つばめの杜ひろば

 連日大勢の観光客が訪れる博多駅「JR博多シティ」。そんなJR博多シティの屋上「つばめの杜ひろば」「鉄道神社」と呼ばれる神社があります。「ハウステンボス」に行った帰りに、久々に訪れてみました。

 「つばめの杜ひろば」へは、博多駅構内各所にある、エレベーター・エスカレーターにて簡単に行くことができます。屋上に上がると出迎えてくれるのは緑!この広場には沢山たくさんの木々や草花が植えられていて、ちょっとした植物園レベルでびっくりです!(野菜まで)さっきまで駅の改札で人に囲まれていたのが嘘みたいに思えてきます。 そこから少し歩くと大きな3本の柱がお出迎え。この柱は100年前の二代目博多駅ホームの柱です。その歴史を感じる佇まいですねー! その奥にはもう鳥居が見えています。

▲100年前の博多駅ホームの柱が3本

◎鉄道神社

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 いよいよ鳥居と表参道がお目見えです。なんて不思議な光景!小さな畑と小川が現れました!!でも周りの雰囲気に合っていて、とっても癒されました。農作業まで駅で行っているなんて。この小川、夏にはホタルが飛ぶらしいので、夏にも来てみたいですね。さて、いよいよ本題の「鉄道神社」に到着です。手水舎までしっかりありました。「星門」、「福門」、「夢門」、「鉄道神社」の順番でそれほど大きくはありませんが、それぞれに鳥居が設けられています。鳥居の役割としては、「星門」で魔を厄払いよけ、「福門」で福を招き入れる、「夢門」で良縁を結ぶ、最後に神社で旅の安全祈願ができるという4段構えの御利益があるのだと分かります。旅の行き来をされる際にはこちらに少しだけ立ち寄るのも良いと思います。

 進んでいくと、途中に、こんなオブジェが地面に飾られていました。小人が電車ごっこをしている?!で、顔をよく見てみると「せんとくん」にそっくりではありませんか!!「せんとくん」をデザインされた籔内佐斗司(やぶうちさとし)氏の作品です(島根県立美術館「宍道湖ウサギ」もこの人の作品です)。似ているはずですね。本殿はやや小ぢんまりしていますが、小奇麗でメンテナンスが行き届いている感じです。本殿左側には博多駅の開通に貢献したドイツ人鉄道技師 ヘルマン・ルムシュッテルのレリーフが飾られていました。「博多シティ」になってから、さらに博多駅がにぎわいを見せていますが、こういうコンテンツもその大きな要因の一つなんですね。

DSC03426 名前はヘルマン・ルムシュッテル。ドイツ人です。現在では世界でもトップクラスの高い技術を持つ日本の鉄道ですが、その黎明期には、あらゆる技術を欧米に依存していました。九州鉄道にその技術を持ち込んだのはドイツ人の鉄道技師でした。九州鉄道は、当時機関車や客貨車、そしてレールなどをドイツから輸入し、技術者も招聘しました。それが、ドイツ人のヘルマン・ルムシュッテルで、肩書きは顧問となっています。44歳で招かれた当時、母国ドイツでの役職は、国有鉄道の機械監督という重要ポストに就いていました。彼は九州の鉄道開業にあたって大きな貢献をしています。学識深く、温厚で親しみやすい人物であり、指導と教育に優れていたことから、多くの日本の鉄道技術者に強い影響を与えました。九州鉄道最初の区間が開業する1889(明治22)年から翌年にかけ、第一陣となる蒸気機関車が10両輸入されます。その内訳は、ホーエンツォレルン社製の1~3号機と、クラウス社製の4~10号機でした。いずれもドイツのメーカーです。重要文化財である九州・門司港駅の駅舎(現在は改修中)も、このドイツ人技師ルムシュッテルの指導で建設されました。九州鉄道で5年間にわたって技術指導をした後は、東京でドイツ公使館の技術顧問となりました。その後、ルムシュッテルが1892(明治25)年に退任すると、それまではドイツ一辺倒だった九州鉄道が大きく転換しました。イギリスやアメリカの機関車が輸入されるようになったのです。国有化されるまでに九州鉄道が輸入した蒸気機関車の総数は263両でした。製造国別に見ると、ドイツが50両、イギリスが9両、スイスが5両、アメリカが199両と圧倒的な多数派となりました。1894(明治27)年に帰国後は、国鉄に復職し、晩年は日本の鉄道発展のために鉄道資材購入顧問を務めました。1918年(大正7)年ベルリンで死去。74歳でした。「鉄道友の会」および「日本国有鉄道門司鉄道管理局」が中心となって、国鉄88周年の記念事業の一つとして、ルムシュッテルのレリーフが製作されました。青銅製の高さ75.8センチ、幅57.6センチ、厚さ1センチの物です。製作担当は彫刻家の中野五一で、当時の国鉄総裁十河信二が揮毫しています。最初は博多駅のコンコースに設置されましたが、JR博多シティ」の開業に際して、屋上の「つばめの杜ひろば」に移転して現在に至っています。この一枚のレリーフにもこれだけの歴史が詰まっているんですね。博多駅に行かれることがあったら、ぜひ屋上に上がってみてくださいね。

