マックス名人に捧ぐ

 アメリカのカリスママジシャン・メンタリストのマックス・メイビン(Max Maven)さんが、71歳で2022年11月1日にお亡くなりになりました。2021年に脳腫瘍が見つかっておられましたから、その病気だとは思いますが、報道では自動車事故との憶測も飛び交いました(死因は発表されていません)。ご自身は、パフォーマー以外にも、デビッド・カパーフィールドランス・バートンといった世界的なマジシャンのアドバイザー役も務めておられました。日本を代表するクロースアップ・マジシャンの前田知洋(まえだともひろ)さんのお師匠さんにあたる人です。奇抜なメイクとヘアスタイルに真っ黒な服装でメンタリストとして成功し、世界中を飛び回りご活躍なさいました。演じるマジックは、言葉の曖昧性や人間の深層心理、高度なテクニックを巧みに組み合わせ、最上級の不思議さを演出されました。数々の賞を受賞しておられますが、1988年には日本で「石田天海賞」を受賞されました。マジックの歴史をきちんと後世に残し、アイデアや原案者の功績をきちんと評価することの大切さを常に発信しておられました。日本語が非常に得意で、親日家として知られていました。日本で活動される際には「マックス・メイビン」の韻を踏んで、「マックス名人」と名乗っておられましたね。あの超魔術師・Mr.マリックさんがデビューされたときにも、マックスさんが大きな影響を与えたことだけは間違いありません。黒ずくめの服装はそっくりでしたものね。私も以前、マックスさんに手に入らない非売品の小冊子を送っていただくなど親切にしていただきました。奇術雑誌のGeniiの1月号(2023年)が、マックスさんの追悼特集「さようなら、マックス」を組み、読み応えがありました。彼がいかにこの世界のレジェンドであったかがよく分かる特集でした。

▲マックス・メイビン追悼号

 最近、珍しく休みがあって、中二階の「蔵」に入って、買い溜めたマジック道具の整理整頓をしていたら(なにせ半端な量ではないんです!!)、スペインのホアン・ルイス・ルビアレス(Juan Luis Rubiales)さんが、亡くなったマックス(Max Maven)さんに捧げた、大変不思議なメンタル・カードマジックが出てきました。「Max Caricature Frame」(12,000円)という作品です。クロースアップからサロンまで演じることができます。私は飛びついて買ったものですが、やり方をすっかり忘れてしまっており(歳のせい?)、ショップに連絡を取って、もう一度教えてもらいました。

▲実に不思議なメンタル・マジック

 写真上のようなマックス・メイビンさんの風刺画を見せ、右隅に魔法陣のような数字がたくさん書いてあることを説明します。そして、黒塗りのプラスチックの透明板を10数枚ほど取り出して、それぞれに4つの透明な穴がランダムに空いていることを示し、置く向きや裏・表によって、数字の合計数がいろいろと変わっていくことを確認してもらいます。そしてたくさんある透明板の中から観客の好きな1枚を選んでもらい、さらに表・裏、縦・横の向きまで好きなように選んでもらって、魔方陣の上に置いてもらいます。今度は一組のデックを取り出しますが、マークも数字もバラバラに混ざっていることを示した後、マジシャンは観客に指示するだけで、デックにはほぼ触れません。半分を表向きで、残り半分を裏向きでリッフル・シャッフルしてもらい、裏・表バラバラのデックから、表向きだけで、あるいは裏向きだけで、あるいは表・裏に混ざったカードをと、この状態で好きなように選んでもらった6枚のカードを取り出します。そしてそのカードの数字を合計します。先ほど置いてもらったプラスチック板から見えている数字の合計数をみると・・・なんと合計数は見事に同じく一致しているのです!!それだけではありません。さらには、クライマックスが!マックス・メイビンさんの絵をよ~く見ると・・・、なんとそこにも同じ数字が予め予言として書かれているではありませんか!本当に不思議です。マックスさんらしい演出で演じると、何とも不思議なメンタル・マジックの世界となります。数量限定で発売されたもので、今日本にこの作品を持っている人が、私以外に何人おられるんでしょうかね?♣♥♦

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