テッセイ

 「JR東京駅」の新幹線ホーム。行き交う旅客で混み合うホームの中でひときわ目立つ、整列して待機をしている赤いチームがいます。ひっきりなしに到着する新幹線をお辞儀で出迎え、乗客が降りるとすぐさま乗り込み、シートやテーブル、床の汚れやごみを取り除いていきます。その様子を、乗車を待つ乗客が見ています。手慣れた作業のように見えるんですが、与えられた時間は列車が折り返す間(12分)のたったの7分間です。車両清掃からトイレ掃除、ゴミ出し、座席カバーの交換、忘れ物のチェックなどをテキパキと完璧に終えていきます。これをやり遂げるのが、JR東日本テクノハート「テッセイ」のチームです。清掃を終え、乗降口の脇で再び一礼する「テッセイ」のチームに対し、軽く会釈して乗り込む乗客も少なくありません。このテッセイの事例は、米国のハーバード大学経営大学院の、MBA(経営学修士)1年生の必修科目で採用されています。しかも、単独の科目ではなく、リーダーシップのコースと、技術マネジメントのコースの共同で教える特別カリキュラムとして扱われるのだそうです。つまり2人の教授による授業なのですが、これは非常にまれなケースだと言われています。海外からも、米国だけでなく、インドや韓国など、各国から視察に訪れます。「上司による管理や金銭的な報酬ではない、スタッフの動機づけの稀有な例だ」と非常に感銘を受けたとハーバード大学の先生が。

 「テッセイ」の仕事は、はっきり言って「きつい・汚い・危険。一昔前で言うならば「3K」な仕事です。7分間ですべてを終わらせなければならないわけですから、文句なしに「きつい」です。仕事は掃除ですし、その過程では汚物を扱うことも少なくありませんから「汚い」。そして、新幹線という何百トンの巨体を相手に仕事をするだけに、いつ事故に遭うことになるかわからない「危険」な職場です。そんな仕事に対して、「誇り」と「生きがい」を持って取り組んでおられる姿には感動を覚えます。失礼だがみなさんは、社会の川上から流れ着いて今、テッセイという川下にいる。でも、川下と卑下しないでほしい。みなさんがお掃除をしないと新幹線は動けないのです。だから、みなさんは、お掃除のおばちゃん、おじちゃんじゃない。世界最高の技術を誇るJR東日本の新幹線のメンテナンスを、清掃という面から支える技術者なんです」と責任者。

 以前にも私はブログで、この新幹線お掃除チームを取り上げたことがありました。⇒コチラです  すると読者から次のようなコメントが寄せられました。

 かつて東京サービスセンターで3年ほど働いていました。退職時までパートでしたが他にやりたいことがあり社員になっても手取り16万前後で昇給なしなので受ける気にはなりませんでした。この会社で社員で10年以上勤めている人はあまりいません。主任や管理職まで登りつめたような人でも辞めるときは辞めます。月に10人雇って5人辞めるような感じです。ひどい時は全滅です。その度に既存の従業員の休日が減らされる訳ですが、休日出勤を月に3回以上頼まれる時もあります。社員登用も毎年受けては落とされるような人も沢山いるので、そのような人を半年契約のパートで雇い続ける会社側もどうかと思います。優秀な人は東海の清掃会社に転職します。理由は圧倒的に待遇が良いから。同じ勤務時間、仕事内容で時給1,100円と日給9,000円なので話にならないですよね。後、意外に本の内容で誇張されている部分があります。従業員が主体的にとは言っても、それを出す、提案するよう上司から求められれば、これは業務命令になり主体的にとは言えません。また、駅員は扉の開閉を時間通りに行うので車内で何が起きようとも待ってくれません。気がついたら車内で乗客と鉢合わせなんてことは良くありました。腰痛、ヘルニアで休職するる人が後を絶たないので長く務めるところではありません。

 当時、物事には表の面と裏の面とがあるのだなぁ、と思わされたことでした。事を成し遂げようとすると、必ず批判する人、足を引っ張る人も出てきます。利他」のためにこの仕事は成す価値があるのであれば、たとえ人が何と言おうと、強い信念を持って、成し遂げる。私の信条はそのようなものです。♥♥♥

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