一畑電車の「出雲大社前󠄂駅」の駅舎は、出雲大社のイメージとは大きく異なります。同駅舎は西洋風とイスラム風が合体したような、日本神話の世界とはほど遠い建物なのです(写真下)。同駅舎は、イスラム風の半ドーム状の緑色の屋根を持ち、内部は白い壁や高い天井から吊るされたシャンデリア、ステンドグラスなどが、西洋的なムードを醸し出しています。出雲大社にほど近い駅がそのようなデザインになった背景には、旧国鉄への並々ならぬ対抗心がありました。
出雲市大社町と松江・JR出雲市駅を結ぶ私鉄・一畑電車の出発点が神門通りの中ほどにある「出雲大社前駅」です。駅舎は昭和5年(1930年)に建てられた鉄筋コンクリート平屋建てで、ふくらみのある半円形の緑の屋根を持つ外観で親しまれています。当初は「大社神門駅」として開業しました。駅舎は当時のままです。黄色い壁に緑の屋根。かまぼこ型の屋根には緑色の瓦が葺いてあります。クリームイエローの壁にミントグリーンの扉。ツートーンのなんとも可愛らしい姿です。昔は、屋根の上に塔が立っていたとか!!こんな洋風の建物を昭和5年当時に建てるなど、なかなかのチャレンジ精神ですね。天井がカーブを描いていてまるで教会のようです。漆喰の白と、内装のトリミングの茶色のコントラストが落ち着いてます。西向きに建っている駅舎中央の上部にはめられたステンドグラスから、夕刻に西日が当たると真っ白い壁にカラフルな影が落ちて美しいでしょうね。内装は、白く塗られた内壁や高い天井、窓はステンドグラスになっています。玄関からホームまで一段の階段もなく、人にやさしい造りになっており、平成8年(1996年)には「国の登録文化財」に指定されています。
反対側から見ると、ベンチが一方向に並んでいて、ますます教会みたいです。左側の半円状に張り出した部分は、もとはきっぷ売り場だったようです。そんな半円柱の壁にも幾何学模様のデザインが施されています。かなり凝った建物ですね!






