コインシデンス

Coincidence/コインシデンス クライスというメーカーがあります。精密な金属加工やプラスチック加工ギミックで、魅力的で高品質な商品を数多く発表している世界中にファンを持つマジックメーカーです(ボルトとナットがクルクルと目の前で外れていくあのギミックは、それはもう素晴らしい仕掛けでしたね)。関西のクリエイター赤松洋一氏のアイデアをクライスが巧妙に仕立て、完璧不可能な予言ができました。コインの完全一致現象「コインシデンス」(Coincidence)です。外箱は木製、使うものはコイン、どこにクライスの加工があるかって…?このマジックは、日本奇術界の最高栄誉である「石田天海賞」も受賞されている伝説的な名クリエイター・赤松洋一氏のアイデアを元に、クライス社が精巧な道具として商品化したメンタル(予言)マジックの傑作です。

 タイトルである「Coincidence」は日本語で「偶然の一致」という意味を持ちますが、その名の通り、観客が完全に自由に選んだ並びが最初から予言されているという、非常にクリーンで鮮烈な現象が特徴です。

 使用するのは、手のひらサイズの小さな箱。そして、4種類の異なるコイン(日本円バージョンなら「100円、10円、5円、1円」)です。箱のフタには「1,2,3,4」という4つの数字が書かれており、その上に4種類のコインが並んでいます。マジシャンは観客に「どの数字の場所に、どのコインを置くか」を指示してもらいます。観客は制限なく、完全に自由に並び順を指定できます。マジシャンは指示された通りに、フタの上のコインを並べ替えます。並べ替えたあと、フタをパッと持ち上げて箱の中を見せます(観客に持ち上げてもらっても構いません)。すると、箱の中にあらかじめ入っていた4枚のコインが、観客が今指定したのと「全く同じ順番」で並んでいます。さらに驚くべきことに、箱の中の予言のコインはただ置いてあるだけではなく、ケースにしっかりと固定されていて動かせない状態になっているのです。

 マジックマニアが集まるコンベンションで発表された際にも、多くのプロやマニアが驚愕したと言われています。その理由は、以下の「3つのクリーンさ」にありました。

◎完全なフリーチョイス(自由選択): メンタルマジックにありがちな「言葉巧みに特定の誘導をする(マトリックス・フォースなど)」といった制限が一切ありません。本当に、観客が思いつきで言った順番通りに並べます。

◎マジシャンが道具に怪しいタッチをしない: 並べ替えたあと、フタを開ける瞬間にマジシャンが指先で怪しい操作(すり替えやギミックの解除など)をする必要がありません。そのままストレートにフタを開けるだけで現象が成立します。

◎すべてを手渡しして調べてもらえる: 演技が終わったあと、箱も、フタも、中のコインも、すべてを観客に手渡して調べてもらうことができます。 クライス社のお家芸とも言える「超精密な工作精度」によって、観客がどれだけ目を凝らして調べても、仕掛けの構造を見破ることは極めて困難です。

【補足】 日本円(100円・10円・5円・1円)バージョンのほか、海外向けに「USコイン(アメリカ硬貨)バージョン」も製造されていました。現在は残念ながら「製造中止(廃盤)」となってしまっているため、マジックショップの市場に出回ることは滅多にない、非常に貴重なコレクターズアイテムの一つとなっています。

 演技の流れはこのようになります。①②③④の数字の書かれた小さな木箱の上に、4枚のコインが並んでいます。箱の中には、すでに予言がしてある、と言います。箱の上のコインを、好きな順番で選んでもらい4つの数字のところへ自由にコインを動かすだけです。そして、言われたとおりに4枚のコインを動かし終わったら、蓋を開けます。中を確認してみると・・・完璧に一致しています。しかも、中のコインはあろうことか接着剤できちんと箱に固定されているのです!完全にこうなることが予言されていたのですね。蓋の上にあるコインには、何も仕掛けはありません。非常に巧妙なクライスのアイデアで、不可能を可能にしています。手に取って演じたときには、私自身も信じられませんでした。半端でなくすごい!の一言。さすが、精密加工のクライスです。実にいい仕事してますね。それは手に取ってみてのお楽しみ。まずは動画をご確認ください。たまげますから。

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