大城外し

 昨年まで巨人のレギュラー捕手だった大城卓三へのバッシングが止まりません。ここまで23試合に出場し、打率1割8分8厘、0本塁打、3打点、20打席連続無安打中です。大城卓三に対してファンからの風当たりも日に日に強まり、巨人敗戦後のSNS上では「大城のせい」がトレンド入りする日もあるほど。大城卓三を擁護するファンと、それに対して意見を持つファンが言い争うことが何度もあり、一部のユーザーからは誹謗中傷めいた過激な投稿も散見されます。「今の時代はスマホを通してファンの声が直接選手たちの目に入る。叱咤激励や厳しい声は、プロの選手である以上受け入れる義務もあるかもしれないけど、明らかに目に余る心ない言葉も目につきます。選手が言わないだけで、DMで直接罵詈雑言を送りつけてくる人も決して珍しくはないんです。気分のいいものではないですし、そういうことだけはどうかやめてあげてほしいです」(チーム関係者) NPBや各球団は選手に対する誹謗中傷をやめるように、インターネット上や球場でも注意喚起をより強化しています。侮辱や脅迫まがいの行為に、大城卓三を気遣う周囲の仲間たちも心を痛めているようです。最近では心ないヤジや誹謗中傷が目に余ります。全ての選手に愛のある声援を送りたいものです。  

 ただ彼がマスクをかぶると点を取られる試合が多く、打撃不振もあって、小林誠司岸田行倫にマスクを譲り、ベンチを温める日が続いています。指揮官はリードする大城にも厳しい目を向けています。 外す理由として、「岸田や小林の捕手としてのふるまいを学んでほしい」と語っていました。最近存在感を示している小林に関しては「すごく練習する」とした上で、昨年ベンチを温めることが多かったが、先発マスクをかぶっている捕手のリード、また相手球団の捕手のリードに関しても熱心に研究する姿勢を示していたといいます。「偏らないリード」が特徴です。事前のスコアラーからの指示、また投手の状態を見極めて自身の〝感性〟が生きているリードだとしました。さらに岸田に関しては「インコースを怖がらずに攻める」としてパ・リーグに多いタイプの捕手だとしました。一方の大城は真面目な性格もあり、事前のスコアラーからのデータに沿ったリードが多いとした。 大城は昨年先発マスクを最も多くかぶり、打撃三部門でキャリアハイの16本塁打、打率2割8分1厘、55打点をマークするなど「打てる捕手」です。今季からは選手会長にも就任し、期待されていました。今のところ阿部監督は、3捕手個々の持ち味を生かしながら、捕手出身監督ならではの配慮が光り、非常にいい色を出しています。 

      小林誠司(34歳)  大城卓三(31歳)  岸田行倫(24歳)
試合数    10試合       21試合       10試合
打率     1割1分5厘     1割9分7厘     3割8分1厘
本塁打      0          0          0
打点       2          3          3
盗塁阻止率   .400       .333       .500
先発時勝敗   5勝1敗2分    6勝8敗        2勝4敗1分
捕手防御率   0.99      3.18        2.37
                       (5月3日現在)

 阿部監督は、 「大城メインでいきたいんだけど、はっきり言うと精彩を欠いているから。スタメンの試合の勝率も良くないだろうし、じゃあ打つかと言ったら、ねえ。思い通りできていないように見えて。守っていく野球をすると言っているし、だから守りを優先して。そこは我慢するところじゃないかなって。捕手はチームの勝敗を分ける一番大事なポジションだと思っているから」 「誠司を使って、すごく落ち着きが出てきた。間がいい。投手との間、返球の間、試合を運んでいく中でのいろんな間が素晴らしいなと思って見ている。そういう部分を大城に学んでほしいなって。そんな中で岸田も一生懸命を超えて必死さが伝わってくる。ああいう姿勢は大事だよね」今、大城卓三に一番必要なことは、と問われて阿部監督は、 「守備と打撃をどう切り離してできるか。そこだけだと思うの。自分も若い頃ずっと言われていたけど、なかなかできなかった。できたのは日本一になった2012年(33歳シーズン)くらいかな。それ以外は集中力切れてたなっていう打席が何百打席もあって後悔している。大城にはそうなってほしくないからさ」  「他の捕手の試合を見てどう映っているかが大事で。それに追いつこうとか、それ以上を目指そうと思ってやることが大事だし。これを乗り越えるのは自分自身だから」    

