人生はビスケットの缶

人生はビスケットの缶だと思えばいいのよ」 僕は何度か頭を振ってから
緑の顔を
見た。
「たぶん僕の頭がわるいせいだと思うけれど、ときどき君が何を言っている
のかよく
理解できないことがある」
「ビスケットの缶にいろんなビスケットがつまってて、好きなのとあまり好
きじゃ
ないのがあるでしょ?それで先に好きなのどんどん食べちゃうと、あ
とあまり好き
じゃないのばっかり残るわよね。私、辛いことがあるといつも
そう思うのよ。今こ
れをやっとくとあとになって楽になるって。人生はビス
ケットの缶なんだって」

「まあひとつの哲学ではあるな」
「でもそれ本当よ。私、経験的にそれを学んだもの」と緑は言った。

 これは、村上春樹さんの小説『ノルウェイの森』にある、有名なビスケットの缶の下りです。 『人生は、ビスケットの缶だと思えばいい』なるほど、名言です。ビスケットの缶の中には、いろんな種類のビスケットが詰まっていますね。例えば、①美味しそうなビスケット、 ②あまり美味しくなさそうなビスケット、③好きではない味のビスケット、 ④見た目が嫌いなビスケット等々。でも、私たちの人生、仕事においては、全てのビスケットを、口に運ばなければいけません。

 もし、美味しそうなビスケットだけを食べてしまったら、どうなるでしょうか?後に残るのは、嫌いなビスケットばかりです。逆に、先に美味しくないビスケットを食べたとしたら、後で、美味しいビスケットだけを楽しむことができます。これを人生に置き換えると、仮に今は苦しい人生でも、これからは明るい人生ということです。一方で、今絶好調の人生ならば、これからは、注意をしなければならないということです。若い時代にうまくいく人たちは、美味しいビスケットを先に食べているだけなのです。もしかすると「残りは美味しくないビスケットばかり」ということもありうるでしょう。美味しくないビスケットが待ち構えているかもしれないからです。「今は辛いかもしれないが、きっと明日は良いことがあるよ」「明けない夜はない」「いつか朝が来る」という言葉を思い起こしましょう。そんなことを私たちに教えてくれる一節です。

 ここで大切なことは、ビスケットの缶の中では、美味しいものとそれ以外のものの割合は定められていないということです。しかし、入っている量は、みな同じなんです。その中身の状況を決めるのは、誰が決めるのかというと、それは、自分自身なんです。「食べたくないビスケットを食べ続ける。それが生きるということ」成功を手に入れていた人たちはみな、大変な苦労も同時に味わっていました。苦難があったから成功があったということです。苦難も味わわずに、成功だけを味わおうなどという虫のいい話は、この世にはない、ということです。まさにそれが生きることの妙味、なのですね。

 成功者は、あまり美味しくないビスケットまで美味しく食べてしまった人たち、逆に世の中には、美味しいビスケットを美味しくないと思い込んでいる人たちもいます。ここら辺が人生の難しいところかもしれませんね。♥♥♥

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