedex)で届けてもらっていたんです。注文してから一週間でアメリカから正確に届けてもらっていました。非常に親切でスピーディな処理をしてくれる信頼のおけるお店でした。お店のホームページには次のような告知が載りました。

Hocus Pocusは閉店いたします
Hocus Pocusのお客様各位
 大変心苦しい思いで、このお知らせを申し上げます。
 50年にわたりマジックコミュニティに誇りを持って奉仕してまいりましたが、Hocus Pocusは閉店することとなりました。この決断は軽々しく下されたものではなく、多くのお客様にとって衝撃的なニュースとなることを承知しております。マジックは私たちにとって、生涯の仕事であり、情熱であり、喜びそのものでした。しかし残念ながら、これ以上事業を継続することはできなくなりました。未発送のご注文につきましては、すべて確実に処理し、発送いたしますのでご安心ください。現在当店に委託販売中の商品をお持ちのお客様には、直接ご連絡させていただきます。
 長年にわたり私たちを支えてくださったすべてのお客様、パフォーマー、コレクター、そして友人の皆様に、心より感謝申し上げます。皆様の変わらぬご愛顧、温かいお心遣い、そしてマジックへの情熱を分かち合ってくださったことは、言葉では言い表せないほど私たちにとって大きな意味を持っていました。
半世紀にわたり、このコミュニティの一員であり続けられたことを、心から光栄に思います。
 皆様の魔法のような旅路に、私たちもささやかながら関わらせていただけたことに感謝いたします。
心より感謝を込めて、
ホカス・ポカス一同

A hand gestures towards a room with Houdini posters, clown art, and magic memorabilia. A table with cups sits in the center. Walls are packed with framed items.

 「ホーカス・ポーカス・マジックショップ」は単なる小売店ではありませんでした。世界中のマジシャンにとって「宝庫」のような存在の「聖地」でした。最新のギミックから、アンティークの稀少な道具、絶版の本、さらには大型のステージイリュージョンまで、圧倒的な品揃えを誇っていました。1976年以来、マジック愛好家たちの心を魅了し続けてきた、マジックの歴史における礎なのです。幼い頃にテレビ番組『マジック・ランド・オブ・アラカザム』を見てマジックへの情熱に火がついたポール・グロス(Paul Gross)によって創業されたこのお店は、カリフォルニア州フレズノの地元で知られた隠れた名店から、高品質なマジック用品を求める世界中の人々が訪れる名店へと成長しました。亡くなったマジシャンの遺品(エステート)を整理・販売する分野では世界トップクラスで、「ここに行けば珍しい一点ものが見つかる」という信頼がありました。非常に早い段階から、インターネットの販売にも力を入れ、毎週配信されるメールマガジンや、魅力的な商品写真・説明文は、日本のマジシャンも含め世界中のファンがチェックしていました。巨大な倉庫のようなショップでありながら、家族の温かいサービスが特徴で、1976年の創業以来、家族経営の店舗として営業を続けてきました。長年にわたり、幅広いマジック用品を取り揃え、実店舗を構えてお客様をお迎えすることで、マジック愛好家にとって名高いスポットとなっていました。このお店では、世界トップクラスのマジシャンやマジックメーカーの新作を全て取り揃えており、また、多くのプロマジシャンと提携して限定アイテムを制作しており、常連のお客様に最高品質のマジックアイテムを届けてくれていたんです。

 「ホカス・ポカス・マジック・ショップ」が閉店するというニュースは、寝耳に水でした。この閉店は、地域社会にとっての大きな損失でした。この決断の背景にある理由は推測するしかありませんが、マジックショップの経営はやりがいがある一方で、ますます複雑化しているのでしょうね。長年にわたりマジックコミュニティに献身的に尽力してくださったグロス家の皆様に、心から感謝したいと思います。この閉店は「家族経営のマジックショップ」時代の終焉を意味します。「スティーブンス・マジック・エンポリアム」を除けば、もはやアメリカには目立った家族経営のマジックショップは存在しません。確かに小規模な店はいくつかありますが、全国的あるいは国際的な影響力を持つ店は、もはやほとんどないのです。

 長年ショップを支えてきたオーナーのポール・グロス(Paul Gross)が2023年11月に亡くなった後も、息子さんのマックスが跡を引き継いで取引きを続けていました。マックスはそれ以前から関わっていましたが、その時点で事業の顔となりました。マジシャンではないにもかかわらず、この業界について深く理解しており、コレクターズ・アイテムとしてのマジックに関しては特に博識でした。こうしたマジックの目利きがいなくなるのはファンとしては寂しい限りです。♥♥♥

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