「あべのハルカス」抜かれる

 「あべのハルカス」は、大阪市・阿倍野区にそびえ立っている超高層ビルです。2010年(平成22年)1月9日に着工され、2014年(平成26年)3月7日に全面開業しました。日本で最も高いビルで、日本初のスーパートール(高層ビル・都市居住協議会の基準による300m以上の超高層建築物)でもあります。2017年には、グッドデザイン賞」を受賞しています。もともとは、近畿日本鉄道の前身である大阪鉄道が大阪阿部野橋駅構内で、1937年(昭和12年)から営業を行ってきた阿部野橋ターミナルビル旧本館(百貨店西館。久野節による設計)の建替計画により建築された建物で、建築規模は高さ300m、延床面積21万2,000㎡、地上60階・地下5階。「横浜ランドマークタワー」(高さ296m)の高さを抜き、日本一高いビル」の称号が大阪に移りました。総事業費約1,300億円をかけ、高さ300mの超高層ビルとなりました。私は早速見学に出かけました。

 「あべのハルカス展望台」(1500円)の魅力は、大阪市内だけではなく、京都兵庫、更には四国までも見渡すことができる大パノラマを堪能できる点にあります。この大絶景ですが、単純に展望台として楽しむ以外にも、周囲を絶景に囲まれた空間の中で、食事を楽しめるレストランや、天空庭園などもあり、さまざまな見所が存在します。

▲「あべのハルカス展望台」にて記念撮影してハルカス仕様の台紙を受け取りました

 「あべのハルカス展望台」の最大の見所が、最上階である60階、地上300メートルから眺める天空の絶景ですね。地上300メートルの高さと言われてもなかなか体感しないことには想像がつきませんが、眼下に広がる景色は、大阪の中心的な存在である大阪城などの市街地だけではなく、遠く大阪湾や京都、更には兵庫の六甲山、比叡山、などを見渡すことができます。また、天気が良ければ明石大橋から淡路島を経て四国、瀬戸内海まで見ることができるのです。眼下には大阪の高層マンションがはるか下に広がり、地上300メートルの高さがどれほど高いのかを実感できました。この地上60階は、周囲を強化ガラスの窓で取り囲まれ、一周できる構造になっており、この「天空回廊」といわれる吹き抜けのフロアを一周するだけで、大阪を中心とした周囲の絶景を目の当たりにすることができるのです。ちなみにこの吹き抜けの下には58階の「天空庭園」が一望できます。実に雄大な眺めでしたよ。ここに登るための高速エレベーターも大迫力でした。

 日本の超高層ビルの草分けは、1968年完成の「霞が関ビル」(147メートル)です。その後、トップの座は「京王プラザホテル」(170メートル)→「新宿住友ビル」(211メートル)→「サンシャイン60」(240メートル)→「東京都庁第1本庁舎」(243メートル)→「横浜ランドマークタワー」(296メートル)→「あべのハルカス」(300メートル)へと移っていきました。

 そんな日本で一番高いビルが交代します。東京都港区で森ビルが開発する「麻布台ヒルズ」の高層タワー(地上64階、地下5階)が今年秋11月に開業する運びとなったからです。高さは約330メートルで、300メートルの「あべのハルカス」(大阪市)を抜きます。森ビルによると、タワーを含めた総事業費は5800億円。計画から完成まで30年以上を要しました。地上に多くの緑に囲まれた空間を作り出すべく、土地の有効活用を図った結果、高さ日本一のビルになったといいます。タワーにはオフィスや住宅、医療施設や店舗、インターナショナルスクールなどが入り、ヒルズ全体では就業人口2万人、居住人口3500人の、もはや一つの都市です。「あべのハルカス」は2014年3月の全面開業から9年間にわたって守ってきた「てっぺん」の座を明け渡します。

 ただこの「麻布台ヒルズ」のタワーが1位でいられるのはわずか4年ほどです。東京駅近くに三菱地所が建設する、高さ385メートルの「トーチタワー」が2027年度に完成すると、その座を譲ることになるのです。日本では、200メートルを超えるビルは東京に集中しています。大阪市のほかは、名古屋市に「JRセントラルタワーズ」(245メートル)などが立っています。高さ300メートルと日本一の超高層ビル「あべのハルカス」がいよいよ首位から陥落します。ハルカスを運営する近鉄グループホールディングス(HD)傘下の近鉄不動産は、「高さはいずれ抜かれるもの。抜群の眺望や快適さなどは既に広く知られた」と冷静に受け止めています。♥♥♥

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