*Don’t mind.

 「ドンマイ,ドンマイ」は日本人の大好きなフレーズです。私も若い頃、授業中生徒に向かって、Don’t mind.”とやってしまって、後で先輩の先生から注意を受けたことがあります。 そもそも「ドンマイ」ジャパニーズ・イングリッシュ(和製英語)です。英語ではなくて、日本語です。このフレーズを英語だと勘違いしている人も多いんです。英和辞典や和英辞典にはこのことを注意喚起するために、「×Don’t mind.は和製英語。英語ではNever mind.と言う」といった注記が与えられています。しかし、この記述には次のような問題点が3つあると思われます。

(問題点1)なぜこれが正しい英語ではなく「和製英語」なのかが全く不明であること。

(問題点2)Don’t mind.が使われる場合がある。それはどんな場合なのか?

(問題点3)挙げられたNever mind.の意味は「ドンマイ」とは異なる。

 スポーツをしている時にチームメ-トがミスしたらどんな言葉をかけますか?きっと「ドンマイ」と言って励ます人が多いと思います。mindという単語は「〜を気にする、〜を嫌と思う」という意味を含んでいるので、否定を意味する don’t とmind で「気にしないで」という励ましの言葉として使われていると思います。ではこれがなぜ励ましの言葉としてまずいのか?をきちんと理解しておく必要があります。

 そもそも和製英語の「ドンマイ」の意味と異なるDon’t mind は、本来どのような場面で使われるのでしょうか? Don’t mindは、許可をお願いされた場合などで「私は気にしませんよ」「私は構いませんよ」という意味で使われます。

(例1)A: Do you mind my opening the window?
窓を開けてもよろしいですか?(=あなたは私が窓を開けることを嫌だと思いますか?)  ―B: No, I don’t mind. Go ahead.
いいえ、気にしません。どうぞ。

(例2)A: Would you mind if I smoked here?
ここでタバコを吸っても良いですか?(=私がここでタバコを吸うことを気にしますか?)  ―B: No. I don’t mind.
いいえ、構いません。

(例3)A: It’s getting humid. Can I turn on the air-conditioner?
ちょっとじめじめしているね。エアコンをつけてもいい                   ―B: Go ahead.  I don’t mind.
 どうぞ、かまわないよ。

     以上のように、 I don’t  mind は「えぇ、私は構いませんよ」という意味で使われます。しかし、日本語の「ドンマイ」は相手に対して「気にしないでね」と励ましているので、「ドンマイ」Don’t mindは、失敗やミスを気にするのは誰か?という点で、全く意味が異なるのです。もし、友人の「ドンマイ」な場面でDon’t mind と言ったらどうでしょう?….

A: I failed the last exam…
この前の試験、不合格だったんだ…―B : Oh…don’t mind! Hope you will have a good score in the next one!
そっかぁ…ドンマイ(=私はあなたが不合格でも構わないよ!)次は良い結果になるといいね!

 このように試験が不合格で落ち込んでる友人に対して、 Don’t mindと言ってしまうと「私はあなたが試験で不合格だったことなんて気にしてないよ」といった意味になり、せっかく相手を励まそうとしているのに台無しになってしまいます。オカシナ状況になりかねません。これが(問題点1)(問題点2)の解答です。

 Never mind.はどのような意味かというと、「大したことじゃないから気に留めないで」というニュアンスです。ただし、口調によっては嫌みに聞こえがちな含みのある表現ですから、注意が必要な表現です。

A: What did you say? 今何て言った?―B: Never mind. なんでもない

 さて最後の問題です。「今何て言った?」に対して「ドンマイ」という日本人はいませんよね。和英辞典の注記に「ドンマイはNever mind.と言う」とあるのは、「Don’t mind.という表現はないが、Never mind.ならある」という単純な発想から書き換えられてしまったのでしょう。日本語の「ドンマイ」に一番近い英語表現は、Don’t worry (about it).(気にしないで)でしょう。♥♥♥

A: I’m really sorry. 本当にごめん

B: Don’t worry (about it). 気にしないで

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