私はカード・マジックの中でも、ほんの数枚のカードのみを使って演じるジャンルの「パケット・トリック」が大好きです。使用する枚数が少ないだけに、それだけ衝撃度は高まりますからね。世界中の傑作パケット・トリックの収集が、私の「趣味」(まさに英語のhobbyですね⇒コチラに詳しく解説しています)の一つでもあります(他にもいろいろな趣味を持っていますが……)。マジック・ショップにお邪魔して、まず最初にお尋ねするのが、「何か目新しいパケット作品はありませんか?」です。お金に糸目を付けずに〔笑〕 、世界中のマジック・ショップから片っ端から買い漁り、相当数の世界の傑作パケット・トリックが、私の手元には集まっています。老後の楽しみにこれらが全て、八幡家の中二階の絨毯の敷かれた「蔵」にどっさりと眠っているんです。ただ残念ながらまだ空き時間がなくて、入ってゆっくりすることはなかなかできないんですけどね。
お洒落で、それでいて意外性・ストーリー性のあるパケット・トリックが、今日ご紹介する「THE EVOLUTION」です。作者は、イギリスの鬼才クリエーター・ポール・ゴードン(Paul Gordon)さんです。かつて、ドイツのカード・シャーク社から発売になった、Christian Schenkさんの「Metamorphosis」にヒントをもらって作られたことを、ゴードンさん自身が解説映像の中で告白しておられました(私はこの作品もカード・シャーク社から直接買い求めて、2組も持っていますが、このゴードンさんの演技・演出の方がはるかに説得力があり、印象的で好きです)。現在、パケット・トリックを作らせたら、アメリカの横綱はジョン・バノン(John Bannon)さん(“card god”と呼ばれています)、イギリスの横綱が、このポール・ゴードン(Paul Gordon)さん、というのが私の見立てです。ゴードンさんの数々の作品に付いてくるオリジナル・デザインカードは、少々値段は高いのですが、とってもカラフルで味があって大好きです。新作が出る度に、直接ご案内をいただいていて、買い集めて、もうかなりの作品が集まったような気がしています。今回の「THE EVOLUTION」も先日、最後に観客に全部カードを手渡せるエンド・クリーンの最新バージョンを作ったから、とご案内をいただきました(私の持っているカードでは手渡すことはできません)。この最新版も購入しなければいけませんね。
4枚のカラフルなイモムシが描かれた、きれいなカードを観客に示します。その中の1枚を裏向き(赤裏)にして、眠りにつかせてやります。すると2枚、3枚、4枚と、次々とカードが裏向き(赤裏)になっていきます。マジシャンは、「子どものイモムシが親ムシに習って、1匹ずつ眠りについたのだ」と説明します。こうして、4枚のカード全てが裏向きになって、眠りにつきました。さて、「ここでイモムシが目を覚ますと・・・表は何だったか覚えていますか?」と尋ねると、観客は当然のことながら「イモムシ!」と答えます。ここでカードを表向きにすると、なんとイモムシだった4枚全てのカードには、今にも飛び立ちそうな色とりどりの美しい蝶々の絵(青・赤・黄・紫)が描かれているのです。「イモムシが見事に成長して、美しい蝶になったのです!!」とマジシャン。私が演じると、みなさんここでビックリ仰天されます。原案にはなかったのですが、ここでもう一度念のために、4枚の赤い裏を見せて、さらにもう一度表のカラフルな蝶4匹を見せると説得力が高まると思い、私はオリジナルでカウント(ジョーダン・カウント+エルムズレイ・カウント)を工夫してみました。
使われるカードは、とっても格調高く、アーティスティックで古めかしいデザインのもので、実にきれいな仕上がりとなっています。ちょっとお値段は高いのですが、この滅茶苦茶きれいな作りのクラシック・カードと、観客の衝撃度(今までに私が披露した人たちは、みんなクライマックスのあまりの鮮やかさに、ビックリ仰天でした)を思えば代金は安いものです。私はいっぺんで気に入りました。ゴードンさんは、本当に天才クリエーターだと感じます。ここで使う技法といえば、基本技法のエルムズレイ・カウントとアンダー・エルムズレイ・カウントの2つだけなんです。最近、米子往復の通勤電車の中では、こればっかり練習していました。まさに、“Practice makes perfect.”ですね。♠♣♥♦







