青学の強み

 今年の箱根駅伝の第1区における青山学院大学の出だしは、なんと16位でした。正直こりゃダメかと思いました。なんとそれが徐々に追い上げ、最後の山登りではスーパースター黒田朝日選手の異次元の激走で一気に首位に躍り出ました。しかし、往路を終えた芦ノ湖で、首位青学大のライバル校の監督達は口を揃えて言いました。「青学は往路で選手を使い切った」。確かに大学駅伝で実績のある選手は復路にはほとんど残っていませんでした。復路での逆転は十分可能という算段でした。フタを開けてみれば、その見立ては大間違いであったことが判明します。山下りの一年生がスタート地点で2位早稲田とあった18秒差を1分34秒にまで広げました。大会新記録での完全優勝でした。確か昨年もこれと同じような展開だったと記憶しています。一体なぜ青学大には「山のスペシャリスト」がいるのか?原監督の言葉です。「全国レベルの駅伝で、こんな山登り、山下りのコース設定は他にない。なぜそこに向き合わないのか。その認識を強く持っているのが青山学院だ」この12年で9度目の優勝。史上初の2度目の3連覇も成し遂げました。「これ、たまたまだと思いますか?」と、常勝軍団の原晋(はらすすむ)監督は冗舌です。しかし、初出場となるまでには二度の解任の危機がありました。

2004年 予選落ち
2005年 予選落ち
2006年 予選落ち
2007年 予選落ち
2008年 22位
2009年 8位
2010年 9位
2011年 5位
2012年 8位
2013年 5位
2014年 優勝
2015年 優勝
2016年 優勝
2017年 優勝
2018年 2位
2019年 優勝
2020年 4位
2021年 優勝
2022年 3位
2023年 優勝
2024年 優勝
2025年 優勝

 2月8日にも、「宮古島大学駅伝」が沖縄県の宮古島で行われて、箱根駅伝3連覇を果たした青山学院大学が初優勝を果たしました。新チームでハイレベルな戦いが予想される「宮古島大学駅伝」で、青山学院大学は6区間で5人(!)の1年生を起用し、3区で唯一の2年生、黒田朝日(4年)の弟・黒田 然(2年)がチームを2位に上げると、4区の上野山拳士朗(1年)が逆転してトップに立ちそのまま逃げ切りました。このチームの層の厚さを感じますね。 今大会6回目を迎え、12校14チームの出場。2位の国学院大、3位の順天堂大とトップ3が参加しています。

 私は、今年の箱根駅伝でぶっちぎりの大会新記録で3連覇を飾った青山学院大学原晋監督の新著『決定版!人が替わっても必ず結果を出す 青学流「絶対王者の鉄則」』(祥伝社、2025年)をじっくり読んで、その強みがよく分かった気がしました。親元を離れて入学してきた一年生に、原監督がまず最初に伝える言葉が、「挨拶・掃除・感謝」の三つだといいます。奥さんと二人で寮に住み込んで、学生たちと一緒に寮生活を送る中で、「三悪習」の追放に努めます。①言い訳をする ②他人のせいにする ③傍観者となる の三つです。そして道徳心を鍛えるために、言い聞かせるのは次の三つだといいます。

   ウソをつくな   ごまかすな    裏切るな

どれも当たり前のことですが、徹底するのはそう簡単ではありません。ウソもごまかしも裏切りも最終的には全部自分に返ってきます。人はどうしても易きに流されやすいからこそ、心を鍛えることが大事なのです。原監督には、学生たちに次のような心がけで競技生活と向き合ってほしい、という「3つの行動指針」があるといいます。

◎感動を人からもらうのではなく、感動を与えることの出来る人間になろう。

◎今日のことは今日やろう。明日はまた明日やるべきことがある。

◎人間の能力に大きな差はない。あるとすればそれは熱意の差だ。

 学生が成長するためには、次の5つのステップを踏むことを指導するとのことでした。①知る→②理解する→③行動する→④定着させる→⑤そして伝える  

 そうか!青学の強みというのは、「青トレ」「原メソッド」により陸上の技術を指導することと同時に(「練習のとき以上の力は、試合では絶対に出せない」)、「人間教育」を徹底していることにあるということがよく分かりました。私も長年英語指導に携わる中、こういったことを大切にしてやってきたと思います。♥♥♥

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