◎列車展望スペース

 博多駅ビルの屋上から博多駅に出入りする列車をガラスごしではありますが、しっかり見ることのできる「列車展望スペース」があります。地上からの高さは60メートルです。ガラスはやっぱり必要です。ガラスが無いほうが良い方は、「展望テラス」に階段を上がると、福岡の街並みや博多湾などを風を感じながら見ることも可能です。有田焼のタイルの壁を奥へ進んでいくと、地上約60mの高さから、博多駅に出入りする列車の様子が見られる「列車展望スペース」です。普段はあまり見ることのできない角度からの列車(新幹線や特急列車など)の眺望を楽しむことができます。

◎天空の広場

 ちょっとゆったりできるベンチが立ち並びます。その広場で定期的にいろいろなイベントを企画開催しています。また、冬にはアイス・スケートリンク場を開いたりもしていますし、動物の形にした盆栽やお花なども植えられています。ひろば中央には四季折々の花々に囲まれた空間で、子供が遊べる三輪車があり、その近くには、屋根付きで椅子やテーブルが設置されていますから、お弁当を広げてピクニック気分を味わうこともできます。

◎つばめ電車

 赤色と黒色の、電気で動くミニ電車の「つばめ電車」です。親子連れにはすごい人気です。青空の下を駆けて行き緑の中を走る電車は、この屋上ならではといったところですね!ひろばを二周する「つばめ電車」「くろ電車」は一回200円から乗車できます!ちなみに この「つばめ電車」のデザイン、JR九州が誇るデザイナー・水戸岡鋭治先生が手がけています。

◎展望テラス

屋上に神社!?憩いの空間が広がる博多駅「つばめの杜ひろば」

 階段を上がると「展望テラス」です。福岡の街並みや博多湾、山並みを60mの高さから360°パノラマで一望できる人気の展望台で、とても爽快でした。観光客でにぎわっていました。福岡にはいろいろな魅力的な観光スポットがありますが、博多駅周辺での買い物や散策に疲れたら、ここでゆっくりしてみてはいかがでしょうか。

  駅の屋上にこうした空間を提案したのは鉄道デザイナーの水戸岡鋭治(みとおかえいじ)先生です。古来、多くの人がことあるごとに集い、子供たちが遊びながら自然やしきたりなどを学べた、神社や鎮守の杜といった空間を、現代人がもっとも多く集まる場所の駅にこそ再現したかったようです。「屋上にこんな施設を作っても、天候によって年間3割ぐらいしか使えず、商売としても成り立ちません。ただ、季節や風を感じることのできる空間や、なぜか手を合わせて拝みたくなる神社など、自然や文化といった大切なものを忘れかけている日本人には必要なんです」水戸岡先生。これが普通の企業なら、収益の見込める商業スペースを作るところですね。JR九州としても、赤字路線の補填ができる駅ビルです。でも、当時の石原社長水戸岡先生の提案を受け入れることにします慧眼でした。「魅力ある駅には人が集まります。列車利用者だけでなく、多くの人が『また来たい』と思う駅を作る、それには水戸岡さんのアイディアはぴったりだと感じました」 水戸岡先生石原社長の想いが通じたのか、屋上庭園には、オープンから僅か3ヵ月で、100万人を超える人が押し寄せたのです。JR大分駅にも同様の水戸岡先生「鉄道神社」ができました。私はすぐに見学に行っています(⇒詳しくはコチラをご覧ください)。❤❤❤

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