やはりミスで負けた!

 ちょっと話は遡りますが、巨人のDeNAベイスターズとのクライマックスシリーズ第2戦。「すげえ、試合だったな…。勝たせてあげたかった。本当に総力戦の素晴らしい試合だった。敗戦の責任は俺にある。選手は必死にやってくれた」 「野球って恐ろしいな」阿部慎之介監督)としみじみ。初回いきなり5点を先制するという巨人にしては初めての猛攻に、これで第3戦に持ち込めるな、と安堵したのもつかのま、先発の戸郷が直後に2本のホームランを打たれ5点を返されて同点となりました。今年の戸郷はいかにも自信がなさそうに投げていて、ここ数試合も全部初回に失点していました。もうこの時点で負けたなとの予感がありました。やはり今年は開幕投手・戸郷のKOで幕を開け、戸郷のKOで終戦となりました。この日は4回から必死の継投策でしのぎ、同点の7回途中には大勢、8回途中のピンチにはなんと守護神のマルティネスを投入してまで、共に回またぎで助け合いながら絶体絶命のピンチをしのいでいました。引き分けも許されない中で、11回に1点を勝ち越し。しかしその裏、回またぎとなった田中瑛がツーアウトランナー無しから4連打でサヨナラ逆転されてジ・エンド。終了時点で残る投手は宮原だけという総動員体制でした。あと一人アウトを取ればよかったのに。

 延長11回裏。6-5と巨人が1点リードし、あと1人を抑えれば勝利という場面でした。阿部監督は8番手の田中瑛斗を続投させました。田中の被打率を見てみると、対右2割3分6厘、対左2割7分8厘。11回の先頭打者、牧秀悟と次の山本祐大は右打者で、これをどちらも内野ゴロに打ち取っています。DeNAは代打・度会隆輝を打席に送りました。度会はシーズンの対左打率1割9分4厘と苦手傾向があり、回またぎで疲れの見えている田中に代えてここで、ワンポイントで唯一残っていた左投手の宮原を投入していれば、まだ抑えていた可能性がありました。故・野村監督なら絶対に手を打っていたと思います。ベテランの長野を最後に登録した影響で、巨人はDeNAよりも投手枠が1人少ない布陣となり、延長戦で投手継投の余力を失っていました。長野は出場機会のないままシリーズを終え、これが「思い出起用」「その1枠が命取りに」との評価がSNS上で出るのは致し方のないところかもしれません。

 DeNAは主砲オースティンのほか、宮﨑敏郎ビシエドといった主力選手を欠きながらも、筒香の復活や若手が奮起しました。林蒼汰度会らが粘り強くつなぎ、蝦名が試合を決めました。相手打線の穴を突けなかった巨人との差が、短期決戦の明暗を分けた格好です。とにかく初戦同様DeNAはよく打ちました。打線の差ですね。

 ただこの日も、大きなミスを巨人は幾つも犯していることを忘れてはなりません。先発の戸郷の大乱調。リチャードは8回無死一塁からの大勢の速い牽制球を後にスルーしてしまいました。記録は大勢の悪送球となっていますが、気を抜いていたリチャードのボーンヘッドです。1点を勝ち越した直後一死満塁の場面で、若林はカウント1-2からワンバウンドする低めのチェンジアップを気のない空振り三振。ここで食らいついていれば、もう数点取れていた場面でした。前日にホームランを打っていたのでそのまま行かせたのでしょうが、代打・長野もありでした。取れる所で取っておかないから、その裏の劇的なサヨナラ逆転劇へとつながっていきました。回またぎとなった田中瑛も2死一塁から、一塁走者をノーマークにして楽々盗塁されてしまいました。注意不足です。故・野村監督「負けに不思議の負けなし」と喝破しましたが、まさに今年の巨人軍はその通りの展開ばかりでした。リーグ優勝した昨年の失策はリーグ最少の58失策と鉄壁の守りでした。それが今年はリーグワーストの78失策。これだけではなく記録に残らないミスも沢山見ました(特に外野手)。走者二塁から単打で本塁を狙った暴走気味の走者をアウトにできず、みすみす生還を許す場面がほとんどでした(完全に肩をなめられています)。反面、巨人の走者はヒットが出ても一つずつしか進むことができない走塁が目立ちました。盗塁数も無様。足が遅いのに加えて、リード面や打球判断のミスがほとんどでした。バントの成功率(7割2分5厘)はリーグワースト。投手陣は無駄な四球から崩れていきました。明らかに練習不足でしょう。ミスしたら必ず負けます。「負けに不思議の負けなし」の格言が身に染みた2025年シーズンでした。「自分自身も何が足りなくて勝てなかったのか、課題として自問自答したい。選手にも同じことを言った。大きな糧として来年にぶつけてほしい」阿部監督)。

 実は「受験」も同じで、ミスをしたら負けます。先日、志学館を訪ねて話をしてくれた卒業生がいろいろと語ってくれた言葉の中で八幡が最も印象深かったのは、「自分が陥っていた誤り」についてでした。難しい問題が解けることが力をつけることだと思って、簡単な問題をすっ飛ばして難しい問題ばかりをやっていたが、それは自分の大きな過ちだったとして、みんなができる基本的な問題をいかにきちんと間違えずに解けることが本当の力だと実感している。みなさんにはそんな過ちを繰り返さないでもらいたい、という言葉でした。八幡がいつも口を酸っぱくして言っている基礎・基本の大切さですね。「当たり前のことをバカになってちゃんとやる(ABC)」です。誰も解けないような難問で差がつくのではありません。誰もが解けるような基本的な問題をミスした人が負けるのです。『蛍雪時代』10月号(旺文社)には「1点が合否を分けるのリアル」として、1点の間に多くの受験者がひしめきあう実態が特集されていました。合否の分かれ目は、1点以下です。科目間の得点調整や部分点の加算があれば、わずか0.1点で明暗が分かれることもあります。合格者と不合格者は、実は紙一重なんだということを、これまで山ほど見てきました。♠♠♠

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