「共通テスト」雑感

 私は1月14日付けのブログで「今年の「共通テスト」は?」と題して、本番予想を述べています。ぜひこの文章と今年出題された問題を対照して読み比べてみてください(⇒コチラです)。これは昨年の「追試験」の問題とともに、「大学入学共通テスト問題評価・分析委員会報告書」における3種類の報告書(1)「高等学校教科担当教員の意見・評価」(2)「教育研究団体の意見・評価」 (3)「問題作成部会の見解」の二つを基にして予想したものでした。そしてそれらが全部的中しています。このことからも、この二つの資料が次年度を予想する上で、いかに役立つものであるかが証明されたことになります。今年だけでなく、「センター試験」時代から今までずっとそうですから、やはり現場の教員はしっかりと読み込んでおく必要があるでしょう。

 私は試験当日に送られてきた問題をすぐに解いて、夜の10時過ぎに私のコメントを担当編集者に送っています。リーディングは、「大学入学共通テスト」初期の頃は問題量(語数)が多すぎて多くの受験生が最後までいかないという大きな悩みがありました。昨年大幅に語数が減らされてこの問題がやや改善されましたが、今年もさらにこの傾向は続き、英文自体も読みやすくとても解きやすい問題でした。《間違いなく易化》と書き送っています。大学入試センターの中間集計では64.80点(昨年は57.69点)でした。

 私は生徒たちに試験会場で問題が配られたら、まずパラパラと問題用紙を最初から最後まで目を通すように言っています。日頃演習して慣れている形と問題傾向に違いはないかどうかをまず確認してから、第1問に取りかかるようにアドバイスしています。何も考えずにすぐに問題に取りかかったら、新傾向の問題が突如として出てきた時には動揺しますから、あらかじめそのような問題がないかどうかを確かめてから問題に取りかかるのです。今年のリーディングの場合は、昨年とほぼ同じで全く新たな問題形式は登場しませんでした。英文自体も読みやすく、落ち着いて進めることができたと思います。ただ、第4問(昨年からの新形式)の問2だけは、昨年出題され、一年間全ての模擬試験で練習してきた「つなぎ語」(discourse marker)の問題ではなく、与えられた英文を挿入する適切な場所を問う新しい傾向の問題に変更されました。この問題はいつも生徒たちに強調してきた英文の基本構造「抽象⇒具体」の原則に立ち返ることで、簡単に解くことができました。昨年はHowever,の逆接の「つなぎ語」を埋める問題でしたが、この形は問題作成自体に限界があります。逆接・具体例・因果関係くらいしか発展性がありませんから、傾向変更になったのだと感じています。この英文挿入の形式であれば、いくらでも問題を作ることが可能です。しかも昨年度の追試」でも「つなぎ語」は出題されていませんでしたから、当然の変更だったかもしれません。ここでもやはり「追試」の問題をしっかりと見ておくことの重要性が分かるでしょう。

 問題はリスニングです。私が当日解いた感想は滅茶苦茶難しいと感じました。私は今年のリスニングは難しくなると予想していました。予想通り「昨年よりもはるかに難しい」と書き送りました。ところが予備校(進研・駿台・河合塾・東進)やネット上の速報では「昨年並み」という評価があふれていました。私が調べたところで「難化」としていたのは代々木ゼミナールだけでした。しかし翌日になるといずれの予備校も「難化」に書き換えられていました。毎年このようにデマが飛び交うのが通例です。あの問題を実際に自分で解いて、「昨年並み」などという評価ができる関係者の頭を疑います。実際に受験生にできない問題をチェックしていけば、平均点が落ちることは自明でした。大学入試センターの中間集計では56.42点(昨年は61.31点)。今一度確認しておきたいと思います。「経験は最良の教師である。ただし授業料は高い」(トーマス・カーライル)/「賢者は歴史に学ぶ」(ビスマルク)♥♥♥

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