日本の有名デパートで、私の大好きなイギリスのブランド「バーバリー」の商品が手に入らなくなってからもう長くなります。私とバーバリーとの出会いは、もうずいぶん前に(9・11同時多発テロの時期)イギリスにいた時にさかのぼります。ブランド物などに全く興味のなかった私ですが、20人ほどの小・中・高の先生方と一緒に、通訳としてイギリスに行ったんです。自由時間にロンドンの町で買い物をしようということになり、女性陣はブランド・ショップ街(グッチ、シャネル、等)に消えてなかなか帰ってきません。なんでも税金がかからないので、日本よりずいぶん安いんだそうで、まとめ買いをしておられたんですね。いつまでたっても待ちぼうけなので、仕方なしに時間つぶしに偶然入ったお店がバーバリーだったんです。そこで見つけたちょっと素敵なセカンドバッグ(今でも大事に使っています)と、姪におみやげでマフラーを買ったのが初めてでした。日本に帰って、その同じバッグが2倍以上の値段がついているのを、岡山の天満屋で見つけ、ぼったくりじゃないかと思ったことがありました(関税や送料でこんなことになるんですね)。以来、品質の高さに惚れ込んで、ネクタイやバンドや財布やマフラーなど、小物はすべてバーバリーと決めて買ってきました。年数が経っても傷まないんですね。やはりいいものはいいですね。一流品はこんなところが違います。目に見えないところまで手が行き届いているんです。
「House of Burberry」とは、1856年に英国で創業した歴史あるラグジュアリーブランドです。社名に用いられるHouseは、ブランドを格式高くする目的で好まれます。Burberry(バーバリー)のブランドの伝統・デザイン哲学・歴史を表す言葉です。王室や軍隊、探検家との関わりを通じて発展してきた、英国を代表するファッションハウスの一つです。「農民が着用していた上着の揮発性」に着目した一人の青年トーマス・バーバリー(Thomas Burberry)の工夫から始まり、極限状態に耐える機能性と洗練されたデザインで世界中に広まりました。
主な歴史を時系列で見てみましょう。
◎1856年:創業・・・21歳だった創業者 Thomas Burberry がイングランド・ハンプシャー州ベイジングストークで小さな洋服店を開業しました。当初から「悪天候から人々を守る実用的な衣服」を理念としていました。
◎1879年:ギャバジンの発明・・・トーマス・バーバリーは、防水性と通気性と耐久性を兼ね備えた革新的な生地「ギャバジン(Gabardine)」を発明し、1888年に特許を取得しました。それまでの防水衣料はゴム引きで重く蒸れやすいものが一般的でしたが、ギャバジンは軽量で快適だったため、アウトドアや軍用衣料として広く採用されました。現在でもバーバリーのトレンチコートに使用される代表的な素材です。
◎1891年:ロンドン進出・・・ロンドン・ヘイマーケットに初の店舗をオープンし、ブランドは英国全土へと拡大していきました。後に約1世紀にわたりフラッグシップとなる店舗へと発展しました。
◎1901年:「馬上の騎士」ロゴ・・・現在でもブランドの象徴として知られる「Equestrian Knight(馬上の騎士)」のデザインが公募で誕生しました。騎士が掲げる旗にはラテン語の “Prorsum”(前進)という言葉が記されています。
◎第一次世界大戦(1914~1918年):トレンチコート誕生・・・英国陸軍の要請を受け、将校向けに開発されたのがトレンチコートです。特徴的なディテールにはそれぞれ実用的な意味があります。
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エポレット(階級章)・・・肩につける飾り布で階級や役職を示す。
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Dリング(装備品を吊るす)
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ストームフラップ・・・雨風の侵入を防ぐためにファスナーや肩・背中部分などの上に重ねて付けられた当て布の覆い布。
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ガンフラップ・・・銃を撃つ時の衝撃を防ぐために右肩から胸にかけて付けられた布。
戦争中には50万着以上が軍に供給されました。戦後は民間にも広まり、今日ではファッションアイコンとなっています。またシャクルトン、アムンセンなどが南極探検でギャバジンが愛用されました。
◎1919年:王室御用達・・・George V より王室御用達(Royal Warrant)を授与されました。その後も英国王室との関係は続き、バーバリーは英国を代表するブランドとしての地位を確立しました。
◎1920年代:バーバリーチェック誕生・・・現在ではブランドの代名詞となっている「Burberry Check(ハウスチェック)」は、もともとトレンチコートの裏地として採用されました。ベージュ地に黒・白・赤のラインを配した幾何学模様のデザインは、世界で最も認知度の高いチェック柄の一つとなっています。
◎戦後~1960年代・・・第二次世界大戦中も英国軍へ制服やコートを供給しました。1960年代には英国から輸出されるコートの約20%がバーバリー製だったとされ、ブランドは国際的な成功を収めました。1967年にはチェック柄をバッグや傘などのアクセサリーにも展開し、ファッションブランドとしての存在感をさらに高めました。
◎現代のバーバリー・・・1999年にはブランド表記を従来の “Burberry’s” から現在の “Burberry” に変更しました。その後、クリエイティブディレクターたちがブランドを再構築し、伝統と現代性を融合させたコレクションを展開しています。近年は創業以来の強みであるトレンチコートやアウターウェアを軸に、英国らしいクラフトマンシップと革新性を打ち出しています。
《House of Burberryを象徴する3つの要素》
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トレンチコート:軍用由来の機能美を備えたブランドの象徴。
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ギャバジン:バーバリーが発明した、防水性と通気性を兼ね備える革新的な素材。
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バーバリーチェック:1920年代に裏地として生まれ、現在は世界的なアイコンとなったチェック柄。



