various

 高校生の多くがvariousという単語を「さまざまな」と暗記します。辞書にも単語集にもそのように載っているので、何の疑問も抱かずにそう記憶している生徒が多いと思います。しかし、ここで私が突っ込んで「「さまざまな」というのはどのくらいの数だと思う?」と聞いてみると、かなり大きな数を想像しているようです。「さまざまな」という日本語の訳語から、実際の英語のvariousよりもたくさんの数を頭に描いているようなのです。variousというのは“several different”(いくつかの異なる)という意味ですから、それほど多い数になるとは思えません(If you say that there are various things, you mean there are several different things of the type mentioned [COBUILD]) 。では今度はseveralを英英辞典で確認してみると、Several is used to refer to an imprecise number of people or things that is not large but is greater than two [COBUILD]とありますから、variousが示唆する数は「たくさん」ではないのです。そしてここで押さえておきたい重要なことは、variousを使うときにはより多様性(variety)があることを示唆しています。several peopleといえば、単純に人数の幅を示すのに対して、various peopleといえば、一定の人数内における各人の特徴の多様性を示唆しているのです。I disagree with you for several/ various reasons.のような文では、どちらの単語を使っても文の意味に大きな違いはありませんが、variousを使った場合には理由により多様性があることを示唆していると言えるでしょう。various は質的なことを言っている単語であって、決して数がたくさんあるわけではありません。「manyよりもseveralに近いvariousと覚えておきましょう」(スティーブ・モリヤマ『イギリス英語は落とし穴だらけ』(研究社、2016年))とあるわけがお分かりいただけるでしょう。「ある程度は似ているが同じような種類のなかでいろいろと違っていることを表し、複数名詞を伴う」(『ライトハウス英和辞典』第7版)♥♥♥

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