成功するまでやる

 「成功のコツはあるんやで」 あの大経営者・松下幸之助(まつしたこうのすけ)さんが、成功のコツを教えてくれると言います。誰もがこれを聞き漏らすまいと、シーンとなりました。松下「成功のコツ。それはな、成功するまでやめんこっちゃ」―一同「なん~んだ…」

 尊敬するパナソニック創業主・松下幸之助さんの、「成功の秘訣は成功するまでやること」という言葉を肝に銘じています。「成功するまでやめない」という硬い決意を抱いて、懸命に成すべきを成していく。真心を持って事に当たれば自ずと道が開けてくるものです。

成功とは成功するまでやり続けることで、失敗とは成功するまでやり続けないことだ。(松下幸之助)

 だいたいにおいては、やはり成功するまでやめないというくらいの志をもってやらないと成るものも成らないということですね。ちょっとやってみて、うまくいかなかったら、簡単に“もうダメだ”というようなことでは、何をやっても成功しないでしょう。やっぱり根気強く続けなければいけない。(松下幸之助)

 当たり前のことのようですが、これほど実践するのが難しく、また、これほど「成功」の本質を突いた言葉は無いように思えます。同様の言葉は、私の愛読する松下本の中に数多く見ることができます。

 「成功するためには、成功するまで続けることである。途中であきらめて、やめてしまえば、それで失敗である。(中略)決してあきらめない。成功するまで続けていく。そうすれば、やがては必ず成功するわけである」/「決してあきらめない。成功するまで続けていく。そうすれば、やがて必ず成功する」/「失敗したところでやめるから失敗になりますのや。成功するまでやり抜いたら、失敗は失敗ではなくなります」/「世に言う失敗の多くは、成功するまでにあきらめてしまうところに原因があるように思われる」/「成功するまで続けたならば失敗というものはない。成功あるのみである」/「必ず成功すると信ずる。成功するまでやめない」/「成功を期する以上は、成功するまでやめない」/「失敗したという中には、本来成功するものでも、その過程でやめてしまっている場合が多いわけですね。それで失敗に終わっている。だから辛抱づよく続けていたら、やがて成功するのだ(後略)」


 同じような意味で、アメリカ合衆国の発明家・トーマス・エジソン (Thomas A. Edison)の言葉に次のようなものがあります。

◎失敗なんかしちゃいない。うまくいかない方法を一万通り見つけただけだ(I have not failed. I’ve just found 10,000 ways that won’t work)
◎人生における失敗者の多くは、諦めた時にどれだけ成功に近づいていたかに気づかなかった人たちである (Many of life’s failures are people who did not realize how close they were to success when they gave up)
◎私は決して失望などしない。なぜなら、どんな失敗も新たな一歩となるからだ(I am not discouraged, because every wrong attempt discarded is another step forward)

 フォード自動車の創業者ヘンリー・フォードは、数々の苦難を乗り越えて大成功を収めた立志伝中の人物です。彼は「失敗は、もっと頭を使ってやり直すチャンスだ」と自分に言い聞かせ、従業員たちにもそう言って励ましていました。失敗したときに留意する心構えを挙げておきましょう。

1.確信  自分は必ず成功すると心から信じる

2.改善  失敗の原因を分析してそれまでの方法を改める

3.忍耐  途中で投げ出したくなってもじっと辛抱する

4.努力  成功するまで粘り強く取り組む

5.勇気  失敗を恐れずに何度でも何度でも挑戦する

 「失敗」は学習を通じて飛躍するための貴重な機会だと信じましょう。

自分を大きく伸ばすには、小さなことを着実に実行するのが肝心だ。成功する人は小を積み重ねて大を成す。失敗する人は、自分にできないことを夢見るばかりで、自分にできることをやらない。小を積まずに大躍進を試み、「ああ、やっぱりダメだった」とあきらめる人を小人と言います。 (二宮尊徳)

 小さなことを疎かにする人には大きなことは絶対にできません。二宮尊徳「積小為大」(せきしょういだい)の思想はそれを言ったものです。小を積んで大を成すほかはないのです。私も若い頃、故・竹林 滋(たけばやししげる)先生(東京外国語大学名誉教授)から『ライトハウス英和辞典』(初版~)語法・類義語欄を全部見るように言われ、毎日コツコツと2ページずつ点検をしていきます。項目によっては何日もかかるものもあります。それを5年間コツコツ続けると、一冊の大きな辞典へと結実しました。

