公立トップ校の定員割れ

 少子化の影響で、全国の公立高校で定員割れが相次いでいます。私の住んでいる島根県でも、全日制では一般選抜の募集定員約3,200人に対し、約2,700人が志願。 競争率は0.83倍となっています。この傾向は毎年深刻化しています。島根県の西部のある公立高校は志願者ゼロでした。昨年は東京の日比谷高校が定員割れを起こして大きなニュースとなりました。今年2025年入試では複数の県で、最難関とされる県トップ校でも定員割れの学校が出ています。例えば、岡山県の岡山朝日高校と和歌山の桐蔭高校です。いずれも多くの著名人を輩出してきた名門伝統校です。また、鹿児島県では県内68校の公立高校のうち9割の61校で定員割れが起きています。大阪でも地域の進学校の定員割れが「寝屋川ショック」と話題になりましたね。これまで人気校とされてきた寝屋川八尾などでも倍率が1倍を切るなど、全日制128校のうち約半数の65校で倍率が1倍を下回りました。大阪府内の公立高校の令和7年度一般入試出願状況のうち、全日制の平均倍率は1.02倍でした。現行制度となった平成28年度以降の過去最低を2年連続で更新した格好です。府教委によると、所得制限を撤廃した令和6年度の志願者数は3万6379人で、倍率は1.05倍でした。令和7年度は生徒数減少に伴って募集人員を約1500人減らしましたが、それでも志願者数がそれを上回って約2400人減少しました。公立高校不人気の原因は、大阪府が独自に進めてきた所得制限のない授業料無償化の拡大に伴い、私立志向が高まっているためとみられています。それにしても、地方の公立高校でいったい何が起きているのでしょうか?

 岡山朝日は創立150周年を迎えた県内屈指の進学校です。藩校の流れを汲んで旧制中学を前身とし、卒業生では映画監督の故・高畑勲、小説家の小川洋子さんら各界に多才な人物を輩出しています。今年の入試では最終志願倍率で0.98倍と、現行制度で初の定員割れとなり、受験生は全員合格となりました。トップ校の倍率1倍割れという現実に、県内の教育関係者には衝撃が走りました。

 岡山朝日の定員割れについては、平成14年から登場した県立の中高一貫校が定着し中学受験へのシフト傾向があるのでしょう。また、今年の場合、前年度の志願倍率の反動が表れる「隔年現象」「問題の自校作成」の影響もあるのでしょう。岡山朝日は前年度の倍率が比較的高く、地元の教育関係者のなかでは、今回は下がるのではないかという予想があったといいます。岡山県内の公立高校は基本的に同じ問題で試験を行いますが、県内で唯一、岡山朝日高校だけは独自の入試問題で入学試験を行っています。1月の進路希望調査の時点では、岡山朝日の倍率が低くなることが想定できたといいますが、試験対策などの観点から、受験生がその時点から岡山朝日に志願変更はしにくかったのでしょう。ただ、あの岡山朝日が定員割れの状態になるとは誰も予想していませんでした。私は昨年、岡山朝日の校長先生が小学校を回っておられるという噂を聞いていましたので、あー、やはり危機感があったんだなと納得しました。

 また、和歌山県でもトップ校とされる桐蔭高校でも0.95倍と1倍割れ。県内の公立学校全体の出願倍率も0.86倍となっており、9年連続で1倍割れとなったといいます。さらに、鹿児島県では公立高校のうち、およそ9割が定員割れとなっています。県教育庁によると、今年の入試では公立高68校のうち、一部の進学校などを除く61校で定員割れが生じました。担当者は定員割れについて「少子化の影響が大きい。地域ごとに進学の選択肢を確保する必要があり、定員を大きく設定するので倍率は小さくなる」と説明しています。関係者の間でもこのままで良いのかという問題意識があるといい、今後、有識者検討委員会を立ち上げ、学校づくりの方向性などを議論する方針だそうです。

 島根県内の公立高校でも、難度が高いとされる「理数科離れ」が顕著になっています。県教育委員会が発表した2025年度一般入試の最終出願状況では、全ての5校(松江北、出雲、大田、浜田、益田)の理数科で定員割れし、うち4校は倍率が過去5年間で最低でした。これは新たに導入された総合入学者選抜(自己推薦型)の出願要件が高く設定されて「難しい」との印象が先行したのに加え、少子化のために大学入学のハードルが下がっており、そこまで勉強しなくていいのではとの意識が広がっている」と指摘する関係者もいます。伝統ある松江北高の普通科も学区制が撤廃されて以来、大きく定員割れする現象が続いています。「そんなにガツガツ勉強なんかせずに、のんびり過ごしたい。そして楽をして大学に入りたい」という近年の生徒の心情を反映した現象と私は見ています。♥♥♥

カテゴリー: 日々の日記 パーマリンク

コメントを残す

チーム八ちゃんをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む