Kids Kards

  Richard Pinner「Kids Kards」という作品が気に入ってよく演じていました。マジシャンは彼が以前にマジックを見せた子供たちからもらった宝物を取り出します。それはなんと、幼い子供たちが描いた手書きのトランプです。しかし、それはあいにくマジックをするには適しません。そこでマジシャンがおまじないをかけると、手書きのトランプが、ちゃんと印刷された普通のトランプに変わってしまうのです。こんどはそのトランプを使って読心術を行います。最後に大切な宝物のトランプが元通りの手書きのカードに戻り、このマジックが終わります。

 現象: さて、その子供たちに描いてもらったデックを広げて、裏、表をよ~く示します。子ども心あふれる、非常に独創的なデザインです(上写真)。どこかほのぼのとした(ぐちゃぐちゃ?)絵が一枚一枚に描かれていますね。その中から1枚のカードを選 んでもらい、そのカードを手に取ります。しっかりと覚えてもらいます。そしておまじないをかけると、・・・あら不思議!手描きだった子供のカードが、裏も表も普通のデザインのカードに変化してしまっているではありませんんか。ノーマル・デザインの演じるのに適したカードに変化してしまいます。更に、そのカードだけではなく、デックをパラパラはじいてやると、手描きだったデックが全部普通のデックへと変化してしまいます。他のカードも、全てノーマルデザインに変わってしまいますが、指を鳴らすとまた、元の手描きのキッズ・カードに戻ってしまいます。裏表ともにカスタム・プリントを施し、口上と共に演じるのに最適な、大変チャーミングなカードです。  さらには第2段として、このデックを使って「読心術」を演じることもできます。このデザインの中には、不思議なカード当てが行えるよう、ある巧妙な仕掛けがプラスされているんです。デックの中から、1枚カードを覚えてもらいます。観客に頭の中でそのカードに集中して念じてもらうと、見事ズバリそれを当てることができるんです。子供向けのカードだからといって侮ることはできませんよ。当時は2,000円くらいで手に入れたと思います。このデック、スグレモノです。

 そのリチャード・ピナー(Richard Pinner)「キッズカード」(Kids Kards)は、Magic Circleの1999年「トリック・オブ・ザ・イヤー」に輝きました。心温まる演技は、今でも多くのマジシャンに愛され続けています。

 このトリック・デックがこのたび発売25周年を記念して、赤裏の新デザインになって発売されました。昔、このデックの初版をアメリカから手に入れた時に、「あれ~、スペルはKids Cardsじゃないのかな?」と疑問に思ったのを覚えています。マジシャンは、一組のデックを取り出し、以前ショーを見せてあげた子供たちが、お礼の印だと言って手描きのカード・デックを贈ってくれたのです、と説明します。とても可愛いらしいのですが、そこはしょせん子供が描いたものですから、残念ながら、イマイチパフォーマンスには不向きなのです。子どもがスペルミスしたという意味合いも込めて、タイトルは「Kids Kards」となっているわけですね〔笑〕。 

 手描きのトランプを子供たちからプレゼントされたと説明しながらデックを取り出します。一見、カードマジックが披露できないように見えます。しかし、マジックを使って通常のカードに戻せば問題ありません。観客の目の前でレギュラーデックに変化させて見せます。観客に1枚のカードを選んでもらい、心を読んで見事にいい当てます。せっかく頂いたカードなので元の手描きの状態に戻してみせます。今後も子供たちから頂いたプレゼントを大事にすると説明しながら演技を締めくくります。初心者からでも演じられる素晴らしいカードマジックです。これが「キッズカード」(Kids Kards)です!昨夜たまたまテレビをつけていてマツコ「月曜から夜更かし」で、マジシャンGOがこれと全く同じものを演じていました。安易だなー。♠♣♥♦

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