私がまだ教員になりたての未熟な若い頃の話です。何年前?ALTとのティームティーチングで、“So much for today’s lesson.”と言って授業を終えたところ、職員室に帰ってからALTから「その表現を使うと、先生は授業がいやでようやく終わってやれやれだ、という否定的なニュアンスを伴うので、That’s all for today. と言うように」と注意を受けました。まだ当時の辞書・参考書にはそのような情報は全く載っていなかったので、ずいぶんとまどった記憶があります。「あー、そうなんだ」。いろいろ調べた結果、確かにSo much for that subject.と言えば、「その件についてはもう全部話したからもうこれ以上何も言うことはない」という否定的なニュアンスを伴うことが判明しました。最近の英和辞典にある「So much for today! (もううんざりなので[止むを得ない事情で])今日はこれまで」といった用例があると有り難かったのですが。
So much for~は、期待していたことがうまくいかなかったり、思ったほどの価値がなかったりする時に使われるフレーズです。ニュアンスとしては、「~はもうダメだ」「~には期待できない」「~は終わったも同然」といった少し皮肉や諦めの気持ちを含んでいます。例えば:
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So much for our picnic. It’s pouring rain.(ピクニックはもうダメだね。大雨が降ってるよ。)
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So much for his promises. He didn’t keep a single one.(彼の約束は期待外れだったね。ひとつも守らなかった。)
ちょっとしたがっかり感や、見込みが外れたときに使うので、相手によっては少しネガティブな印象を与えることもあります。皮肉っぽく使うこともありますが、カジュアルな会話でよく使われるフレーズです。
以来、このような辞書には載っていない用法や語法の細部に興味を持ち、いろいろと調査研究を続けてきました。その成果は『ライトハウス英和辞典』(研究社)の各版(最新版は第7版、2024年)の記述に反映されています。そしてできる限りこのブログでも取り上げるようにしてきました。♥♥♥
so much for Oは不満や失望を表すので、授業の終わりにSo much for today.と言うと「授業は思ったほど成果が上がらなかった」という意となる。授業の終了の意の「おしまい」はThat’s it for today.かThat’s all I have for today.と言えばよい。――『ジーニアス英和辞典』第6版
…についてはこれだけ(で十分)、…はこれでおしまい《話などを切り上げたり却下するときに用いる》:So much for Bill. He doesn’t care about us after all. ビルの話はこれくらいにしよう。結局彼は私たちのことを何とも思っていないんだから。――『ライトハウス英和辞典』第7版



