次年度の「共通テスト」を占うもの

 いつも私が講演会で強調していることですが、次年度の「共通テスト」の問題を予想できるヒントが2つほどあります。「追試」問題「評価・分析委員会報告書」の2つです。現場教員はこの2つには絶対に目を通しておく必要があります。追試」新傾向問題を出題する際に、前年の追試でリハーサルをしているという今までの実態があります。また報告書」(大学入試センターのHPに公開)を丁寧に読むと、次年度のテストの内容を考える上での指標になり、実に面白いです。実際にちょっと見てみましょうか。

▲2月10日の私の講演会資料より

 昨年度の「問題評価・分析委員会報告書」の中の「問題作成部会」のものを読んでみましょう。よく読むとここに挙げた様に、今年の問題の各所に反映していることが読み取れます。「事実」と「意見」の出題。推論を要する問題。物語文の出題などは自画自賛していましたから間違いなく今年も出るものと予想していました。情報の読み取りに留まることなく、その先にある書き手の意図を深く捉えたり、自分なりの意見や主張を相手に適切に伝えたりする力も評価する、とあるように、書かれている情報からその先にあることを推測するという、今年の特徴的な出題傾向をちゃんと示していたことがわかります。第5問の心温まる英文の出題もちゃんと書いてあります。分量の増加も、後半の記述からも読み取ることができますね。リスニングに関しても、やはりここに記述された通りの出題が見られました。一昨年は同意見の人物の人数を問う問題でしたが、昨年は名前の組み合わせを答える形式に変わっていました。そのことを評価する記述が見られましたから、今年もその方向で出題されると思っていましたが、まさにその通りでした。

 このように「問題評価・分析委員会報告書」は次年度の出題を占うヒントが満載なのです。6月に公表される「報告書」が今から楽しみですね。♥♥♥

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