Forever you~命日に

 今日5月27日は、ZARD坂井泉水(さかいいずみ)さんの14回目の命日です。40歳の若さで病に倒れ、事故死しました。2007年のその日、授業から帰ってきた私のパソコンに、先生、大変です。坂井泉水さんが亡くなりました」と同僚からメールが入っていてビックリ仰天。彼女の歌が大好きだっただけに大ショックを受けました。東京に追悼展にも出かけています。彼女が歌った全155曲の中で、私が一番好きな歌が「Forever you」です。


    Forever you       ZARD

                   作詞 坂井泉水   

若い頃は人一倍好奇心が強くて
いろんな周囲(まわり)の人や家族に迷惑ばかりかけてた
手さぐりで夢を探していた あの日
自分が将来(あした)どんな風になるのかわからなくて ただ
前に進むことばかり考えていた Dear old days

もう泣かないで やっと 夢が叶った
ずっと…forever you
そう あせらずに そう 急がずに 大人になりたい

たくさん失敗もしたけど いつもそんな時
優しく親切だった人達の笑顔が浮かんだ 涙も忘れた
自分で選んだ道だから

もう迷わない 今が幸せだから
ずっと…forever you
そう あせらずに そう 急がずに 愛したいの

それは暖かいあなたに出逢うまでの試練
過去(むかし)に後悔なんてしてない
またとない 二度と来ない 私の青春だから

So stay with me my love forever


 この曲は、ZARDの1995年発売のアルバム『forever you』のタイトルにもなったバラード曲です。主人公の嘘偽りのない気持ちを切々と歌い上げた名曲ですね。主人公が過去に思っていたこと、迷っていた体験は、全て間違いじゃない、過去を否定しない、後悔はない、という内容の歌詞がとても新鮮に響きました。実は、この「Forever you」という曲が制作される少し前に、坂井泉水さんのZARD以前のキャリア(グラビアモデル、レースクイーン)についての、あることないことの中傷記事が、新聞や週刊誌に書かれて、彼女はひどく傷ついていました。坂井さんは、ZARDになる前の自分の仕事については、キャリアの一部だとそのまま受け入れて、当時の仕事を取ってきてくれたスタッフたちにも、感謝の気持ちを忘れていませんでした。ところが、事実ではないデタラメ記事がスポーツ紙に大きな見出しで載ったときには、涙をこらえきれませんでした。ZARDのスタッフたちに泣き顔を見せたくなかったのでしょう、しばらく化粧室から出てきませんでした。スタッフたちにただ一度だけ見せた、坂井さんの悲しみの涙でした。坂井さんの育ての親で、プロデューサーの、長戸大幸さんが当時を回想して、この「Forever you」という曲の誕生秘話を明かしています。これは坂井さんの自伝的な歌詞でもあるんですね。

 坂井はね、記事の内容が事実であれば、グラビアの仕事を書かれても、過去のセクシーな水着の写真が掲載されても、堂々としていました。自分が納得して引き受けた仕事だからまったく気にしていないという態度です。そういう仕事を取ってきてくれたかつての事務所のスタッフに感謝していたほどです。ただね、僕たちはグラビアをやっていたことを興味本位で記事にされることは嫌でしたよ。だから、かつての自分を後悔していないなら、そういう歌詞を書いて歌ってくれ、と坂井に言いました。それでつくったのが『Forever you』という曲です。歌詞には若いころの自分を悔やんでいないこと、夢を探していたこと、手を差し伸べてくれた人への感謝がつづられています。  ―『永遠 君と僕との間に ZARD』(幻冬舎、2019年)

 このほど、坂井泉水さんの「作詞ノート」に遺された膨大な未発表の文章やワンフレーズの中から、全て坂井さんの直筆で掲載した『ZARD 30th Anniversary Photo & Poetry Collection  THE WAY』(ミュージックフリークマガジン、2021年5月)が発売になりました。未発表写真と共にデザインされた、完全保存版オフィシャルフォト&ポエトリーブックです。私は特別限定版で求めました(特典はカバーアートカード&ブックマーク)。

 私はいつも本当に言葉を、詞を大切にしてきました。音楽でそれが伝わればいいなと願っています。  ―坂井泉水

 そんな詞を大切に紡いできた坂井さんのことば展「ZARD/坂井泉水 心に響くことば展」が、このたび「町田市民文学館ことばらんど」にて開催されることになりました(新型コロナウィルスの影響で一度延期が発表されましたが、新しい展示日程は6月1日~7月11日)。同文学館のホームページでは、次のような紹介文が出ています。


 「負けないで」や「揺れる想い」など数多くのヒット曲を生みだし時代を走り抜けたZARD/坂井泉水(1967―2007)。1991年に「Good-bye My Loneliness」でデビューして以来2000年代にかけて、経済の低迷や災害によって希望を失っていた時代に、人々の心に寄り添い、励ます歌を作り続けました。坂井は16年に及ぶ活動の中で「普通の人の傍らにある喜びや悲しみを自分らしい言葉で、そして音楽を通して表現していきたい」という思いで詞に向き合い、155曲(逝去後発表の詞含む)に及ぶ楽曲の作詞を手掛けました。誰もが素直に受けとめることができる、わかりやすい「ことば」で綴られた詞は、彼女の透明な歌声とともに今も私たちの心に響きます。本展では、代表曲を振り返りながら、坂井が愛唱した石川啄木の短歌や「詞」に込められた想いに注目し、直筆歌詞やレコーディング資料などを通して、詞が紡ぎだされるまでを繙きます。出口の見えない不安、孤独や閉塞感に包まれた今だからこそ、坂井泉水の「ことば」は私たちの心に語りかけ、新しい明日へとそっと背中を押してくれることでしょう。


 私は町田市で行われるこの「ことば展」を訪ねて、坂井さんの思い出に浸ってこようと思っています。坂井さんの残したことばが、会場でどんなことを語りかけてくれるのでしょう。楽しみです。♥♥♥

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