コロナ禍でよく耳にするsocial distanceという言葉の使い方には、注意しておく必要があります。そもそもsocial distance(社会的距離)は、社会学において、「社会的に距離を置くこと」で、特定の人や信条などを排除するイメージです。人が社会の中で、人種や性別、階級などの異なるグループの人たちに対して距離を感じることを言う言葉です。
それに対して、他人とある程度一定の距離を保ちましょう、という意味でのsocial distanceは「動詞」であり、「物理的な距離をおく」ことです(2m?)。これを「名詞」で使う場合にはingをつけて動名詞にしてsocial distancingと言わなければいけません。WHOでは、より明確に「物理的な距離を置くだけだよ」と示すために、physical distancingと表現していますね。⇒両者の微妙な差に関してはコチラの記事を参考にしてください。小池都知事を始め、マスメディアではごちゃまぜにしてしまっていますが、social distanceとsocial distancingは、明確に区別しなければいけません。
social distance:差別や偏見などにより、特定の人物やグループを排除すること。
また、社会的・心理的に、その人たちとの接触を回避すること。social distancing:疫病の感染拡大を防ぐために、意図的に人との物理的距離を保つこと。