perfectly good

 ずっと気になっていたのが副詞のperfectlyです。

    It was a perfectly good presentation. 完璧にすばらしい発表でした

 この用例の問題点は何か分かりますか?これは、私たちの『ライトハウス英和辞典』(第6版)の初校にあったものですが、詳細な検討の末、It was an extremely good presentation.と書き改められました。なぜか分かりますか?副詞のperfectlyを辞書通りに「完璧に」「完全に」と理解していると、全く気がつきません。a perfectly good presentationの意味するところは、文句を言う所は何もないけれど、実は、非の打ち所がないという訳ではない、というニュアンスが込もっているのです。ここら辺が、私がいつも強調している副詞の難しいところです。⇒英語における副詞の難しさについてはコチラをご覧ください。

 辞典業界に鳴り物入りで参入したものの、全く売れなかった『ロングマン英和辞典』(桐原書店)の perfectly の項には、perfectly goodという用例に「まだまだ十分に使える」という訳文が見られました。普通なら「完璧に良い」「完全に良い」とするところでしょう。これは一体何を意味するのでしょうか?

 結論から言えば、a perfectly good (thing)というコロケーションは、ある目的にとってはまだ十分事足りるということで、古いものを捨てて新しいものを手に入れようとする人を批判するときによく使われる表現です。ある海外のサイトから用例を挙げてみましょう。

You want a new car? Why? You have a perfectly good vehicle already. 新しい車を買いたいって?どうして?君はまだ十分に使える車を持ってるじゃないか。

Don’t throw that away. It’s still perfectly good. それ捨てちゃダメだよ。まだ十分使えるんだから。

 そのことはイギリスの学習辞典OALD(10版)にも、It’s perfectly good as it is.(=it doesn’t need changing)という用例が挙がっており、「まだ十分使える、取り替える必要はない」という意味であることがはっきりと書いてあります。Collins COBUILD Advanced Learner’s Dictionaryにも、“If you describe something as perfectly good or acceptable, you are emphasizing that there is no reason to use or get something else, although other people may disagree [EMPHASIS]”と説明があります。They had thrown away a perfectly good stereo. [Longman Dictionary of American English]、They are throwing out a perfectly good sofa. [NWALED] という用例もあります。北高のアメリカ人ALTコリン先生も、ある目的にとっては十分ではあるが、完璧というわけではないという意味だと説明してくれました。♥♥♥

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