鉄のくじら館

 呉市は瀬戸内海に面した広島県西南部の港湾都市です。1889(明治22)年に海軍呉鎮守府が開庁したことから海軍と造船の町として発展。1902(明治35)年に市制施行し、さらに第2次世界大戦中には呉海軍工廠で、戦艦「大和」をはじめとする数多くの艦船が製造されました。観光都市としてはあまり注目されていなかったのですが、最近になって“海軍”の町として次々と施設がオープン、もしくは保存活用されるようになり、今や広島県内でも有数の人気観光スポットへと進化しました。今回私は、2005年4月にオープンした、10分の1戦艦「大和」模型が特徴の、「呉市海事歴史科学館」(通称「大和ミュージアム」)、それから2007(平成19)年4月にオープンした、日本で初めて実物の巨大潜水艦を陸上展示している「海上自衛隊呉史料館」(通称「てつのくじら館」)を訪れてきました。

 1986年から2004年まで現役の自衛隊潜水艦として活躍してきた「あきしお」をミュージアムとして公開する、「海上自衛隊呉史料館」(通称「てつのくじら館」)。実際に運航していた潜水艦の内部を、日本で唯一見学することができる貴重な史料館です。

 館内に入ると、1階では明治22年(1889)に呉に旧海軍鎮守府が開庁して以降、「海軍のまち」として発展してきた呉と海上自衛隊の歴史を紹介。海に囲まれた島国である日本で、戦後、掃海に従事するなど海軍から段階を経て今日の海上自衛隊が発足するまでの歴史を知ることができます。海にかける使命、海を守る熱き思いが感じられる展示でした。

 2階では、海外で活躍している掃海について解説しています。海底に残された機雷を除去する「掃海」は、海上自衛隊の重要な任務の一つ。本物の機雷や掃海艇の甲板の一部を実寸大で再現するなど、さまざまな形で紹介していました。戦後日本の復興を陰から支えた航路啓開活動から、湾岸の夜明け作戦のおける国際貢献まで、掃海部隊の活躍が描かれます。機雷を除去する活動は、終戦から現在まで連綿と続いているんですね。

 3階に上がると、潜水艦の模型や、潜水艦内の居住空間を再現したコーナーなど、潜水艦について学ぶことができるさまざまな展示を見ることができます。ここでしっかりと潜水艦について学んでおけば、後の潜水艦実物の内部見学がより一層充実したものになること間違いなしです。

 3階展示室から連絡路を通って、いよいよ潜水艦内部へ進みます。ほぼ現役当時のまま保存されている潜水艦「あきしお」内部では、乗組員たちが実際に居住していたスペースなどが見学できるほか、2種類設置されている潜望鏡を実際に使って呉湾を眺めることができるなど、ここでしかできない体験が可能です。艦長室、士官の寝室、発令室、トイレやシャワー室、通路、どれも超狭くて圧迫感があります。外観はあんなに大きいのに中はどこも狭くて、こんな中に75人も乗りこんでいたなんて信じられません。長い間秘密とされてきた潜水艦の姿が少しずつ浮かび上がってきました。以前、『ハンターキラー 潜行せよ』という潜水艦映画を見たときのことを思いだしていました(⇒私の紹介はコチラ)。

 また世界の約90%がフォローできるという7カ国語(英語、繁体字、簡体字、韓国語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語)のリーフレットも受付で用意されているのもうれしいサービスです。私が訪れたときには、乗員のOBが中心となったボランティアガイドの方々が説明してくださいました。♥♥♥

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