優先席を考える

 電車の座席に座り、ゆったりとくつろいだ様子で本を読む外国人の男性。その背後には「優先席」と書かれています。 これは6月18日、ジョージアのティムラズ・レジャバ駐日大使が「ゆらゆら都心へ進みます」と投稿したツイートです。 レジャバ大使といえば、日本在住歴は通算で約20年の日本通です。ツイッターで22万人超のフォロワー数を誇る人呼んで“バズる外交官”です。 ところが、その大使が投稿した電車の優先席をめぐるツイートには、多くの批判の声が寄せられました。 「優先席だぞ、そこ」 「優先席とは必要とする人が来たときに、すぐ座れるように空けておくべき席だと思っていました」 この他にも様々なコメントが飛び交い、論争状態となりました。 「誰もいなけりゃ座っていいやろ」 「“専用”ではなく“優先”。まだ席が空いてる時点で問題なし」

 これを受けたレジャバ大使は、ツイートで自身の考えを強調しました。 「優先席に座っていることに関して注意を受けました。私が言うのも何ですが、理屈のない不要な圧力は、生きづらい社会につながるためやめましょう。空いている席に座ることに何ら問題はありません。大切なのは、必要とする方が来たときに率先して譲る精神です まさにその通りです。 自身の投稿が波紋を呼ぶ中、あえて自らの考えを発信したレジャバ大使。その真意をこう説明します。 「「座ってはいけない」という明確な決まりはないわけですから、そういった声を気にしすぎると逆に生きづらい社会になってしまうのではと、自分もすごくプレッシャーを感じてですね。ちゃんとこれは、説明しなければいけないと思ってですね、自分なりの意見を述べました。 その上で、多くの人が意見を述べたことに意味があった」と話します。「みなさん普段、心にはあるけれども深く話さなかったりする問題に対して、何か一つ、きっかけ作りができたことは、投稿して良かったと思います。」 

 一連の騒動について、レジャバ大使は番組で「隣が空いていたので、大丈夫だろうと保険はかけたんですけど、ここまで反響があるとは思いませんでした」と驚きを口にしました。「(意見の)95%以上はそうだよね、空いてるんだったら座ってもいいよね」と好意的な意見が多かったとも語ります。「みんなが思っていることだったんじゃないかな?と思ったのと、やっぱりそう思わない方にも耳を傾けなきゃいけないなと思っていて」と、大人の見解を示しました。 

 電車やバスには「優先席」というものが設けられていますね。私は米子に通うために、朝一番の市営バスに乗って松江駅まで行きます。私が乗り込むバス停ではすでに満員で、多くの人が立っています。お年寄りの方も立っておられます。優先席には、全て附属小学校の子どもたちが陣取りはしゃいでいます。確か「優先席」というのは、お年寄りや妊婦さんや障がいを持った人たちのために設けられた席だと思っていました。お年寄りが立っていようが、知らん顔です。私も今日は杖をついて立っていましたが、子どもたちは全く意に介しません。ただ一度だけ、大雪の日に、股関節の手術後杖をついてバスに乗り込んだところ、親切な運転手さんが「席を空けてあげてください」「誘導してあげてください」とアナウンスされました。自分のこととは思わない私がつり革につかまって立っていると、後ろから肩を叩かれ、「あなたのことですよ」と席を空けてもらい丁寧に誘導してもらい座らせてもらいました。これは術後で足の痛む身には有り難かった。この間も、例の附属小学校の子どもたちは知らん顔で優先席ではしゃいでいます。小学校も保護者も、優先席は子どものための席という教育をやっておられるんでしょう。私の尊敬する名文筆家の故・外山滋比古先生がこんなことを言っておられました。なるほど鋭い。

 僕は日本人の他者への労わりを壊したのは、電車の優先席だと思っているんです。あれができてから、人々の普通の席を他人に譲るという感覚が薄れていきましたよ。暗に「年寄りは優先席の方へいってくれ」という人たちが増えたようにも感じます。優先席のせいで、我々の道徳観は多少低下したんじゃないですかね。僕たちは戦争を知っている世代だから、年上に対して礼儀が厳しかった時代を良く知っています。その後、敗戦を境に大人や年上の権威が崩れ去るのも見た。

 「勉強」を教える前に、「人間」を教える必要がありそうです。♥♥♥

カテゴリー: 日々の日記 パーマリンク

コメントを残す