マギー司郎さん

 メガネにヒゲ、黄色い燕尾服、茨城弁の客いじりで煙に巻く。「うちの近所の八百屋のおかみさんに評判なんだけど」「これはデパート行けば売ってますからね」「赤?…赤は先週で終わっちゃったのよ」などと、ギャグを挟み笑いを取る。僕、手品が下手なんですよ」と、独特の話芸で大爆笑を誘うマギー司郎さん(67歳)。そのすっとぼけた話芸で人気ですよね。最近は、マリックさんと一緒にステージに立たれることが多いようです。お二人の、全く真逆の芸風からかもしだされる何とも言えないコントラストが受けるんでしょうね。マギーさんは言います。真実をついていますよ。

 完璧じゃないから伝わるものがあるし、めげない人、貧乏に負けない人っておもしろいんだよね。味があるっていうの?それは芸人に限らず、一般の人もそうだよ。完璧で隙がない人って近づきにくいじゃん。だけど、学のある人ほど、完璧じゃない自分に悩んじゃうみたい。もったいないよね。僕の場合、人と比べるってことがほとんどないの。それは出発点の違いがあるかもしれないね、。生い立ちは貧乏で、子供の頃はお金持ちの家のゴミから食べられるものを探したこともあったし、マジシャンになっても華々しさなんか何もなかったからね。

 以前、NHKテレビで、マギーさんのこれまでの芸能人生を振り返るという番組をやっていましたが本当に苦労人なんですね。今の話芸は、ストリップ劇場に1日4回、1ヶ月に120回、15年間に2万回以上立ち続けられた賜物です。舞台に立った数では誰にも負けない、という自信でしょうね。そこに来ているお客さん(?)は、一筋縄ではマジックなんか見てくれませんから、生きるため食べるために、話芸を磨かれたわけです。その努力たるや壮絶を極めたと言います。

 マギーさんの代名詞ともいうべき、紅白の縦縞のハンカチが横縞になというアレ。その昔はハンカチを、一度空箱に入れて演じておられました。縦縞のハンカチを空箱に入れて、おまじないかけて取り出すと横縞になっている、という具合です。いつからか、それを箱なしで直接手の中でやるようになったら大受けした。理屈ではなくて、芸を長くやっていると、芸がいろいろなことを教えてくれる、とマギーさんはおっしゃいます。なるほど。教師の世界もそうだと思います。

 だから、他の誰かと自分を比べる必要もないし、賢く立ち回って競争に勝つ必要もないんじゃないかな。世の中、完璧な人がいるように見えるけど、じつはその時、すごいだけだから。いつ失敗するかわからない。結局ダメな人も、スゴイ人もいないのがホントだなって思うの。本人が「オレはダメだな」と思っているところが、時代の流れでいいところに変わることもあるからね。

<追記>  縦縞・横縞のハンカチは、私も東京・茅場町のマジックランドで求めました。博多のキャナル・シティの地下に「マジック・ファニー」というワゴンのマジックショップがあるんですが(津和野高校に勤めているときはよく通いました。最近は遠くて行けません。ご主人、元気かな?)、そこで本当に一瞬に、息を吹きかけただけで縦縞が横縞に一瞬にして変わる、というトリックを見せてもらい、すぐ購入したのもいい思い出です。よくできた仕掛けでした。セオマジックさんの商品です。IMG_2067

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