Face Off「変面デック」

 中国四川省の伝統芸能に「変面」というのがあります。目も止まらぬ速さで次々とマスクが変わっていくというアレです。初めて見た時には、いったいどうなっているんだろう、と訳が分からず興奮して不思議に思ったものです。秘密を知ってしまえば、なんのことはないのですが。それにしても、高度な技術を要する熟練の早業です。どうやっているかわかりますか?

 さて、今日ご紹介するのは、その「変面」をトランプでやってしまおうというものです。カード・マジックの変面“Face Off”(808 Magic Store)です。全てFace Off異なるマスク(変面)のカードを示します。マジシャンは一組のデックを箱から取り出します。デックには一枚一枚異なるマスクが印刷されています。デックをパラパラとはじいていって、適当なところで「ストップ」をかけてもらい、観客に自由に1枚のカードを選んでもらいます。これはフォースではありません。残りのカードをパラパラ漫画のように弾いていきます。すると、本当の「変面」のようにマスクをマントで隠してマスクが一度変化します。しかも、最後には変化したマスクが、もう一度変化して観客が選んだマスクと同じデザインになっているのです。

 マジック・ファンの人にはすぐわかると思いますが、これはダン・ハーラン(Dan Harlan)の「カード・トゥーン」デックの応用ですよね。1200名もの参加者で大盛況となった、ニューヨーク「第30回タネンジュブリー」において、あっという間に売り切れとなり、買えない人が続出したベストセラーのカード・マジックです。パラパラ漫画の要領でトランプをはじいていくと、カードの裏に描かれたマジシャンの絵が、客の選んだトランプを探してくるというものでした。日本では、トランプマンがテレビで演じて話題となり、爆発的な人気を呼んだ作品です。日本ではテンヨーも販売していますね。この原理を中国の「変面」に応用したのが、この作品のアイデアでした。もうちょっと顔が大きいとよくわかるんですがね。でもきれいなデックです。♠♣♥♦

 

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