「ワコール」

▲京都・ワコール PHPのお隣です

 値上げラッシュで、最近多くの商品の値段が次々と値上げされていきますね。お金に全く無頓着な私でも、スーパーのレジで支払うお金が最近増えたなあ~という実感があります。これに電気代も先月から大幅な値上げとなりました。レストランのメニュー料金も以前よりずいぶん高くなっています。新聞の代金も値上がりしました。値上げ、値上げの大合唱です。

 女性下着のメーカーにコール」という会社があります。昭和47・48年に、日本中がオイル・ショックに見舞われたとき、同系企業はみな便乗値上げに走りました(コロナ禍の「マスク騒動」のことを思い出してください)。繊維産業だけでなく、日本中の企業が、このときとばかりにこぞって大幅な値上げの大合唱となりました。ところがそんなとき、ワコールだけは、塚本幸一社長の判断で便乗値上げをしませんでした。「今使っている原材料は、安いときに仕入れたもんや。それなら、これまでの値段で売ってもええやないか」もちろん単なる同情論や正義感だけからの行動ではありません。塚本社長にはそれなりの勝算がありました。日本中の企業が便乗値上げに走る中で、ただ一社だけ値上げをしないことによるメリットをちゃんと計算していたのです「わが社は便乗値上げを致しません。なぜなら、原材料は安いときに仕入れたものですから、値上げしなくても適正利潤は上がっているからです。これが、他社と違うわがワコールの企業姿勢です」―PR戦略でこう打ち出した結果、世間の人気、消費者の目は確実に「ワコール」という商品ブランドに吸い寄せられていきました。むしろマスコミは、便乗値上げを拒否した勇気ある企業―ということで、テレビ・新聞・雑誌がいっせいにニュースとして取り上げてくれました。ニュース報道ですから、経費は一切かかりません。労せずしてワコールの大宣伝をしてくれたのです。企業の信用と知名度のアップ、塚本社長は、目先の小利を捨てて大利を得ました。オイルショック後も、ワコール製品の売り上げは落ちず、むしろ新しい客層の開拓に成功しました。そして現在の繁栄があります。塚本社長は、人の行かない裏道を行って成功したのですね。まさに「人のいく裏に 道あり 花の山」です。

 そのワコールが、40億円の創業以来初めての赤字に苦しんでいます。買収したアメリカの子会社、コロナ禍の消費意欲低迷が原因とか。昨年11月に発表した早期退職の募集(250人程度)には、155人が応募したとのことです。頑張れ!「ワコール」♥♥♥

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