2022年4月23日(土)に、日本における鉄道開業150年を迎えることを記念し、JR九州小倉総合車両センター(北九州市小倉北区)に「小倉工場鉄道ランド」が新たにオープンしました。「小倉工場鉄道ランド」では、同じく2022年に開所50周年をむかえた「ドーンデザイン研究所」の水戸岡鋭治(みとおかえいじ)先生の作品を一堂に集めたミュージアムやショップ、小倉工場の歴史の展示 、見学、食堂での昼食などが楽しめます。学んで遊べる、いまだかつてない鉄道ワンダーランドです。ここに入場できるのは、JR専用の団体ツアーのお客さん限定で、一般の人は入ることができません。私は別府温泉の帰りに、この特別ツアーに参加してきました。
この施設は新しく建物を作ったのではなく、JR九州を走る在来線車両の修繕や改造を行う小倉総合車両センター内に元々あった建物を、リノベーションして活用しています。ランド内には小さな子どもから大人まで世代を超えて楽しめる、「本物」にこだわった様々なアトラクションや展示物が並びます。この「小倉工場鉄道ランド」を監修したのは、JR九州ではお馴染みの「ドーンデザイン研究所」の水戸岡鋭治先生です。ランド内には、これまでドーンデザイン研究所が手がけた、JR九州を走る観光列車「D&S列車」のイラストやポスター、車内の座席の現物などがたくさん並んでいます。そのどれもが本物ながら、多くは小さな子どもでも自ら体験できるのが大きな特徴です。
「小倉工場」のヘッドマークをつけた特別列車「いさぶろう・しんぺい号」がJR小倉駅のホームに入線してきます(⇒私の紹介記事はコチラ)。これも水戸岡先生のデザインになるD&S列車です。西小倉駅より小倉工場への普段は入ることのできない引き込み線に入ってゆっくりと進んでいきます。工場にはホームがないので、飛行機のようにタラップが掛けられ、工場の職員のみなさんが大歓迎してくださいました。そのまま進んで「つばめ食堂」でランチをいただきます。「つばめ食堂」と名付けられたこちらは、センター内で働く方々のお腹を満たす本物の現役社員食堂です。ツアーの参加者は、大人は名物メニューのカレーやうどんをセットにして「カレーライス+ミニかしわうどん」、子どもは「ミニうどん+おにぎり」がいただけます。どちらも通常営業時と同じ味を楽しむことができます。
ランドの中でも最も広いスペースを持つミュージアムの2階は、元々講堂のような機能を持つ場所の床を真っ白に塗り替え、中央にはイラストやD&S列車を設計した際に試作した座席を展示。他にも過去の展示会などで披露された作品類も一堂に集められました。そしてそれらを取り囲むように「ミニトレイン」のレールが敷かれていて、3歳未満でも保護者同伴で乗車できます。一角には、たくさんの座席が並びます。JR九州のD&S列車の本物の座席のほか、800系新幹線の座席もあり、どれも実際に座ることができます。
奥に進んだところにある一室には、あの「ドーンデザイン研究室」が開所! 実際に水戸岡先生やスタッフの方がデザインを行う時に使用する道具や参考書籍、パソコンなどが鉄道ランド内に持ち込まれています。この部屋はただの展示施設ではなく、「実際にここで仕事をすることもできるし、ツアー開催日のうち、月に一度程度はこちらに仕事をしに来ようと思っています」と水戸岡先生。鉄道デザインを体験できる本や資料、サンプルがいっぱいでした。見学ツアーの実施日には、実際にスタッフの方が在席していますが、運が良ければ水戸岡先生本人に会えるかもしれません。
常設展示施設の1階「水戸岡イラストレーションパースミュージアム」は、水戸岡先生がこれまで手掛けてきたJR九州の特急、D&S列車を筆頭に、これまで描いてきた直筆のイラスト原画が展示されています。奥には「鉄道ショップKK」があり、水戸岡デザインのグッズや鉄道部品を販売するショップとして営業しています。ここでしか購入できないレア・アイテムや本・ポスターなどが購入できます。「ポスターの中には1点しかないものもあれば何十枚とあるものもあります。どれがどれだけあるのかは正直把握していないので、そのときあったものを購入してください(笑)」(水戸岡先生)私はここでしか買えない水戸岡先生の冊子を2冊ほど購入してきました。
この2階建ての展示施設のほか、工場にはさまざまな体験が用意されています。ランド内のフリータイムでは小倉総合車両センター内の施設や整備中の車両を見ることのできる特別見学ツアー(ヘルメット着用、まだ足の悪かった私は残念ながら参加できませんでした)や、実際に石炭を燃やして蒸気で走る、小倉総合車両センター社員の皆さん手作りの「ミニSL」の運行があります。センター内を見学するツアーでは、普段見かける車両たちのメンテナンス風景を見学、撮影できます。また、センター内で保存されている485系の運転席に座って操縦機器に触ってみたり、運転士さんや客室乗務員さんの制服を着て記念写真が撮影できたりと、見どころ満載です。あのクルーズトレイン「ななつ星 in九州」の専用バスも展示されており、豪華な内装も中に入って見学することができました。
ここまで紹介したどれもが「本物」で、それこそが、実は水戸岡先生の強いこだわりそのものでもあります。
この鉄道ランドは、小さな子どもだけでなく、その保護者の方、おじいちゃんおばあちゃんなど、世代を超えて楽しめ、体験できる『本物』をたくさん集めました。展示されている点数もちょっと把握できないくらいで、今も増え続けています。子ども向けの施設も多いですが、それも本物にこだわる。それが大事です。
▲ドーンデザイン研究所代表の水戸岡鋭治先生
















