河上道生先生ご逝去

 悲しいお知らせです。6月3日、河上道生先生(元広島女子大学学長)がお亡くなりになりました。最近は入退院を繰り返しておられたそうです。先生は『英語教育』(大修館)誌のQUESTION BOX欄の回答者として、毎月明快な回答をお書きになっていたことで知られています。もうずいぶん前になりますが、東京書籍「ニューホライズン」の作文の教科書を使っていた時に、その指導書の精緻な記述に魅せられました。こんな指導書は他にはないと思いました。それを書いておられたのが河上先生。東京書籍のご厚意で、河上先生をお招きして松江在住の英語教員で勉強会を開催したのが、河上先生との初めての出会いでした。私も英語の語法に興味を持っており、辞書の仕事をしていた関係で、ことある度毎に丁寧にご教示をいただきました。突然大量の資料をお送り頂いて、これを勉強しなさいとお手紙を頂いたことが何度もあります。河上先生の解説の背後にはこれだけの資料の裏付けがあるのかとため息が出たことも何度も。先生の代表作はなんと言っても『英語参考書の誤りを正す』ならびに『英語の参考書の誤りとその原因をつく(大修館)ですよね。英語教育界に与えたインパクトは大きなものがありました。先生はあるとき「八幡さん、あの本を書いたのは学者としてマイナスでした」と、ボソッとおしゃったのが印象的でした。あの本で日本中を敵に回した苦悩がおありだったのだと思います。でもあの本のおかげで日本の参考書はずいぶん改善されたはずです。河上先生は、デクレヤル国連事務総長、カーター米大統領、マザーテレサなどの通訳をなさったこと、故西山 千氏、國弘正雄氏と並ぶ、いや、それを凌駕するほどの英語の達人であったことをみなさんはご存じですか。英語の偉大な巨星が、またお一人天に召されました。合掌。

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