その昔、松江北高では「学問探究講座」が、一年生向けに3日間、三学期の早朝に開講されていました。こんなことをやっていたのは島根県でも松江北高だけで、赴任早々、さすがに伝統校は違うなあと思ったのを覚えています。現在流行の「探究的学習」をすでに先取りしてやっていたのです。先生方が日頃授業で取り上げることのできない自分の得意な分野(例:「源氏物語を読む」「ビートルズを歌う」「楽器を弾く」「陶芸」「数学の定理を深掘り」等)を開講し、生徒達はその講座の中から希望するものを受講するのでした。これは生徒達にはずいぶん好評であったにもかかわらず、(1)受験に関係ない、(2)早朝の保護者・生徒の負担が大きい、というナンセンスな理由から廃止されてしまいました。私は最後まで反対を貫きました。実は受験にも大きな関係があったと思っています。私はあのあたりから北高の迷走が始まったように感じています。こういうことが、現場教師を育て、生徒たちの知的好奇心を刺激し、学問への興味のきっかけとなったり、大学選びの動機となり、日頃の教科の勉強に及ぼす波及効果が大きい、疑問を大切にする姿勢を育むことにより大学に進学してからも大きな違いを生む、と固く信じていたからでした。当時の私は、毎年「英語のなぜ?」と題して、日頃疑問に思うような英語の事項を取り上げては、一緒に考えてみようという講座を開設して、結構人気だったんです。当時、受講し終わった生徒たちが書いてくれた感想を挙げてみますね。
普段は英語は大嫌いだけど、すごく楽しくて、この時だけは英語を好きになった。/話を聞いて英語っておもしろいなと初めて思った。/すごくタメになりました。/英語の授業では学べないようなことを教えていただきました。とても興味深い内容で、わからないことをはじめて知るワクワクを感じました。/とてもためになり楽しい講座だったので来年の1年生にも受けて欲しい。/とてもいい時間が過ごせました。もっと早い時期にこの授業を受けたいです。/とても有意義な3時間でした。来年の1年生のみでなく、時間が許すのなら2年生も行ってほしいと思います。/とてもためになった3日間だけにすごく残念です。英語が好きになりそうです。/自分の知らなかった英語の不思議をたくさん知ることができ、とても楽しく興味深かった。3日間では短すぎると思った。/普段の授業や勉強で聞くことができなかった興味深い話を知ることができ、これからの学習にも意欲がでた。2年次も実施して欲しい。(原文ママ)
英語には、「~する人」の表現がいくつかあります。-er/ -or/ -ar/ -ee/ -ess/ -ian/ -ant/ -eerなどです。「学問探究講座」でも、この話題を取り上げました。『ライトハウス英和辞典』(研究社、第7版)には「「人」の意を表す名詞グループ」としてまとめてありますので参照してください。中でも重要な物が-erと-istです。「-er」と「-ist」は、どちらも「人」を表す接尾辞(suffix)ですが、ニュアンスや使い方に少し違いがあります。
🔹「-er」の特徴 主に英語本来の動詞につくことで「~する人」という意味になります。 一般的・広範な職業や行為に使われます。
📌 例:
| 動詞・名詞 | + -er | 意味 |
|---|---|---|
| teach | teacher | 教える人(教師) |
| write | writer | 書く人(作家) |
| run | runner | 走る人(ランナー) |
| bake | baker | パンを焼く人(パン屋) |
これに対して、ラテン系の動詞につくのが「-or」です:actor, creator
🔹「-ist」の特徴 主に名詞につきます。専門性・主義・芸術・科学などに使い、「特定の専門や信念・主義を持って取り組む人」、「その分野に関わる人」を示す時によく使われます。専門的な訓練・知識・信念などが必要なことが多いようです。
📌 例:
| 基本語 | + -ist | 意味 |
|---|---|---|
| art | artist | 芸術家 |
| piano | pianist | ピアニスト |
| biology | biologist | 生物学者 |
| Marx | Marxist | マルクス主義者 |



