Kool-Aid

 2026年度「3年生7月進研模試」において、第5問の和訳問題にKool-Aidが取り上げられました。

   For a closer look at the brain mechanisms behind avoiding certain sickening foods, Zimmerman turned to an item that might be sitting in your kitchen pantry――grape Kool-Aid. The lab mice had never had this specific flavor and were asked to try it.

   “It’s a better mode for how we actually learn,” Zimmerman said. “Normally, scientists in the field will use sugar alone, but that’s not a normal flavor that you would encounter in a meal. Kool-Aid, while it’s still not typical, is a little bit closer since it has more dimensions to its flavor.

(吐き気を覚える特定の食べ物を避けることの背後にある脳のメカニズムをより詳しく調べようとして、ジマーマンは台所の食品庫にあるかもしれない品物、ブドウ味のクールエイドを使った。実験用マウスはこの特定の味を味わったことがなかったので、試す対象とされた。「これは、私たちが実際に物事を学ぶ方法のよりよいモデルだ」とジマーマンは言った。「通常、この分野の科学者たちは砂糖だけを使うものだが、それは食事で出合うような普通のあじではない。クールエイド、これもはやはり典型的なものではないが、味の情報により多くの特徴があるので、砂糖だけより少し典型に近い。)

 私はこのような生徒に馴染みのない特定の「商標」を模擬試験問題には出題するべきではないと思っていますが、もしどうしても出すならば、「解答・解説」において生徒の理解を深めるために詳しく解説を加えるべきだと思います。今回の模試ではただおざなりの訳文を示すだけで、一切の解説はありませんでした。生徒の解答には影響のない部分が「和訳問題」として出題されてはいますが、これではこの英文をきちんと読んだことにはなりません。Kool-Aid「砂糖を加えて水・氷を入れる清涼飲料水の粉末」程度の注釈を与えて、実験では砂糖だけを使うことが多いが、それでは現実の食事を十分に再現できない。Kool-Aidのような、もう少し複雑な味(甘味・酸味・香り・果物の風味・その他の味の要素)の方が日常の食べ物・飲み物に近いのだ、ぐらいの補足をしてやらないと、何の事を言っているのかが理解できません。私は試験後に、Kool-Aidに関して「見直しプリント」や授業の振り返りの中で、中身に関して説明を試みました。

Yahoo!オークション - Kool-Aid クールエイド アメリカン カンパニー ...《商標》クールエード《米国General Foods 社製の粉末即席清涼飲料;人工香味料入りで砂糖は入っておらず好みの量を加える;グレープ・レモン・ライム・ラズベリーなどの種類がある》。――『リーダーズ・プラス』

 米国New York州のGeneral Foods Corp.(Phillip Morris Co., Inc傘下)製の即席清涼飲料粉末(instant soft drink mix)。人工香料入りで、砂糖を好みの量(1カップ前後)加え、水と氷を入れて2quartsの飲料を作るのが標準。パンチなどを作る際にも用いられることがある。グレープ・レモンライム・ラズベリー等の種類がある。粉末の入った袋の表には、水差しに顔を描いた絵が描かれている。袋は6.8×10.0㎝で4.5g入り(12.4g入りもある)。――山田政美『英和商品名辞典』(研究社、1990年)

 Kool-Aid(クールエイド)は、アメリカで非常に有名な粉末タイプの清涼飲料ブランドです。1927年に発売され、現在は食品大手The Kraft Heinz Companyが展開しています。アメリカで非常に親しまれている粉末ジュースのブランドです。1927年にネブラスカ州でエドウィン・パーキンスによって発明されました。現在でもKool-Aidは、アメリカでは子どもから大人まで親しまれている、代表的なフルーツ風味のドリンクブランドで、アメリカの子供たちにとっての定番ドリンクであり、ポップカルチャーにも深く根付いています。

 昔ながらの無糖タイプは、水と砂糖を加えて作ります。現在は加糖済みや無糖・ゼロシュガータイプ、液体タイプ、紙パック飲料なども販売されています。豊富なフレーバーが用意されており、チェリー、グレープ、オレンジ、トロピカルパンチ、レモネード、スイカ、ブルーラズベリー など、多数の種類があります。近年は健康志向に合わせて、電解質入り・無糖・人工着色料不使用の「Kool-Aid Hydration」シリーズも発売されました。基本の作り方は、フルーツ味の粉末とたっぷりの砂糖を水に溶かすだけです。チェリー、グレープ、トロピカルパンチ、ブルーラズベリーなど、非常にカラフル(赤、青、緑など)で甘いのが特徴です。近年では水に溶かすだけの液体タイプや、お弁当用のパウチタイプ(ジャマーズ)も販売されています。

 「Kool-Aid Man」という、人の顔がついた大きなガラスのピッチャーのマスコットキャラクターが有名です。壁を突き破って登場し、「Oh, yeah!」と叫ぶコマーシャルはアメリカでは非常によく知られています。テレビCMなどに登場するマスコットキャラクター「クールエイドマン(Kool-Aid Man)」はアメリカのアイコン的存在です。手足の生えた巨大なガラスのピッチャーの姿をしており、子供たちが彼を呼ぶと「Oh Yeah!(オーイェー!)」と叫びながら建物の壁をぶち破って登場するのがお決まりのパターンです。

▲Kool-Aid Man

     関連して、アメリカ英語では “drink the Kool-Aid”(クールエイドを飲む) という有名な慣用句があります。これは、「誰かの考えや思想を疑わずに信じ込む」「(指導者や集団の思想を)盲信して無批判に従う」「同調圧力に屈して危険な道に進む」という意味で使われます。この表現は、1978年の南米のガイアナJonestownで起きたカルト教団「人民寺院」の痛ましい集団自殺事件(信者たちが毒入りの粉末ジュースを飲んだ事件)に由来します。そのため「危険なほど盲目的に従う」という強い否定的・批判的なニュアンスが生まれました。ただし、事件で実際に使われた飲料は、大部分が競合製品のFlavor Aid(フレイバーエイド)という別ブランドだったと言われています。♥♥♥

    Don’t just drink the Kool-Aid. Think for yourself.(盲目的に信じるな。自分で考えろ)

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