「バイモ11」

 今日は、私が毎日使っているホッチキスを取り上げます。英語ではstapler(ステイプラー)と言います。伊藤喜商店(現イトーキ)が日本で初めてホッチキスを販売した明治36年(1903年)に遡ります。販売された製品はアメリカのE.ホッチキス社製のステイプラーで、製品には大きく「HOTCHKISS No.1とブランド名が刻印されていたことから、この呼び名が定着していますが、和製英語です。かつては、綴じ針が連続して打ち出される構造が、機関銃の構造と全く同じことからの連想で、機関銃の発明者ベンジャミン・B・ホッチキスの名にちなむとされていました。しかしE.H.ホッチキス社の社名は、創業者のジョージ(George Hotchikiss)イーライ・ハベル(Eli Hubbell Hotchkiss)の親子の名前からとられたもので、ベンジャミン・ホッチキスとは関係ないことが分かっています。

 昔ながらの、金具の裏側が山なりになるあれ、あのタイプを使い続けている人も多いんじゃないでしょうか。私の勤務していた松江北高でもまだあのホッチキスが幅を利かせていました。そうそう壊れるものではありませんから、ずっと昔に買ったものを使い続けている、ということなんでしょう。たまに使うだけだから、もしかしたらその違いが分からないのかもしれません。でも、事務をする人ならもう十分お分かりだと思いますが、冊子を作ったりした時、冊子を止める針の部分だけページが盛り上がります。部数の少ないときには気が付きませんが、50部とか作ると、置く場所にも困るくらい、留め具の部分が盛り上がってきます。ひどい時には積み重ねた書類の雪崩が起きます〔笑〕。

 当時私は、「フラットクリンチ」が出た時には飛びついて買ったものです。「フラットクリンチ」とは、綴じ裏に出ている針が平らになる綴じ方のことです。[「フラット」=平ら+「クリンチ」=打ち曲げる]という名前の通りです。普通のクランチの場合、綴じた針の裏側はめがね状で、針と紙の間に隙間があります。一方、「フラットクリンチ」は綴じ裏が平らなので、綴じた部分のかさ張りを抑えることができます。「フラットクリンチ」の工程は次の通りです。通常のクリンチとどこが違うのか考えながら見てみてください。

1.マガジンに装填された針が、バネの力によって前方に押し出される。

2.先頭の針がドライバーによって紙に打ち込まれる。

3.紙を通過した針は、クリンチャガイドに沿って最後まで打ち込まれる。

4.最後まで打ち込まれた針は、クリンチャの溝に沿って曲げられ押し上げられる。

 ホッチキスの仕組みと似ていますが、注目すべきは「クリンチャガイド」と、針が曲げられるタイミングです。通常のクリンチの場合、針の打ち込みと曲げを同時に行います。一方、「フラットクリンチ」の場合、針を打ち込んでからクリンチします。そのため、根元から折り曲げることが可能になり、綴じ裏が平らになるのです。この「フラットクリンチ」は、「(株)MAX(マックス)」が開発した世界初の技術で、「重ねた書類がかさばるので、ホッチキスの裏をかなづちで潰している」というお客様の声を受けて開発されました。「フラットクリンチ」で綴じられた書類は見た目もスマートで、積み重ねても書類の雪崩が起きません。そしてなんと、通常のクリンチで綴じた場合の75%のスペースで収納できます。お客様に寄り添ったことで誕生した、素晴らしい技術ですね。まあこれでも金具の厚み分は少しは盛り上がるんですよ。でも、従来品よりはだいぶマシです。「フラットクリンチ」も、初発の頃よりかなりの年月が流れています。今は進化して、軽い力で綴じられるようになりました。「フラットクリンチ」は、高級機についていた特別な機能だったせいか、「フラットクリンチ」のステープラーはちょっとばかり高級感があるような感じがするものでした。しかしながら、最近では普及機までその機能が降りてきたせいで、ステープラー本体もお安い感じのする造りになってしまったのは、少々残念です。

▲「バイモ11」(マックス)

 「文房具の八ちゃん」が今日ご紹介するのは、「バイモ11」(マックス)です。手に持った感じは普通のホッチキスとそれほど変わらない大きさです。色もオシャレで選択肢が広がります。私はもっぱらブルーを愛用しています(写真上)。この「バイモ11」というネーミングの由来は、「バイモ→倍も」「11→ホッチキスの針のサイズ」から来ています。

 ホッチキスで厚い紙をとめると、針が曲がってしまったり、力がいるので手が疲れたりしていましたが、これは片手で簡単に、しかも綺麗に綴じられます。綴じた瞬間のパチンという音と感触が実に気持ちいい!失敗知らずなのもうれしいです。軽綴じ仕様です。簡単に40枚綴じることができました。これなら大量の資料のホッチキス留めなどもストレスを感じることなくできそうな気がします。本当に軽い力でたくさん綴じることができます。厚みのあるものだけでなく、厚みのない2枚綴じでもキレイにしっかりと綴じてくれます。

▲窓から残った針の数が見える、これ便利!

