グリーン車の由来

 昨日10月14日は、「鉄道の日」でした。ルーツは、1872年(明治5年)10月14日に遡ります。 この日、日本初の鉄道が「新橋駅(現在の汐留付近)」「横浜駅(現在の桜木町駅)」の間に開業しました。わずか全長29kmという短い路線でしたが、日本の近代化の象徴として非常に大きな意味を持っていました。「鉄道の日」の目的は、鉄道の歴史を振り返ると同時に、現代社会における役割や未来の可能性を考えることにあります。

  • 鉄道の発展に貢献した先人たちを顕彰する
  • 鉄道の安全・利便性を再認識する
  • 次世代に鉄道の魅力を伝える
  • 観光・地域振興・環境保護における鉄道の価値を広める

このように、「鉄道の日」は「過去と未来をつなぐ」記念日と言えるでしょう。さて今日はそんな鉄道の「グリーン車」について考えてみましょう。

 新幹線や在来線の特急列車のほか、一部の普通列車に連結されているJRの「グリーン車」は、別途「グリーン料金」が必要になる特別車両です。普通車と比べて1席あたりの専有面積がゆったりと広かったり、背もたれを深くリクライニングできたり、普通列車ではこの車両にだけ車内販売が行われたりと、ワンランク上の設備とサービスが提供されています。私はどこへ観光旅行に行くにもこの「グリーン車」を利用しています。ゆったりとした快適な旅を楽しみたいからです。飛行機のクラスと同様に、良い座席は料金がかかる分、設備もサービスも上質で、ゆったり乗車できることから、ラッシュアワーの混雑を避けたい時や、長距離旅行、ハイクラスの人々の移動などに長く愛されてきました。「グリーン車」は、そもそもどのように生まれたのでしょうか?また、なぜ「グリーン車」と呼ばれるのでしょうか?

 その由来には諸説あるものの、有力なのは、かつての一等車の車体側面に引かれていた淡い緑色(若草色)の帯にちなむというものです。国鉄は、車両に一等車、二等車、三等車の「3等級制」を設けていましたが、1960年(昭和35年)に一等車、二等車の「2等級制」に、1969年(昭和44年)5月にこれを廃止し、運賃と特急・急行料金の単一化が図られ、「グリーン車」と「普通車」に区分し直したのです。ただ、「一等車」の概念が時代により異なる点は注意が必要です。1960(昭和35)年代以前の国鉄の列車は3等級制でしたが、もともと一等車は、展望デッキ付きの車両など限られた人に向けた豪華車両であり、当時は実質的に連結されていませんでした。そこで、それまでの三等車を二等車に、二等車を一等車にする形で2等級制に改めました。したがって現在の「グリーン車」は、3等級制時代の二等車に相当すると言えます。

 由来は他にも、急行列車の「特別二等車」において指定席と自由席を区別するために、1958(昭和33)年から指定席のヘッドレストに淡い青緑色のカバーが被せられたから、という説も存在します。また、「東海道新幹線50周年」を記念したJR東海の特設ウェブサイトには、一等車のきっぷが緑色だったから、という説も紹介されていました。

 かつて国鉄では、車両の等級によって運賃そのものも異なっていました。「グリーン車」の導入時、運賃もあわせて改定され、車両のグレードを問わず一律運賃となり、「グリーン車」の利用には別途「グリーン料金」を徴収する現行の形になったものです。

 「グリーン車」のドア付近に付けられたグリーンの四つ葉のクローバーのマークの由来は、黄緑色の四つ葉のクローバーが「幸運の印」とされていることから、利用する人に幸せが訪れますようにという関係者一同の願いが表現されたもの、と言われています。なんだかほっこりしますね。数々の国鉄特急のヘッドマークデザインを担当した黒岩保美(くろいわやすよし)さんによるものだそうです。クローバーマークは「グリーン車」導入時に制定され、1978年(昭和53年)までの9年間は窓下のグリーンのラインクローバーマークが併存していたそうですよ。

 現在では、JR九州の在来線特急における「DXグリーン」や、東北・北海道・北陸新幹線「グランクラス」など、「グリーン車」よりもさらに上質の設備やサービスを提供する列車も登場していますね。また首都圏では、東海道本線宇都宮線(東北本線)をはじめ、一部のいわゆる通勤列車にも「グリーン車」(⇒詳しい私の紹介記事はコチラ)が連結されています。

▲九州新幹線「みずほ」グリーン車

▲新幹線「N700S」グリーン車

▲「特急ソニック」グリーン車

 このようなグリーン車の起源が、2016年度の福岡工業大学の入試で、英語の長文問題として出題されています。次のような英文でした。どこで何が出るか分からないものですね。いろいろなことに興味を持っておくことが大切です。♥♥♥

  In Japan, some trains have special cars called “Green Cars” that are fancier and have larger, more comfortable seats. Basically, they are the same as first-class cars in other countries. The fare in these cars is higher, so you need to buy a supplemental ticket if you want to ride in them. Japanese trains used to have three classes of cars, but the system was changed in 1960 to a two-class system. Then, in 1969, the name for first class was changed to Green Car. This name was chosen because first-class cars used to have a green stripe on the side under the windows, so passengers already associated the color green with first class. Today, the stripes are gone and cars are marked with a large, green four-leaf clover.

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