「議長」という意味の英単語chairman。最近は、もっぱらchairperson が使われます。職業名に「~man」という単語が幾つもありますが、これらが改正されて、男女の区別をしない語になっているのです。英語は、性差別と見られる可能性のある言葉や表現を使わない(politically correct)というのが鉄則です。ここら辺の事情を、各種英和辞典は次のように解説しています。
●語法 本来は男女を兼ねるがchairwomanと共に問題視されchairpersonという語ができた。(『ライトハウス英和』)
●chairmanは性別にかかわらず用いられるが、1970年代に言語上の性差別をなくすという目的でchairpersonという語が生まれた。「女性の議長」はchairwomanとすることもある。(『アクシスジーニアス英和』)
●性差別を避けるため1971年に造語;国連で1975年に正式採用;のちに女性だけに用いられる傾向になったため、現在ではchairが好まれる。(『ウィズダム英和』)
●chairmanやchairwomanに比べ使用頻度は低い。性差のない表現としてはthe chairが好まれる。(『スーパーアンカー英和』)
●chairmanは男性にも女性にも用いられるが、近年では性差のないchairpersonやchairが好まれる傾向にある。(『スーパーアンカー和英』)
代表する英英辞典では、次のように出ています。
Many people use chairperson or chair instead, to avoid suggesting that this person must be a man [LDOCE]
しかし、私が調べたところによれば、chairpersonが名前と共に使われた時には、男性よりも女性の方が多いという実態があるようです:Barbara Smith, Chairperson cf. George Jones, Chairman 確かに、chairという語もありますが、ここに挙げた中では、一番頻度は落ちます。
呼びかけに関しては、次のような記述が英和辞典に見られます。
●呼びかけとしては、男性にはMr. Chairman、女性にはMadam Chairwomanを用いる;性差のない表現としてはthe chairが好まれるが呼びかけには用いない。(『スーパーアンカー英和』)
●呼びかけは男性の場合Mr Chairman、女性はMadame Chairman;《男女共用》chair, chairperson(『ウィズダム英和』)
●ただし、呼びかけにはMr. Chairman(男性)、Madam(e) Chairman(女性)を用いることが多い。(『スーパーアンカー和英』)
●呼びかける時、男性にはMr. Chairman; 女性にはMadam Chairwoman, Madam chair, 《英かたい》Madam Chairman; 男女共用ではChair, Chairperson (『アクシスジーニアス英和』)
ところが、私たち『ライトハウス英和辞典』の編集顧問であるRobert Ilson博士(ロンドン大学)によれば、「呼びかけ語」としての各語の判断は次の通りで、揺れていました。英語は本当に一筋縄ではいかないことが分かりますね。♥♥♥
May I have the floor, ??chair ?
*chairperson
chairman
??chairwoman
Mr. Chairman
Madam Chairman
??Mr. Chairperson
??Madam Chairperson
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