 開幕ではスタメンマスクをかぶった男も、最近では小林岸田に正捕手の座を脅かされ、ベンチスタートの日が増えています。

 92歳になる野球界のご意見番・広岡達朗さんも厳しい声を上げます。「そもそも大城が正捕手だって、誰が決めたんだ? 昨年の試合を見ていても、遊び球が多すぎるし、疲れてくると集中力を欠き、リードにも打撃にも影響が出る。困ったらアウトコースを要求する。そんなリードでプロの打者を抑えられるわけがない。そもそも原(辰徳/前監督)は、大城の4打席と、相手から27個のアウトを取ることを考えた際、大城の4打席を重視しただけのこと。周りは、大城はバッティングがいいと評価しているようだが、正捕手として突き抜けるほどの成績を残したわけではない」

 昨シーズン、大城は134試合に出場して、打率.281、16本塁打、55打点と、プロ6年目にしてキャリアハイの成績を残しました。打てるキャッチャーとしては魅力的ですが、一方でディフェンスはどうだったのでしょう?昨年のチーム防御率3.39(リーグ5位)の数字は、決して投手だけの責任ではないでしょう。事実、フォスター・グリフィン投手大城のリードに何度も首を振っていましたね。配球もそうなんですが、投手とのコミュニケーション不足が目立ったと思います。

 そういえば、「打てる捕手」として一時代を築いた阿部監督だって、最初からインサイドワークに長けていたわけではありませんでした。入団当初は、ベテラン投手からバッテリーを組むことを拒まれたことがありましたっけ。しかし阿部監督は、バッティングを極めることで巨人の4番に君臨し、そこからインサイドワークを勉強し、研鑽を積んで正捕手としての不動の地位を確立していきました。ご意見番の広岡さんが指摘します。「野村(克也)や古田(敦也)のように攻守に秀でたキャッチャーがいたら別だが、これといって差がないのであれば、ピッチャーの相性によって起用するのは当然だ。大城はキャッチャーとしてキャリアを重ねているにもかかわらず、成長が見えないどころか、年々悪くなっている印象がある。普段から打者の動向や息づかいを注意深く観察し、前の打席でそのバッターがどんなカウントで、どんなボールを打ってきたのか、そこに至るまでのプロセスを覚えていないんじゃないか。大城は自分のことで精一杯で、周りを見る余裕がない。それでは正捕手とは呼べない」 昨年までは、守備面で多少は目を瞑ってでも打撃優先で使ってもらっていましたが、阿部監督「守りの野球」を標榜する以上、ディフェンス面での成長が見られない限り、小林岸田が起用されることは当然のことでしょう。ただ広岡さんは、今こそ大城が成長するチャンスだとも言います。 「だから大城は、ベンチ要員になったからといって腐ってはいけない。肝心なのは、試合に出ていないときに何を学ぶかだ。とくに大城は、インサイドワークも大事だが、投手との連携をもっと勉強しなければならん。間(ま)の取り方や、制球が定まらない投手に対してどんな言葉をかけるのか、などだ。首脳陣はベンチでの態度や姿勢を必ず見ている。ベンチから、自分に足りないものは何なのかしっかり勉強して、次に生かせばいいのだ」「チームは生き物だから、要となるキャッチャーがどっしりしていたら、打線だって頻繁に変える必要はない。安定して成績を残すチームには、必ずといっていいほど優秀なキャッチャーがいる。それを育てるのが監督の仕事である」

 愛のある言葉ですね。現在の捕手併用は、その場しのぎの策なのか、それとも先の先まで見据えた起用なのか。巨人のこれからの戦いから目が離せませんね。と思っていたら大城は二軍に降格となりました。不振によるシーズン中の2軍調整は、2022年6月以来、約2年ぶりとなります。調整期間は無期限としながらも、再昇格は自己申告制にする方針です。阿部監督「成績もそうだし、一番のメインは気分転換。本人とも二人きりで話はしたし、本人も納得して落ちていった。ファームの期間は大城の状態次第で、本人から言わせるようにするんで。素晴らしいものを持っているんだから。とにかく、野球が楽しいなとかね、もう一回そういう原点に戻ってきてくれと言ったんだけどね」と、復調に期待しました。♥♥♥

 

 
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