ウルフアロン衝撃の失神KO勝利!

 1月4日東京ドーム、2021年東京オリンピック(五輪)柔道男子100キロ級金メダリストのウルフアロン(29歳)がプロレスデビューし、前代未聞の転向・入門からわずか半年の練習で即、王者に輝きました。NEVER無差別級王座戦で王者EVILに挑戦。入場ゲートに現れたウルフが、道着をむしり取るように脱ぎ捨てると、長髪はバッサリと切られ丸刈りになっていました。「これから先、もう柔道着を着て戦うことはないというアピール。頭は今朝、丸めた。入門した段階で決めていた」。金メダルの栄光を捨ててゼロから生まれ変わる、その覚悟を最初に示したのです。新日ヤングライオン王道の黒のショートタイツに、黒のニーパッド、黒いリングシューズで入場してきました。一本背負い、払い腰、体落としなど柔道技も組み合わせ、ストロングスタイルで真っ向勝負。目つぶし、股間への襲撃などEVILの極悪非道な反則技も真正面から受け止めながら、最後は逆三角絞めで極悪王者を締め落とし失神させて、衝撃の戴冠デビューを果たしました。1月5日、1月7日の「朝日新聞」全国版でも異例の記事が載っていました。全国紙がプロレスを取り扱うのは、私の記憶ではアントニオ猪木以来です。

▲1月5日「朝日新聞」

 1月3日の前日公式記者会見でいきなり殴りかかったEVILと大乱闘。「お前が負けたら丸刈り並びに柔道禁止だ」と挑発され、「やります」と思わず応じてしまいました。柔道着禁止となれば、ちびっ子柔道教室などで指導する機会も奪われます。「そのためにも負けられない」と気合が入っていました。EVILとの因縁は同10月13日の両国大会。練習生のウルフが暴走する「拷問の館」(HOT)の選手を制止するためリングに上がり、鮮やかな払い腰で投げ飛ばしました。これに激怒したEVILと一触即発となり、試合後「1月4日デビュー戦。EVILとやらせて下さい」と直訴。デビュー戦で異例の東京ドームでの王座挑戦が決まりました。「(EVILは)力を持った選手と思っていますが、ひきょうな凶器攻撃や反則をしてくる。稀に見るタチの悪い選手。スポーツマンシップの真反対にいる。正々堂々と倒すだけ」ウルフ。講道館柔道の創始者・嘉納治五郎の“精力善用”(鍛えた心身を善い目的に使うこと)の精神で柔道を学んだ男として我慢ができなかったのです。

 入場で柔道男子日本代表の鈴木桂治監督が太鼓を打ち鳴らしてゲキを送ってくれる中(バルセロナ五輪銀メダルの小川直也や、北京五輪金メダルの石井慧の格闘技転向の時と違い、柔道界から「異例のエール」です)、東京ドームを埋めた超満員札止め(4万6,913人)の大観衆からウルフコールも湧き起こりました。「これだけ大勢が見てくれる中で試合をしたのは初めて。体に力が入らなくなったときに意識とは別のところで体が動こうとする感覚があった」。ファンの期待が心に響き、プロレスの醍醐味に震えました。

 ゴングが鳴るとエルボー合戦を展開。柔道技で投げ捨てコーナーポストにEvilをたたき付けるとラリアット、ブレーンバスターからのエルボードロップを放ち一気に攻勢に出ます。しかし、場外戦でEvilのセコンドメンバーに袋だたきにされ、Evilからパイプイス攻撃を受けました。悪の攻撃にリング上であおむけになったウルフ。呼吸が乱れ立ち上がれない状態もチョップから一本背負いで逆襲です。乱入した悪の連中を払い腰などの柔道殺法で蹴散らしました。しかし、悪の攻撃は止まりません。Evilが放った白い粉を顔面に浴びると、スコーピオンデスロックで捕獲されます(普通の新人ならここでギブアップです)。ドームに「ウルフコール」がわき起こり必死でロープへ逃げると大歓声が湧き起こります。ラリアット連発を耐え反撃しパワースラムで大逆転。アングルスラムでたたき込み、ボディスラムから「行くぞー!」と雄たけびをあげ、トップロープから棚橋弘至の必殺技「ハイフライフロー」をさく裂させました。フォールにいくも、セコンドがカウントを取るレフェリーを場外に引っ張り阻止しフォールなりません。互いのセコンドがリングインしリング上が大混乱になる中、テーブル攻撃をウルフは顔面に浴び、ダウン。さらに固定したテーブルにあおむけにさせられ、ドン・ファレのボディプレスを受け圧殺され、机は真っ二つです。ここぞとEvilが必殺技「EVIL」を浴びせようとしたその瞬間をうまくかわし、逆十字から両腕の関節をきめ、逆三角絞めで絞め上げ、Evilは完全に絞め落とされ失神、レフェリーが試合を止め劇的な勝利を飾りました(12分53秒、レフェリーストップ)。凶器攻撃、集団での暴行、パウダー攻撃、手荒い洗礼も耐え抜いて、激しい戦いを制し初陣でチャンピオンとなる偉業を達成しました。失意の悪の帝王は、ノーコメントで屈辱の退散です。試合後は「これだけ大勢の人が見てくれるなかで試合をしたのは、僕の人生で初めてでとても大きな経験になりましたし、今日だけではなくこれからもずっとこれだけの人数に見られながら試合がしたいと思いました」と明かしました。その憧れの世界での大きな1歩にも「おごってしまうと足をすくわれる。しっかり地に足をつけて成長する」と、勝ってかぶとの緒を締めました。「正直、今日の勝利はビギナーズラック、どれだけ対策をされても、その上を行けるプロレスラーを目指していく」と。

 くしくもデビュー戦の舞台がプロレス史に一時代を築いた棚橋弘至の引退興行と重なりました(オカダカズチカにフォール負け)。「運命的なものを感じる。棚橋さんが培ってきたものを、新しい形にもっともっと追求していきたい。プロレスは大きなバトン。いろんな形につなげていきたい」ウルフはプロレス新時代の主役になる決意です。♥♥♥

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