数字の表記

 毎年「読解」の授業で、2004年度の北海道大学の入試問題の英文を取り上げています。その中に次のような英文が出てきます。注意していないと何気なく読み飛ばしてしまいそうなところです。

Ten or 15 years ago, when the use of animals in medical testing was first brought to my attention, I decided to visit the labs myself.  (10年か15年、医療実験に動物が用いられることに初めて関心を持ち、実験室を自ら訪れることにした。)

Ten or 15 years ago animal-rights activists resorted to violence against humans in their efforts to break through the public terrible indifference and lack of imagination on the issue. (10年から15年前に、動物の権利を求める活動家たちが、この問題に関する一般大衆のひどい無関心と想像力の欠如を打開しようと、人間への暴力に訴えたことがあった。)

 ここで、私が教えている勝田ケ丘志学館の第一期生で、京都大学に進学した生徒が、こんな質問をしました。「なんで英単語(Ten)と数字(15)がごちゃまぜになっているのですか?」彼らのほとんどが難関大学(医学部を含む)に合格していった優秀な集団でしたが、誰一人答えることができませんでした。その後も注意して観察していますが、この部分を疑問に思う生徒が全くいなくなってきたようです。彼は自分なりに参考書やネットで調べて、次の授業で発表してくれたことが懐かしく思い出されます。数字を英単語で綴るのか、それとも算用数字で書くのか?というポイントです。

 確かに英語で数をどのように表現するかについては、高校時代、授業であまり習った記憶がないのでしょう。しかし英語には明確なルールが存在しています。英語では基本的に数字が使用される場面や数字の大きさによって、算用数字表記(1,10,100……)と英単語表記(one, two, three……)を使い分ける必要があります。表記の統一を図るためのThe Chicago Manual of Style などのスタイル・ガイドによれば、1桁の数字は英単語で、2桁以上は算用数字で書くのが一般的です。大きな数字の場合には、英単語で書くよりも視覚的に認識しやすいため、10以上は算用数字で表記するというのがルールなのです。しかし注意すべき例外としては、例えば「8人の男性と20人の女性」のような同じ文中に1桁と2桁の数字が混ざっている場合には、eight males and 20 femalesではなく、8 males and 20 femalesというように数字で揃えて書くことが推奨されます。また、「参加者のうち15人は13歳~19歳(teenagers)でした」のような文脈で、文頭に数字が来てしまう場合には、15 of the participants were teenagers.ではなく、Fifteen of the participants were teenagers.と文頭の15を英単語で表記することになっています。このようなことを頭に入れておくと、上記の英文で“Ten or 15 years ago”となっている理由がお分かりになることと思います。♥♥♥

【算用数字表記をする場合】  ・10より大きな数字  ・単位の前に来る数字  ・統計学や数学的な場面で使用される数字   ・パーセントや比率を表す数字   ・時間・日付・年齢・点数・金額を表す数字

【英単語表記をする場合】  ・10以下の数字  ・文章・タイトルなどの始めに来る数字  ・おおよその量を表す数字

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