 大きい事をしたいと思えば、小事を怠らずに勤めなければならない。およそ小人の常として、大きい事を望んでも、小事を怠るので、結局大きい事を成し遂げられない。それは小を積んで大となる事を知らないからである。たとえば、百万石の米といっても、米粒が大きいわけではなく、小さな米粒が沢山集まって百万石となるのである。また一万町歩の畑を耕すのも、一鍬ずつ耕していかなければならない。千里の道も一歩ずつ歩いて行き着くのだし、山を造るにも、一もっこの土を重ねて積み上げていくのである。この道理をよくわきまえて、小さい事を勤めていけば、大きい仕事は必ず成就する。小事をいい加減にして怠るものには大事を成し遂げることは決してできない。

 二宮金二郎の近所に、畳職人で源吉という男が住んでいました。弁も立ち、才気もあったのですが、大酒飲みで怠け癖のある男でいつも困窮していました。その男が年末になって二宮金次郎の元へやって来て餅米の借用を頼んできました。金次郎はこの男に対して、次のように、懇々と説教をしたと伝えられています。

 そなたのように年中家業を怠って、働かずにおって、銭さえあれば酒を飲む男が、正月だからといって、一年間勤苦勉励して丹精した者と同様に餅を食おうというのは、心得違いもはなはだしい。正月というものは、不意に来るものではない。米も偶然に得られるものではない。三百六十日明け暮らして来るのだし、米は春に耕し、夏は草を取り、秋に刈って、初めて米となるのだ。そなたは春は耕さず、夏は草を取らず、秋は刈りとらずだ。それで米がないのは当たり前のことではないか。だから正月だからとて餅の食える道理のあるはずはない。今ここで貸しても、どうして返せるのか。借りておいて返す道がなければ罪人になってしまう。正月に餅が食いたいと思えば、今日から遊惰を改め、酒をやめて、山林にいって、落ち葉をかいて、積み肥をこしらえて、来春田を作って米をとって、来々年の正月米を食うべきだ。だから来年の正月は、おのれの過ちを悔いて、餅を食うことをやめるがよい。

 日々の努力を軽んじてはならないのです。小を積みて大と為す。

 わたしの信条の一つに「ビジネスに満塁ホームランはない」という言葉がある。「満塁ホームラン」は野球の言葉であって、ビジネスの言葉ではない。ビジネスはあくまでも一歩前進また一歩前進、尺取り虫のように一歩一歩重ねていって精巧にいたるものであって、ビジネスに成功するには「時間×努力」が巨大なエネルギーとなることを自覚しなければならない。ところが多くの人は、巨大なエネルギーをほしいと思っていながら、それが「時間×努力」であることを知らないまま、一振りで満塁ホームランを狙うから失敗してしまうのだ。わたしは、マクドナルドの社員たちにも事あるごとに口を酸っぱくしていっている。「満塁ホームランを狙うな、一歩一歩でいい。努力と時間をかければ巨大なエネルギーになるのだ」と。(藤田 田)

 あの経営の神様、故・松下幸之助さんもまた「積小為大」の提唱者でした。厚さ1ミリしかない紙でも、毎日1枚ずつ積み重ねていけば、30日で3センチになります。1年で36.5センチ、10年で3メートル以上になります。そしてずっと止めることなくコツコツと続けていけば、やがては富士山の高さを超えてしまうことでしょう。多くの人は、途中でそういう自分が信じられなくなってやめてしまいます。あと少し、もうちょっとだけ積み上げれば成功というところまで来ているのに、その手前でやめてしまうのです。もったいないことです。0.01の努力を惜しまずに頑張りましょう(⇒「1.01と0.99」の私の解説はコチラです)松下さんが成功する秘訣を聞かれて、「成功するまでやり続けること」と答えたのはこういうことなんですね。♥♥♥

 成功する人と、そうでない人の差は紙一重だ。成功しない人は、必ずしも責任感がないわけではない。違いは、粘り強さと忍耐力だ。失敗する人は、壁に行き当たったときに、体裁のいい口実を見つけて努力をやめてしまう。 (稲盛和夫)

▲月刊『致知』の稲盛和夫特集号は勉強になった

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