「報徳思想」

 あの二宮尊徳(にのみやそんとく)の有名な言葉に「積小為大」(せきしょういだい)というものがあります。小さな良い習慣をコツコツと続けていくことがより大きなよい仕事に繋がることから、日々の正しい行いを真面目に行うことの大切さを示しています。このような尊徳の教えを「報徳思想」と呼び、戦前の学校では「教育勅語」と共に、日本人の「道徳教育」の基本として生徒たちに教え込まれました。現在もこの「報徳思想」を建学の精神に据えている高校が全国に二つあります。岩手県花巻市の花巻東高等学校と、兵庫県西宮市の報徳学園中学校・高等学校です。

 本校の教育方針の基本は、建学の精神である「感謝・報恩・奉仕・勤勉・進取」を生かした心豊かな情操を持ち、礼儀を重んじる品格ある人材の育成にある。  (花巻東高校HP)

 花巻東高校はあのメジャーリーグ・ドジャースの大谷翔平(おおたにしょうへい)選手の母校です。誰からも愛される彼は、野球選手としての輝かしい実績だけでなく、人間的にも模範となる人物です。最近では日本中の全小学校(!)に3個ずつグローブを寄贈したり、能登半島地震被災地への素早い義援金を寄贈したり、心臓疾患と闘っている野球少年を始球式に招待するなど、これまでのアスリートにはなかった社会貢献活動にも力を注いでいます。その大谷選手が、花巻東高校の一年生の時に取り組んだ目標シートの「マンダラチャート」が公開されています。将来の目標を達成するために、彼が9×9=81マスに書き込んだ羅針盤を見ると、今の活躍の原点を見ることができます。中でも人並み外れた点を感じさせるのが、「運」についていろいろと考えていることです。まだあどけない高校一年生がすでにこんなことを考えて野球をやっていたのですね。そこには「幸運」をたぐり寄せるべく、「人間性」「運」に関して、「あいさつ」「ゴミ拾い」「部屋そうじ」「審判さんへの態度」「本を読む」「応援される人間になる」「道具を大切に使う」「プラス思考」「仲間を思いやる心」「感謝」「計画性」「信頼される人間」「礼儀」「雰囲気に流されない」「波を作らない」「愛される人間」「信頼される人間」「頭は冷静に心は熱く」「はっきりとした目標、目的をもつ」「一喜一憂しない」「思いやり」などの言葉が並んでいます。野球競技だけでなく、日頃の行いを大切にして、身の回りの細かいことにまで目を光らせていることに彼の非凡さを感じました。彼の心構えには明らかに「報徳思想」が感じられます。

 大谷選手が球場で行うゴミ拾い、球審に対する丁寧な挨拶、同僚のチームメイトだけでなく相手チームの選手にも親しく接する態度、ファンの人たち、特に子どもたちへの心打たれるファンサービス、会見場でのマスコミ各社へのフランクな応接、どれをとっても彼の素晴らしい人間性を感じる行為です。「心構え」を磨くために、行動と考えに基づいた習慣を昔から大切にしてきたことが分かります。ただあまりにも人がよく、人を信頼するあまりに、専属通訳に24億円も盗み取られることにはなりましたが。

 現在、打率3割5分3厘、本塁打13、安打66,OPS1.081、長打率6割5分8厘、長打30、塁打123などで、ナ・リーグトップを走り続けています。「5月17日」が、ロサンジェルス市議会の決議で「ショウヘイオオタニデー」に決まりました。また、伊藤園が展開する世界ナンバーワンの無糖緑茶ブランドの「お~いお茶グローバルアンバサダー」に就任しました。日本の「お茶文化」を世界に発信し、お茶を通じて地球の未来に貢献する意気込みです。

 『「原因」と「結果」の法則』で知られるジェームズ・アレンという人がこんなことを言っています。素晴らしい人生を送りたいと願うのなら、あたかも庭を耕すように、心の中にもたげる「悪しき思い」という雑草をとりのぞき、「善き思い」という種を蒔き、それを大切に育み続けることが大切だ、と言うのです。♥♥♥

 人間の心は庭のようなものです。それは知的に耕されることもあれば、野放しにされることもありますが、そこからは、どちらの場合にも必ず何かが生えてきます。もしあなたが自分の庭に、美しい草花の種を蒔かなかったら、そこにはやがて雑草の種が無数に舞い落ち、雑草のみが生い茂ることになります。すぐれた園芸家は、庭を耕し、雑草を取り除き、美しい草花の種を蒔き、それを育みつづけます。

 私たちも、もしすばらしい人生を生きたいのなら、自分の心の庭を掘り起こし、そこから不純な誤った思いを一掃し、そのあとに清らかな正しい思いを植えつけ、それを育みつづけなくてはなりません。

カテゴリー: 日々の日記 パーマリンク

コメントを残す