日本のことわざで「今日の一針(ひとはり)、明日の十針(とはり)」というものがあります。わずかな手間を惜しんでやらずにいると、あとでよけいな苦労が増えるということのたとえで、今日なら一針縫えばすむほころびも、明日になれば広がって、十針も縫わなければならないという意味です。もう一歩進めて、明日という日には何が突発的に起こるか分からない。やろうと思っていてもできなくなるかもしれない。ならばやれる時にやっておこうじゃないか、とも取れます。
今どきの大学生の中には、教授の講義を録音する人がいますね。もちろん「後で聞くため」ですが、実際に後で聞いて勉強する学生はいないのではないでしょうか。自ら講義に出ているなら、その場で聞けばよい。授業中は別のことをしておいて、「録音して後で勉強する」と口だけで言うのです。こういう人は“NATO”(No Action Talking Only)といって揶揄されています。海外での日本人が、このような皮肉交じりの批判を受けているといいます。本当に後で聞いていると思いますか?おそらく「聞くつもりだったが、いろいろと事情があって忙しくて聞く暇がなかった」と応えるのが関の山でしょう。何事も「今すぐやる」ということを徹底しないといけません。
折々に遊ぶ暇のある人の 暇なしとて書読まぬかな (本居宣長)