 ねえ!これ、気がつきましたか?針の残り本数が横の窓から見えるようになっているんです。芯の残量メーター、「針残量確認窓」です。これなら作業する前にチェックして、残りが少なかったら足してから作業すれば途中でなくなっちゃうこともなくて便利ですよね。それに、裏を見ると、針のサイズが確認できるように実寸の溝までついています。こういう細かい心遣いって結構嬉しいものですよね。使う人のことをよく考えて作っているという感じがします。みんなに好評だった「バイモ11スタイル」バイモがよりスリムに美しく進化した形です。逆に従来の「バイモ11フラット」は、手が大きい男性に力が入れやすくて使いやすいと好評なんだよ!どちらのバイモも「てこの力」で格段にかろやかな「綴じ感」を実現しています。

 「バイモ11」にはこれまでの小型ステープラーにはなかった性能があります。実は「バイモ11」、これまでずっと使ってきた、というか、いわゆる小型ステープラーの定番針の10号を捨てたんです。事務所の机の中に転がっている№10のあの箱、あれがね、もう使えません。代わりに№11の針を使います。針の太さは変わらないものの、横幅2mm、縦長1mmと微妙にサイズアップされています。そのため、これまでの小型ステープラーでは20枚程度しか留められなかったものが、倍の40枚まで一気に留められるようになりました。本体の大きさ、留める時の力はこれまでのものとほとんど変わりません。その上で40枚まで一気に留められる。これは意外と便利です。私も日常的には2~5枚程度を留めることがほとんどなんですが、たまに30枚とかの冊子を作ることがあります。そういう時にいちいち中型ステープラーを探さなくてもよい。これはずいぶん助かります。さらに芯を補填するために、本体を開けた際にロックがかかるようになっているので、安心して100本の針を装填することができます。

 (株)マックスは、2枚から40枚までの書類を軽い力で美しく綴じることができる「Vaimo11」シリーズに、40枚を閉じる機構はそのままにして、小さい手にも収まるミニサイズを実現した新モデル「Vaimo11 POLYGO」(バイモイレブンポリゴ)を、2016年から発売しています(1296円)。私は発売時に「東急ハンズ」で購入しました。2008年に発表された「Vaimo11」シリーズは、専用針「No.11」の開発により、ハンディタイプで40枚までのぶ厚い書類を片手で綴じることを可能にした画期的な新世代ホッチキスで、私も重宝していました。これはそのバージョンアップ版です。

 私は商売柄、たくさんの書類を綴じることが多いんです。この商品が出るまでは、分厚い書類を綴じる場合は、「卓上ホッチキス」を使っていました。それに使用される針「No.3」は、線径が太く、肩幅や針足が長いために、紙を貫く際の抵抗がかなり大きく、書類が厚くなるにつれてものすごい力が必要でした。まさに「ガッチャーン!」という感じですね。それが「Vaimo11」シリーズ専用に開発された「No.11」の針は、「No.10」と同じ線径で、肩幅は約2mm、針足の長さは1mm長く設定されています。「No.10」と同線径であることによって、紙に針が入りやすく、少ない力で40枚をしっかりと綴じることができるんです。また、針を外す際も、「No.3」に比べて針の抵抗が少なく、楽に外せるというメリットもあります。この商品の針受け部分をよーく観察すると、複雑な切れ込みがあります。この溝のおかげで、書類の厚みによって変わる針の傾きを確実に捉えて、転びを防いでいるんですね。

baimoyjimage 今回の「Vaimo11 Polygo」は、従来の性能は維持したままで、針の装てん数を通常の半分となる50本にまで減らすことによって、さらに小型化を図り、軽量化を実現しました(写真右)。小さい手にも収まり、使いやすくなっています。同シリーズの専用針は直径が細く、紙の抵抗が少なくなるため軽い力で留めたり外したりできるほか、仕上がりの見栄えもよいのです。綴じ裏は針が平らになり折り返しに膨らみの出ない、例の「フラットクリンチ機構」です。大量の資料を重ねた時や、回覧する時にかさばらずに便利ですね。これ、今では業界の常識です。針の残量目安が一目でわかる「針残量確認窓」も搭載しています。綴じ間違いの際の除針作業も、正確に針を捉え、綴じた針の両端をしっかりとホールドする「針押さえ付きリムーバー」も搭載しています。軽い力で取り外すことができますし、針押さえがついているので、取り外した芯が飛んで行ってしまう危険がありません。小さな針は落としておくと危ないものです。安全に使うためには便利な機能ですね。装填が終わり、ホッチキスを閉じる際、思い切り閉めるとホッチキスの針が出てしまい、1本ムダにしてしまうなんて経験はありませんか?「バイモ11」では装填後も針を無駄にせず、優しくホッチキスを閉じることができます。デザインは、各エッジ部分にダイヤモンドをイメージしたカットを施したスタイリッシュで高級感のある多面体(ポリゴン)です。外観ではここが大きく変わった点です。綴じる際に、手に当たる部分の曲面を取り入れることで、手に馴染みやすいように設計されているんです。

 何と言っても、手のひらサイズなのに40枚も綴じられるのが最大の魅力ですね。手や針に余計な負担がかからないよう、細部の仕掛けにこだわっており、想像以上の綴じの軽さを実現しています。「ガシャーン!」という衝撃を、「サクリ」という感触に転化させた点が評価されます。綴じの軽さと安定感はナンバーワンでしょう。いまだに昔のホッチキスを使っている人は、ぜひ乗り換えて試してみてくださいホッチキスはもうここまで進化しているのです。❤❤

  ①軽綴じ機能で薄いも厚いもブレずにきれいに綴じられる
  ②サイズ感がコンパクトで握りやすい
  ③針押さえリムーバーで安全に使える
  ④残量メーターが分かりやすくて便利
  ⑤大きく開いてらくちん針入れができる
  ⑥フラットクリンチで重ねてスッキリ

 

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