「大亀像」倒壊の危機

 明治の文豪・小泉八雲と妻セツをモデルにしたNHKの朝ドラ「ばけばけ」のオープニング映像にも登場した月照寺(1664年~)の大亀像がピンチです。江戸時代後期の建立から250年近く風雨にさらされた大亀は、至るところに大きなひび割れが見え、甲羅の一部は割れ落ち、上に置かれた石碑はわずかに傾いています。シンボルの「大亀像」が、いま倒壊の危機に瀕しているのです。月照寺では、クラウドファンディングで広く修復の協力を呼びかけています。

 「ばけばけ」効果で、観光客が急増し、平日でも大亀像のもとには次々と人々が訪れています。しかしその大亀像をよく見ると、至るところに走る大きなひび割れ、割れ落ちた甲羅の一部、そして傾いた石碑…状況はかなり深刻です。

 手当を急ぐ必要があり、修復作業は2027年度から約3年かけて実施される計画で、総費用は約6,500万円にのぼります。国・県・市からの補助金が充てられるものの、月照寺の自己負担額は1,000万円を超える見込みです。松平家月照寺には、檀家がなく、拝観料だけで維持管理をまかなっています。1,000万円超の自己負担は、寺にとっては決して小さくない重荷です。そこで月照寺が打ち出したのが、クラウドファンディングによる資金調達でした。

 高梨博昭住職「この度この修復にあたり、修復の一部をクラウドファンディングで募らせていただいて、次の世代に(大亀像を)引き継ぎたい」「大亀を通じて(松江の)歴史・文化を知っていただき、しっかりとつないでいきたいと思っています。250年ぶりの修復にご協力いただきたい」と語ります。寄付へのお礼・返礼品には特別な御朱印などが用意されており、自己負担分を十分にまかなえる1,300万円を目標額に設定しています。松江が誇る歴史的シンボルを未来へつなぐ取り組みが注目されています。

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 私もこのお寺に来ると必ず立ち寄るのが、六代廟門の中にある大亀の石像の所です。松江をこよなく愛した明治の文豪・小泉八雲の随筆、『知られざる日本の面影』にも登場する奇妙な「月照寺の大亀」伝説でも知られていますね。松平家の藩主がお亡くなりになった後、亀を愛でていた藩主を偲んで大亀の石像を造りました。ところが、その大亀は夜になると動きだし、夜な夜な蓮池の水を飲んだり、城下町を徘徊し、暴れ回っては人を食らうようになったのです。困り果てた寺の住職は、深夜、大亀に仏の説法を施しました。すると大亀は、「私にもこの奇行を止めることはできません。あなたにお任せいたします」と、大粒の涙をポロリポロリと流しながら懇願したといいます。そこで、亡くなった藩主の功績を彫り込んだ石碑(高さ3.6m 幅・奥行き1.1m)を大亀(高さ1.5m 幅2.3m 奥行き2.8m)の背中に背負わせて、この地にしっかりと封じ込めたといいます。大亀を封印している石碑は、不昧公として知られる7代目治郷(はるさと)が、父である6代目宗衍(むねのぶ)の長寿を祈願して奉納したものです。この大亀の迫力、すごいでしょ(写真上)。必死に首を持ち上げる大亀の表情を見ていると、まるで今にも動き出しそうな感じです。石碑に使われた石は出雲市平田の山奥から伐り出し、イカダに乗せて宍道湖堀川経由で運んだそうです。父の長寿を願う息子の祈念を宿したものですから、今では、この大亀の頭をなでると長生きできるという言い伝えがあるので、私もなで、なでしてきました。参拝者はみなさん長寿を願って、頭をなでなでしておられます。♥♥♥

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