竹岡広信先生の思い出

 竹岡広信(たけおかひろのぶ)先生といえば、あの漫画「ドラゴン桜」のモデルになったカリスマ英語教師です。画期的な英単語集『LEAP』(数研出版)の著者でもあります。私と竹岡先生の出会いは今から17年前に遡ります。年に一度の「教職員健康診断」の心電図で異常が出た私は、検診医に「一ケ月ほど様子を見てください」と言われたにもかかわらず、翌日休暇を取って予約も取らずに「松江日赤」に診てもらいに行きました。今まで病気らしい病気一つしたことがなかったので、気持ちが悪く心配になったのでした。すると検査の結果、すぐ入院してください、ということになり、翌日手術でした。病名は「無自覚性心筋梗塞」というものでした。手術も無事終わり入院生活を送っているさなか、松江北高に駿台の竹岡広信先生が授業に来てくださるといいます。「この機会を逃してなるものか!」と、日赤を抜け出して「くにびきメッセ」の会場に駆けつけたのが、最初の出会いでした。授業の始まる前に30分ほど別室でお話させていただき、私が当時作っていた「センター試験対策本」を差し上げたのでした。ちょっとお話しするだけで、この人がただ者ではないことはすぐに分かりました。授業も口は悪いのですが、深い学識と底知れない愛情に満ちあふれた素晴らしいものでした。以来、折に触れて情報をいただきながら、今日までいろいろとお世話になっている次第です。著書も全て読ませていただいています。松江北高がまだ充実した学力を誇っていた頃は、先生の『英文熟考(上)(下)』(旺文社)を自学に使って生徒たちは読解力を磨いていました(最近改訂版が出版されました)。毎年センター試験・共通テスト対策に、数研出版から出る『プレノート』に付属される竹岡先生の「ガイドブック」は、本当に勉強になります。

 このたび『竹岡式ルーツで覚える英単語』(毎日新聞社、改訂版、2023年)が出ました。どの英単語にも物語・ドラマがあるとして、語源で納得することで生徒たちが記憶にとどめることを工夫・実践した読み物です。東大合格者がこぞって推奨する、大人も楽しめる英単語の物語です。「殺虫剤」のinsecticide、「影響する」のinfluence、「勝利」のtriumph、「同伴する」のaccompanyといった単語が授業に出てきたときに、先生方はどのように生徒に提示しますか?私などは「待ってました!」とばかり、この機会を捉えて語彙を広げるきっかけにします。丸暗記ではすぐに忘れてしまいます。ちょっとした手がかり(フック)を提示しておけば、後々便利になることを経験から分かっているので、少し時間を使って「語源」に触れるようにしています。

 私はこのような単語の学習方法を、松江北高の故・山本和夫先生(後に島根県立短期大学教授)に教えていただいたおかげでずいぶん英語指導にも活かすことができています。松江北高では、単語の成り立ちを活用した語彙学習のプリントを200枚用意して指導にあたってきました(写真下)。

 竹岡先生は、京都大学工学部在学当時、お父様が主宰される「竹岡塾」で英語を教えられましたが、教え子全員が志望校に不合格になるという辛い体験をしておられます。その苦い体験から同大学文学部に編入し直し、試行錯誤の末、語源(ルーツ)にさかのぼって楽しみながら覚える独自の英語習得法を編み出されたのです。今では、駿台予備学校、学研プライムゼミなどで英語講師を務められ、熱意あふれる授業が好評で、カリスマ講師として講演などにもひっぱりだこのご活躍はみなさんご存じの通りです。若い先生方には、長期休暇期間中に開催される竹岡先生の特別講義や研修にぜひ一度参加してごらん、とアドバイスしています。きっと衝撃を受けると思いますよ。❤❤❤

カテゴリー: 日々の日記 パーマリンク

コメントを残す